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野菜室丸見え!? 霜げない冷凍室!? 独自技術が便利すぎるアクアの冷蔵庫を徹底解剖!

AQUA製冷蔵庫「Delie(デリエ)」シリーズ。458L(4~5人向け)と、430L(3~4人向け)をラインナップする。いずれも幅60cmとスリム

「新生活で冷蔵庫を買いたい!」「もう10年近く冷蔵庫を使っているので、そろそろ買い換えたほうがいい?」というご相談をよく受ける。共働き+お子様、もしくは家族4~5人暮らし世帯なら、容量は400~500Lぐらいの冷蔵庫が標準的だ。

そして現在、このクラスの中で独自の面白い機能を搭載している冷蔵庫があることをご存じだろうか。元サンヨー社員が多く在籍する、AQUA(アクア)の冷蔵庫「Delie(デリエ)」シリーズだ。大容量ながら霜が付きにくい冷凍室を持ち、庫内の見えやすさに徹底的にこだわっているのだが、その技術がとても面白い。

AQUAは、シャープや東芝と同様に中国の資本が入っているものの、冷蔵庫の研究開発や設計は埼玉県の熊谷で行ない、国内向けだけでなく世界各国に向けた「AQUA」ブランドや親会社の「Haier(ハイアール)」の一部設計もしている。以前に「洗濯機の名店ならぬメーカー「アクア」は想像以上に洗いのプロだった!」でご紹介した京都の事業所はAQUAブランドの洗濯機の聖地だが、熊谷は冷蔵庫の聖地というわけだ。

研究開発や設計は埼玉県の熊谷で行なっている
ロボットアームを使った耐久検査! 「冷凍食品に霜が付きにくい」というのがどうにも理解できなかったので、熊谷の開発まで乗り込んだ! なぜだっ!

今回は日本の常識を打ち破り、世界やASEAN諸国の常識を取り入れながらも、国内で使いやすい冷蔵庫を作るAQUAにフィーチャーしよう。

とにかくシースルーさと冷凍室が凄い! それがAQUAのこだわり!

驚きの便利さ! 冷蔵室から野菜室が丸見え! シースルー!!

シースルーの冷蔵庫と言われても、「ハァ?」な人多数。それは誰も経験したことない、見たことのない冷蔵庫だから!

デリエシリーズのいちばんぶっ飛んだところは、冷蔵室の底が強化処理ガラスで「透明」になっていること。東京タワーやスカイツリーにもある、一部の床がガラス張りになってる意味分からんアレ! アレを冷蔵庫に応用すると、こんなに便利になるのかっ!

そう冷蔵室のドアをあけて目線を下げると、下段の野菜室が見渡せる! 「それがどーした!」とPCやスマホの前で突っ込んでる、あなたの顔がこちらからよく見えますよ!

冷蔵室の底がガラス張りだから、その下の野菜室の引き出しの中が丸見え! なんじゃこりゃー!

ほぼ100%の主婦が体験している「あるある」。野菜室の奥に潜む、数日前のもやしが茶色く……(キャーーーーッ!)、ほうれん草や小松菜が萎れてふにゃふにゃに(ガーン!)、キュウリらしきモノは青汁に(怖いよ~!)、こんなのは日常茶飯事。

つまり野菜室のドアは野菜を使わないと開けないうえに、奥が暗くて見えにくい! だから数日前に買った野菜が見えない。いちいち野菜室を全部引き出して、奥の奥まで確認する人は皆無。だから野菜が自然に戻ってしまう。

でもデリエなら、冷蔵室から野菜室が丸見え!「あー奥に、3日前のもやしが!」「新聞に包んだあれはなんだ?」「きゅうりの色がちょっと黄色くなってきた!」など、野菜のバイタルサインをいち早く見極められるのが強み。

しかも一般的な冷蔵庫だと、冷蔵室の上の方にしかない照明が、デリエならすべての引き出しと、冷蔵室に4つも付いている。だからそれだけでも、引き出しの奥が見やすいのに、冷蔵室からも野菜室が見渡せるので、野菜好きに超オススメ!

