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スペイン最大の自転車メーカーのe-bikeが日本初上陸!! ORBEAのe-MTBが欲しくなった

ORBEA(オルベア)の新型e-MTB「WILD M20 20MPH 2023」。ボッシュの2023年版ドライブユニットを搭載しています。価格は1,120,900円

先日お伝えしたボッシュの新型ドライブユニットの件。SmartSystem(スマートシステム)と呼ばれる、新型ドライブユニットを含んだパーツ群が発表されたわけですが、その発表会で驚きのe-MTBがお披露目されました。

それは、ORBEA(オルベア)のe-MTB「WILD M20 20MPH 2023」です。もちろんボッシュ2023年版ドライブユニット「Performance Line CX」を搭載!(日本では2023年からですがヨーロッパではすでに展開されています) スポーツバイクの大人気ブランドのORBEAからついに日本市場向けe-bikeが! 発表会に訪れた人々は口々に「えーっオルベアが!」と驚きを隠せずにいました。

ボッシュの新製品発表会が開催された日に、突如ORBEAが出展。この日に発表されたボッシュ2023年版ドライブユニット「Performance Line CX」をイキナリ搭載して新型e-MTBを披露しました
スペインから届いたばかりの車体。まだペダルも装着されていない、できたてホヤホヤの新型e-MTBです。ORBEAとしては日本初上陸のe-bikeです

ご存じの方も多いと思いますが、ORBEAはスペイン最大の自転車完成車メーカーです。日本でも「ORBEA」ロゴのスポーツ自転車がたくさん走っているので、「あのブランドか」と思った方が少なくないと思います。

ORBEAのブース。ブースといっても、発表会はMTBパークで行われたのでテントです。見覚えのある「ORBEA」ロゴも

この「ORBEA」のロゴは現代的でスマートな感じですが、実はORBEA、非常に歴史のあるメーカーです。1840年にオルベア兄弟が銃器のメーカーとして立ち上げ、1930年代には自転車メーカーとして人気を博しました。現在でも非常に高い技術とノウハウを持ち、子供向け自転車から各分野のプロも選ぶ高性能スポーツバイクまで幅広く手がけています。ヨーロッパではもちろん、世界でも最大級の規模となる自転車メーカーです。

ORBEA「WILD M20 20MPH 2023」はどんなe-MTB?

世界規模のスポーツ自転車ブランドORBEAが満を持して日本市場に投入したe-MTB「WILD M20 20MPH 2023」。価格帯もハイエンドクラスとして登場しました。その詳細を見ていきましょう。ちなみに車体のショート動画も後悔されています。

フレームは「ORBEA WILD OMR 2023, 160MM TRAVEL, 29" WHEELS, CONCENTRIC BOOST 12X148」というカーボンフレームです。直線的でスタイリッシュ
ドライブユニットはボッシュ「Performance Line CX」で2023年版を搭載。なお、ドライブユニットなどの世代は2009年版の第1世代、2014年版の第2世代、そして2023年版の第3世代こと「SmartSystem(スマートシステム)」となります
スマートシステムではコントローラーやディスプレイも一新され、第1世代や第2世代のパーツ類とは互換性がありません。左はスマートシステムの「Mini Remote」というアシストモード切り替えなどに使うコントローラーで、非常にコンパクト。右はスマートシステムの「System Controller」で、フレームに埋め込むタイプの簡易表示付きのコントローラー。この車体には最もコンパクトに収まるボタンやディスプレイが採用されており、MTBライドの邪魔をしません。ハデな転倒をしても両方のコントローラーが壊れることもまずなさそうです
リアディレイラーはシマノXT「M8100 SGS SHADOW PLUS」。シフターはシマノ「DEORE M6100」。カセットスプロケットはシマノ「CS-M7100 10-51T 12-SPEED」。チェーンリングはe*thirteens「E*SPEC DIRECT MOUNT 34T BOOST」。見た目からしてガンガンと登坂しそうです
ホイールはRACE FACE「AR 30C TUBELESS READY」でタイヤはMAXXIS「MINION DHF 2.60" 120 TPI FB 3C MAXX TERRA EXO+ TR」およびMAXXIS「MINION DHR II 2.60" 120 TPI FB 3C MAXX TERRA EXO+ TR」です。ブレーキは前後とも油圧式ディスクブレーキ
ブレーキコンポーネンツはSRAM「DB8 BLACK HYDRAULIC DISC」
リアサスペンションはFOX「FLOAT DPS PERFORMANCE TRUNNION 3-POSITION EVOL LV CUSTOM TUNE 205X65MM」
フロントサスペンションはROCKSHOX「35 SILVER TK Q15X110 SOLO AIR 160MM」
シートポストはドロッパーシートポストで「OC MOUNTAIN CONTROL MC20, 31.6MM, DROPPER」です
サドルはSELLE ROYAL「VIVO 145X269MM」

といった感じで、構成パーツをザッと見ても、なかなかメリハリの効いた構成になっているようです。必要なところにはよいパーツを使い、そうでないところはコストを抑えているといった印象があります。

なお、今回は前述のとおり「スペインから届いたばかりの車体」で、とにかく展示に間に合うようにと初期的な整備も手付かずの状態でした。なので残念ながら試走はできませんでした。試走レビューはまたの機会にと考えております。

どうせ買うなら「MyO」で車体カスタマイズ!

