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“ちょうどいい”サイズ感と使い勝手!! BLUETTI最新ポータブル電源「AC70」を試す

10月17日に発売されたばかりのBLUETTI最新ポータブル電源「AC70」

災害時の備えやキャンプなどのアウトドアシーンで使う人が増えているポータブル電源。最近のモデルは、安全性や充放電サイクル寿命の飛躍的な進化もあって、日常生活でも活用する人が増えています。躍進著しいポータブル電源ブランドBLUETTIの最新モデル「AC70」と、ソーラーパネル「MP200」を使ってみました。

使いやすい機能を凝縮している「AC70」

BLUETTIは2019年にスタートしたブランド。青い地球をイメージしたブランド名のとおり、地球環境への配慮を重視し、エネルギー貯蔵ソリューションを手がけています。アフリカの電気の通っていない地域に家庭用の太陽光発電機を提供するなど、支援活動を行なっていることでも知られるブランドです。

「AC70」はBLUETTI製ポータブル電源の最新モデル。容量は768Whで、近年主流になりつつある1,000Whクラスよりも少し容量を減らすことで、買いやすい価格と持ち運びやすい重量を実現しています。それでいて、定格出力は1,000Wとパワフルなのが特徴です。

10月17日に発売されたばかりの「AC70」のサイズは314×208×255.8mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は10.2kg。価格は84,800円。フラットな天にはグリップも装備されており、片手で簡単に持ち運ぶことができます

バッテリーには、最近のトレンドであるリン酸鉄リチウムイオン電池を採用。熱分解温度が高く、熱安定性が非常に優れているため安全性が高いことと、長寿命であることが特徴です。「AC70」は3,000回以上の充放電サイクル寿命を実現。1日1回残量ゼロの状態から100%まで充電したとしても、約7年使えることになります。毎日、この容量を使い切って満充電にすることはないでしょうから、だいたい10年くらいは使えると考えて良さそうです。

過放電や過充電を防止し、温度管理などを行なうBMS(バッテリーマネージメントシステム)ももちろん搭載されているので、安全性については折り紙付き。BLUETTIのBMSは、電気自動車(EV)にも採用されているものです。

前面には家庭用ACのコンセントが2つ、USB Type-AとType-Cのポートが2つずつ、シガーソケットの出力を1つ装備。残量や入力・出力の数値がわかるディスプレイも備えています

近年のポータブル電源の大きな進化といえば、急速充電に対応したモデルが増えていること。もちろん「AC70」もAC850Wの高速モード充電に対応しており、残量ゼロの状態から45分で80%まで充電が可能。リチウムイオン電池は最後の80~100%まで充電するのに時間がかかるため、フル充電までの時間は90分ですが、この容量で80%の残量があれば困ることは少なそうです。本体で電圧などを最適にコントロールするため、ACアダプター不要で、充電ケーブルをつなぐだけで充電できるのもポイントです。

もう1つ見逃せない特徴は、エコモード機能を搭載していること。ポータブル電源は、AC出力をOFFにしておかないと何もつないでいなくても電力を消費し続けてしまいます。そして、実際にポータブル電源を使っていると、出力や電源をOFFにしないまま放置してしまうことも意外とあるもの。「AC70」はAC出力が20W以下の状態が4時間続くと、自動的にAC出力をOFFにしてくれるので、気付いたら残量がなかったという事態を防いでくれます(エコモードは出荷時はOFFの設定)。

実際に「AC70」を試す。その実力は?

実際にいくつかのシーンで「AC70」を使ってみました。まず、試してみたのがスマホの充電。災害による停電などの際、一番気になるのが家族のスマホを充電できるかでしょう。今やスマホは連絡手段というだけでなく、情報ツールでもあるなど生活に欠かせないインフラとなっていますから。

試しに2人分のスマホを充電。当然、問題なく充電できて、枕元に「AC70」を置いておけば災害時も安心できそう
モニターで確認すると出力は7W程度。これなら100時間充電しても大丈夫

消費電力の大きい家電も試してみました。まずは電子レンジ。停電になっても電子レンジを動かすことができれば、お湯も沸かせますし、多くの食べ物を温めることができます。その分、消費電力も大きいのですが「AC70」につないだ状態で、食品を温めることができました。