こんなにアチコチに照明が付いているので、暗いキッチンでも冷蔵庫の中が一目瞭然

野菜室が見えるように採用された強化処理ガラスは、電車のドアなどにも使われている。だから一片の曇りもなく透明で、汚れがついてもすぐに拭き取れる。しかもちょっと重さがかかったぐらいじゃ割れる気配すらない。

その強度はAQUAの開発者がビビリながら落とした1kgの鉄球実験でも分かるだろう(笑)。

1kgの鉄球を冷蔵室内で落とす実験 ※映像はあくまでも編集部による独自の確認結果であり、メーカーの保証外となります。製品のご利用時は、くれぐれも庫内食材などの落下に注意してください

鉄球を落とした瞬間、強化ガラスが大きくたわむことで衝撃を吸収し割れない。こんな感じでいちばん上の棚からモノを落としても、まずガラスが割れることはない。たとえばスープがたっぷり入った鍋を一時的に置いても問題ない。

他にも熊谷の研究所では擬似的な雷を落としたり、逆に有害な電磁波を出していないか? なども徹底的に調べている

クラスナンバーワンの大容量冷凍室

共働き世帯にとって、もう一つ魅力的なのは冷凍室だ。デリエは、400~500Lクラスの中でも冷凍室容量が大きく、さらに保存した食材に霜が付きにくい独自の構造を採用している。

400~500Lクラスの冷蔵庫の場合、一般的な冷凍室の容量は100L前後。でもデリエの場合は、1.5倍の152Lだ。430L/458Lどちらのモデルでもこの容量。これはデカイ!

また、一般的な400~500Lクラスの冷蔵庫は冷凍用の部屋として、製氷室、小さ目の冷凍室、メインの冷凍室と大体3つある。しかしデリエは2室のみ。普通は製氷と冷凍室(小)は引き出しを分けるところだが、デリエは引き出しを1つにまとめて、引き出し機構を少なくして容量を稼いでいる。

中段左が製氷室で右が冷凍室(小)。普通の冷蔵庫は、2つの引き出しなので冷凍室(小)の幅が狭くなる。でもデリエは数mmのプラスチック1枚で隔てただけなので、冷凍室(小)も広々使える。下段にメインの冷凍室を備える

AQUAの冷蔵庫は、どの機種も冷凍室が大容量で、価格.comで冷凍室の容量順に並べ替えをすると一目瞭然。上位はすべてAQUA系(ハイアールはAQUAに資本を出す中国企業)。

食べ盛りの中高校生(男子)のいる3人家族にとっては、冷凍室の大きさは重要。お弁当のおかずに、帰ってから食べるピザなどの冷凍食品、アイスなどなど保存していないとグレてしまうかも知れない(笑)。

400~500Lクラスの冷蔵庫で、冷凍室の大きい順に並べ替えるとAQUAだらけ(笑)

霜げない冷凍技術「おいシールド冷凍」がスゴイ! 肉も魚も美味しく保存

そしてその冷凍室に採用している独自技術が、霜が付きにくく美味しさが長持ちする「おいシールド冷凍」だ。この辺りの仕組みはホームページを見てもえらくアッサリ。

もしかして、凄い企業秘密じゃないのか? ということで、熊谷まで問いただしに行ってきた。だって冷凍食品が霜げる原因って不思議じゃない? フツー霜げるモンでしょ?

熊谷のR&Dセンターに潜入! オシャレなキッチンスペースもあったぞ
左はデリエで1カ月保存したステーキ肉。まったく霜げていない。右は一般の冷蔵庫で保存したもの。霜が付いており、水分が抜けたため小さくなり変色もしている

話を聞いたところ、冷凍すると食品に霜がついたり、冷凍焼けして美味しくなくなるのは、冷蔵庫の構造によるところが大きいという。だからまずは、ちょっとだけ冷蔵庫の仕組みについて。

取材に応じてくれた、ハイアールアジアR&D株式会社 冷蔵庫商品開発本部 商品企画グループ 安 英蓮さん(左)、クリエーション本部 冷蔵庫先行技術グループ マネージャー 星野 仁さん(右)

冷蔵庫が冷える仕組みは、大きく3工程に分けられるという。


1.エアコンと同様に高圧なガスをコンプレッサー(モーター)で作り出す

2.高圧ガスを一気に噴射すると、スプレー缶が同じ現象で周りの熱を奪い、カンが冷たくなる。噴射したガスはまたコンプレッサーに戻す

3.冷たくなったカン、冷蔵庫やエアコンでは熱交換器という部分に風を送り空気を冷やす

でもそこには大問題が! 3.の熱交換器がどんどん冷えると、夏に缶ビールを飲んでいるように、まわりに水滴がついて結露する。ビールならそれでいいんだが、熱交換器の温度はなんとマイナス30℃なので、結露はどんどん氷になってしまうのだ。

