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携帯発電機とポータブル電源、屋内で使えるのはどっち?

携帯発電機(左)、ポータブル電源(右)

災害時の備えとして、非常用の電源を購入する人が増えています。非常用電源は主に「携帯発電機」と「ポータブル電源」の2種類に分けられますが、それぞれ特徴が異なります。

その中で注目したいのが、携帯発電機が「屋内で使えない」のに対し、ポータブル電源は「屋内でも使える」という点。特に携帯発電機は、屋内で使ったことによって死亡事故も発生しています。

説明書を読んで正しい使い方をすれば問題ありませんが、それぞれどういった違いがあるのか、経済産業省 産業保安グループ 製品安全課に聞いてみました。

携帯発電機を屋内で使ったことによって死亡事故も発生しています

大きな違いは排ガスが出るかどうか

まず大きく異なる点として、携帯発電機とポータブル電源では使用する燃料が違います。

「一般的に携帯発電機は、燃料としてガスやガソリンを使用しています。その際にガス(CO)が排出されるので、屋内や換気の悪い屋外では使えません。一方、ポータブル電源は簡単に言えばモバイルバッテリーの大容量版であり、携帯発電機のようにガスの排出はありません。そのため、ポータブル電源は屋内でも使用することができます」(経済産業省 産業保安グループ 製品安全課 担当者)

携帯発電機の燃料はガスやガソリンで、カセットボンベが使える製品もあります。充電をしなくても燃料があればすぐに使用でき、出力も大きく消費電力が高い家電も使えるといった特徴があります。

ただし、使用時に出る排ガスには毒性の強い一酸化炭素が含まれているといった側面も。屋内や換気の悪い屋外では一酸化炭素濃度が上昇しやすく、一酸化炭素中毒になるおそれがあるのです。

カセットボンベを燃料とする携帯発電機

一方、ポータブル電源はリチウムイオン電池を採用しているものが多く、使用する前に充電しておく必要があります。携帯発電機と比べると出力が小さいため、消費電力が小さい家電を使うのに適しています。

携帯発電機と違って使用時にガスが出ないため、屋内でも使用したい場合はポータブル電源を選ぶのが良いでしょう。

ポータブル電源で採用されているのは主にリチウムイオン電池

ポータブル電源の使用時に気をつけるべきポイントを聞いたところ、「モバイルバッテリーと同様、『衝撃を与えない』『高温となる場所に放置しない』『水に濡らさない』『事故の前兆を見逃さない』ということが大事です。また、取扱い説明書をよく読んで、使用可能な機器等を正しく把握することも重要です」と答えてもらいました。

地震や台風など、災害時にあると便利な非常用電源。購入を検討する際は、これらの情報もぜひ参考にしてみてください。

西村 夢音