ORBEAでは独自の車体カスタマイズ販売が行なわれています。「MyO(マイオー)」と呼ばれるもので、Webサイト経由で車体のパーツやカラーを変えて注文できます。たとえばスマートフォンで下記のQRコードを読み込めば、ORBEAのWebサイトに飛んで車体カスタマイズを試したり、実際に注文することができます。

QRコードからORBEAの「MyO」Webサイトにアクセスできます。パソコンからでもWebサイトのリンクからアクセス可能。リンク先は今回紹介したORBEA「WILD M20 20MPH 2023」のカスタマイズページですが、ペダルバイクを含む別の車体を選んでカスタマイズすることもできます
スマートフォンを使い、「MyO」Webサイトで車体をカスタマイズしている様子。カスタマイズのなかで最も目を惹くのは「フレームカラーの指定」です。多彩なカラーから自由な組み合わせを使い、自分だけのバイクを完成させることができます。パーツ類も初期設定とはべつのものを選択可能。たとえばバッテリーを少し小容量のものにすれば、4万円近く価格を抑えることもできます

こういった自転車車体のカスタマイズ販売は、ほかの一部メーカーでも行なわれています。しかしORBEAの場合、「スペインの自社工場だけで集中してカスタマイズ車体を作り上げることが可能」なのが大きな強みです。

色を変えたりパーツを変えたりしてのカスタマイズなんて、完成車メーカーなら簡単なのでは? と思ってしまいますが、実際はさまざまな制限があって難しく、コスト高にもつながるそうです。

たとえば自転車の海外出荷にはコンテナを使うため、コンテナに何台自転車を積むかというロット問題や、コンテナ不足問題、コンテナ輸送費そのもののコストがあるそうです。それ以前に、車体のペイントはこの工場で、組み立てはあの工場で、ということも多いそう。そのため、「1台カスタマイズの注文が入った」からといって、1台だけ組み上げて輸送するのは現実的でないことが多いそうです。

ORBEAの場合、スペインの自社工場でフレームの生産やペイント、パーツの組み込みを行なえるそうです。なので、1台だけの注文にもすぐ(しかも低コストで)対応できるとのこと。加えて、ORBEAでは航空便による車体の輸送を実現し、1台だけでもすぐに海外へと出荷できる体制が整っているそうです。

こういった独自の生産・配送手法により、多彩にカスタマイズを施した車体を、早くどこにでも販売可能。車体のカラー変更のほか、パーツ変更の自由度も高い。非常に細かくカスタマイズした車体を1台から買うことができるのは、ORBEAならではの良さといえそうです

では、ORBEA「MyO」を使っての自転車カスタマイズを、もう少し詳しく見てみましょう。パソコンのWebブラウザでカスタマイズを試してみます。

まずはWebサイトにアクセス。下の「カスタマイズ」ボタンをクリックして始めます。この時点で別の車体を選ぶこともできます
最初に車体サイズから指定
続いてフレーム塗装の仕上げを選択。マット仕上げかグロス仕上げかを選べて、そうしたときの見栄えもすぐ表示されます
メインフレームカラーの指定。オルベアブルーを選んでみました
セカンダリーフレームカラーはルミナスイエローにしてみました
ORBEAのロゴ色まで選べます。赤系にしてみました
車体に入る細かなロゴの色も変えられます。たとえばトップチューブ手前に入る「ADVANCED DYNAMICS」の色などですね
ブレーキをはじめとする各種パーツも変えることができます。変えたり追加したりできるパーツは、ブレーキ、ホイール、タイヤ、ハンドルバー、ステム、ライト、シートポスト、サドル、バッテリー、ディスプレイ、フォーク、ステム長です
最後に、シートステー部に入るテキスト×2種類を追加できます。「IMPRESS」「EMTB」を追加してみました
これでカスタマイズ完了。このまま在庫を調べて注文することもできます

非常に多彩なカスタマイズが可能です。カラーの変更だけでも「世界で1台だけのオリジナルバイク」になりそうですね。パーツの変更も柔軟に行なえますので「車体を買ったらいくつかのパーツを別のものに交換しよう」という場合でも、節約と時短になるかもしれません。

でもこれだけでは終わりません。実はカスタマイズ結果を画像や資料としてダウンロードできます。

カスタマイズした車体の画像はダウンロードできます。「う~ん、やっぱりORBEAのロゴは違う色にしようかな」などとジックリと検討できるわけです
こちらはカスタマイズした車体の資料PDFです。これもダウンロードできます
カスタマイズ車体が走っているイメージのページがあったり……
詳細なパーツリストが載ったページがあったりするPDFです

すごいですねORBEA「MyO」。ここまでデキるとは……。

e-bikeや本格的ペダルバイクは、かなりお高い。どうせ買うなら「色もパーツも納得ずくのバイク」を買いたいですよね。完璧に気に入れる記念的なバイク。筆者もいつかORBEA「MyO」でお気に入りe-bikeを買ってみたいと考えております。

スタパ齋藤