どんどん氷が成長すると、冷やされた風が氷でふさがれて冷蔵庫に送れなくなってしまう。こうなるともう冷蔵庫として機能しない。

エバポレーターとあるのが熱交換器。ここが-30℃まで冷えるので結露・着氷してしまう。ファンのすき間に注目

だから氷が大きく成長する前に、熱交換器に仕込んである電熱線で温めて「霜取り運転」をする。冬場は2〜3日に1回程度、夏場になると湿度が高いので1日1回程度するというのだ。

冷蔵庫から出したアイスを食べると「あれ? 今日のはやたらと柔らかいなぁ」と感じたことはあるはず。これは霜取り運転中かその直後のアイスを食べたときなのだ。

熱交換器をヒーターで温めて着氷した氷を霜取り運転する。ファンがすき間なく覆われているのに注意
一般的な冷蔵庫の冷凍室

霜取り運転中は熱交換器から暖気が上がってくるので、送風ファンを止めても冷凍室などが温まってしまう。その温度差10℃。

一般的な冷蔵庫は霜取り運転中に、庫内の温度が10℃近く上昇するが、AQUAの場合は特殊な構造で5℃の上昇に抑えている
AQUAの冷凍室

送風ファンにフタをして、熱交換器からの暖気をシャットダウン。だから霜取り運転中でも、5℃程度しか上がらない。このわずかな温度差が冷凍食品の美味しさを長持ちさせ、冷凍焼けを起こさせづらくしているのだ。

単にファンを停止するだけでなく、ファンそのものをすっぽりカバーで覆ってしまうので、暖気が庫内に入らず温度上昇を最低限に防ぐ

ここで普段の冷凍室の温度を-18℃としてみよう。なお厳密に計算するとややこしいので、ここでは大雑把な計算で感覚を感じて欲しい。

一般的な冷蔵庫で霜取り運転をすると10℃上昇し-8℃まで上がる。このときの空気に溶け込める水分の差は-18℃のとき1.26gに対して、-8℃のとき2.74g。その差1.48gが食品に付く霜になる。袋に入ったアイスや、トレイに入ってラップされた肉や魚には、小さじ半分の水が霜として付く。

袋に入ったアイス。左はデリエで3カ月保存したもの。右側は一般の冷蔵庫、袋の上の部分に霜が付いてしまっている

でも5℃しか上昇しないAQUAの冷蔵庫なら、0.61gしか霜が付かないのだ。10℃上がる冷蔵庫に比べると40%以下の霜しか付かない。しかもその霜の水分がドコから出るかというと、肉や魚の内部から。いくらカチコチに凍っていても、水分が蒸発する。

霜取り運転は冬でも2〜3日に1回程度、夏なら1日1回程度行なわれるので、コレだけの水分が日に日に蒸発して、霜になってしまう。

アイスのほかにもホタテの保存状況も見せてもらった。こちらも霜の付き方は一目瞭然。また、ホタテ自体の硬さや歯ごたえもかなり変わってくるという。

1カ月保存したホタテ。左がデリエで右が一般的な冷蔵庫
購入時生ホタテ(青)、「おいシールド冷凍」で1カ月保存したとき(オレンジ)、非搭載機で1カ月保存したとき(グレー)で、硬さを比較
厚さを比較
歯ごたえを比較

デリエシリーズをはじめとしたAQUAの冷蔵庫は、これまで数週間で食品が霜げて食感や美味しさを損なったり、冷凍焼けでパサパサになっていたのを、倍近く長期保存できる冷蔵庫になっている。それが「おいシールド冷凍」なのだ。

霜取り運転中の温度上昇を防ぐために、ファンを止めるだけだったり、ファンにシャッターを設けるなどを施している冷蔵庫は数あれど、送風ファンをキッチリカバーしてしまうのはAQUAだけ。単純だけど最も効果的なアイディアだ。

おいシールド冷凍非搭載モデル「AQR-SV27H」(左)と、デリエシリーズ「AQR-VZ46J」(右)の霜の付き方比較。牛肉サーロインも4週間変わらぬ味で冷蔵保存できる
メバチマグロの比較
ホタテの比較
冷凍野菜の比較
ハイアールアジアR&D株式会社 冷蔵庫商品開発本部 本部長 山口 竜彦さん(左)、商品開発グループ ディレクター 山川 貴志さん(右)に詳しい技術説明をしてもらった

シースルーとLEDで食材が迷子にならない

さて冷蔵室底部のシースルーにも驚かされたが、実は冷蔵室全体がシースルー構造。なんと棚が全部強化ガラスになっているという! ユーザーの筆者が言うのもなんだけど、コレめっちゃ原価高いです!