電子レンジも動きます。600Wを選んで3分の温めが可能でした
モニターで消費電力を確認すると、1,000Wを少し超えていますが短時間であれば使用可能です

瞬間的に大きな電力を消費する家電としてドライヤーも試してみましたが、これも問題なく使用できました。一番パワフルなモードで使用すると、やはり出力は1,000Wを超えていましたが、BLUETTIのポータブル電源は瞬間的に出力を高める機能が搭載されているので、定格出力を超えるものでも使用できる場合があります。

停電時でも使いたい家電の上位に来るであろうドライヤーも問題なく動かすことができました
瞬間的な出力は1,000Wを超えているので、少し出力が低いモードのほうが安心して使えそう

最後に、筆者が乗るe-bikeも充電してみました。家電とは呼べないかもしれませんが、停電時や外出先などで充電できるとありがたいもの。昔の容量が小さいポータブル電源では充電できないものもありましたが、近年の製品なら300W前後の消費電力なので、ほぼ対応できるようになっています。

アウトドアで使用するものなので、外に持ち出して充電できるのはありがたい。あっという間に充電できてしまったので、写真は充電済みの状態

容量768Whで定格出力1,000Wというサイズは、「ちょっと中途半端かも?」というのが使用前の印象でしたが、実際に使ってみると停電時などに動かしたい家電はほぼ使うことができました。サイズや重量的にも1,000Whクラスの製品は重くて持ち運ぶのがややハードな印象があるので、少し容量を落として可搬性を重視するという選択もありだと感じます。このくらいの重量であれば、女性でもギリギリ持ち運ぶことができそうですから。

ベランダ充電がしやすそうなソーラーパネル「MP200」

AC70の他に同社のソーラーパネル「MP200」も試してみました。近年のソーラーパネルは進化が著しく、発電効率も高くなってきています。「MP200」の最大出力は200W。768Whの容量ですと、日照状態によって左右されますが、数時間で充電することができるので、ポータブル電源とセットで使用すると電気代の節約にもなります。

折りたたんで持ち運ぶことができ、収納時のサイズは681×553×65mm(幅×高さ×厚さ)。重量は8.7kgなので片手で持ち運べます。価格は59,800円
展開時のサイズは2,075×681×35mm(幅×高さ×厚さ)。ベランダでの設置も可能なサイズ感です

使いやすいと感じたのは、ソーラーパネルを立てた状態で使用するための背面にあるスタンド。角度の調整がしやすく、収納時の収まりが良くて開いてしまったりしにくいのがポイントです。

スタンドの角度を保持するベルトが装備されていて、調整したい角度に合わせてスナップボタンを止めるだけでOK
3つあるスタンドの角度を合わせておいて、広げるだけで任意の角度で設置できます
展開すれば3つのスタンドの角度が合うので、初めてでも設置しやすい
「AC70」との接続は専用ケーブルで行ないますが、アダプターの形状が変えてあるので、ハマるものをつなぐだけで接続は完了

展開と設置がしやすいので、天気の良いタイミングを見計らってベランダに設置するのも簡単にできます。残念ながら「MP200」は防水ではないので、雨が降ったらしまう必要がありますが、収納も畳むだけなので手間がかかりません。自宅の屋根などにソーラーパネルを設置しようとすると、電力会社の契約変更なども含めてかなり金額も手間もかかりますが、これなら購入して広げるだけで手軽に再生可能エネルギーを導入することができます。

「AC70」と接続した際の様子。撮影時には途中で雨が降り出しましたが、素早く収納することができました。サッと収納しやすいのもポイント

災害時の備えやアウトドアシーンで使いたいなど、ポータブル電源の導入を検討する理由は人それぞれだと思いますが、確実に言えるのは電気は誰もが使うものなので、導入すれば活躍の範囲は思っているよりも広いということ。また、ソーラーパネルとセットで導入すれば、電気代の節約や地球環境への貢献も同時に実現することができます。「AC70」のサイズは、自宅内での持ち運びやアウトドアに持ち出すこともしやすく、出力も十分。初めてのポータブル電源としては、必要な機能をすべて備えたバランスの良いモデルと言えるでしょう。

提供:ブルーティパワー