なんと仕切り板は強化ガラス製!透明度が高く、汚れ落ちもよく、頑丈で薄い!

通常の冷蔵庫は、たいていポリカーボネイトという樹脂。車のヘッドライトなどで使われるプラスチック。でも経年劣化でだんだんすりガラスっぽく曇ってくる上に、強度を高めるためにスジ(リブ)を入れないとならないため、透明樹脂なのに見通しが悪い。

でもデリエは1枚の強化ガラス。車のフロントガラスと同じなので、経年劣化で曇らないし、リブをいれなくても十分強い。なにより汚れたら、すぐに拭き掃除でピカピカになるのが特徴!

しかも一般的な冷蔵庫に比べると、隔段にLEDライトがついているので、奥の奥まで明るく見えるのが特徴。従来の冷蔵庫のように、「数年前の食品を発見!」なんて発掘調査が不要になるのが、AQUAの冷蔵庫デリエシリーズだ。

明るくシースルーな庫内は、行方不明になる食材がほとんどない!

横長チルド室はパックを重ねず入れられ大皿も冷やせる!

各メーカーが冷蔵庫の特徴を打ち出すチルド室は、真空だったり、パーシャルだったりさまざま。AQUAのチルド室は単純明快!「横長ワイド」だ。

冷蔵庫の幅いっぱいまでブチ抜いたチルド室になっており、買ったお肉や魚のパックを重ねなくても入る余裕のサイズ。多くの冷蔵庫は、チルド室の横に製氷用の水タンクがあるのだが、デリエは給水タンクを1段上に持ち上げて、チルド室を広くとっている。

とはいえ水タンクから製氷皿への経路には洗浄モードがあるので安心だ。では水タンクの横にあるフタつきの部屋は“フタつきの冷蔵棚”というわけ。ここはチルド同様に引き出せるので、マーガリンやチーズ、紅しょうがやカレールーのあまりなど、冷蔵庫の奥に行きがちなものを入れておくといい。

上段は左が水タンク、右は引き出し式の冷蔵室(小物入れ)。下段は湿度と低温を保つワイドなチルド室
旬鮮チルドで保存したまぐろや挽き肉の比較。-1℃で凍らず乾燥せず、美味しさが長持ちするという

65cm~70cm幅の冷蔵庫スペースにも余裕で収まるスリム設計!

最近の賃貸や建売住宅では、冷蔵庫置き場を80cm取る工務店もあるけれど、一般的な住宅では70cmというところがまだまだ多い。「ん? ちょっと狭い?」と感じるワンルームなどでは65cmなんて物件も。

10年前の400L冷蔵庫といえばかなり大きく、両開きドアで70cmのすき間に収まる冷蔵庫はまずなかった時代。しかしAQUAをはじめ、ここ数年の冷蔵庫はかなり幅が狭くても大容量なのが特徴。とくにデリエシリーズは幅スリム構造で、最低で幅61cmの冷蔵庫置き場があれば入ってしまうほど。

またデリエは背面を壁にぴったりくっつけてもOK。天井部に10cmのすき間だけあれば設置可能というスリムさが驚き! ただし実際の購入時には、設置場所の幅が61cm以上あるかを計ること。

430L/458Lタイプともに幅60cm。シリーズラインナップは、ガラスドアのプレミアムライン「AQR-VZ46J/AQR-VZ43J」と、鋼板ドアのスタンダードライン「AQR-V46J/AQR-V43J」
430Lタイプは、幅61cm、高さ1.85mあれば設置可能
458Lタイプは、幅61cm、高さ1.94mあれば設置可能

引越しや新築、お子さんの成長で冷蔵庫が手狭になってきたという方は、ぜひ買い替えを検討してはいかがだろう? 2009年製以前の冷蔵庫を使っているのであれば、省エネ性能が格段に向上していることを実感できる。買い換えても電気代(以降で使う8年分)で元が取れると考えていい。

冷蔵室から野菜室が丸見えなので、買ったまま忘れていた野菜たちを無駄にせず、長持ち。お財布にもやさしい。また大型チルド室もお肉や魚の買い置きがひと目で見渡せ、ちょっとサラダを作って夕食まで冷やしておくなんて使い方も。

さらにAQUAだけの「おいシールド冷凍機能」で、霜げず冷凍焼けも起こさず、長期間の冷凍保存ができる。美味しく長持ち、家族も喜び、お財布にもやさしいのがAQUAの冷蔵庫「デリエ」シリーズなのだ。

協力:アクア株式会社 ハイアールアジアR&D株式会社