パナソニック、断熱材施工器具でも使用できるLED電球を開発

~独自の熱解析技術で放熱特性を改善
LED電球の熱のシミュレーソン

 パナソニック株式会社 ライティング社は、LED電球の放熱性を改善し、断熱材施工器具でも使用できる“業界初”のLED電球を開発したと発表した。E17口金で、LED光源が斜めに配置された斜め取付け専用タイプとなる。商品化の時期は未定。

 これまでのLED電球では使用できなかった、断熱材施工器具にも設置できるLED電球。断熱材施工器具は断熱材が施工された天井で多く採用されているが、断熱材なしの場合と比べて、照明器具内の温度が高くなるため、通常のLED電球では発光効率が低下し、寿命が極端に短くなるなどの不具合が発生。白熱電球からLED電球への置き換えが進んでいないという。


断熱材施工器具では、熱が器具内部にこもるため、LED電球が使えなかった断熱材施工器具は、断熱材が施工された天井にダウンライトとして採用されているケースが多いユーザーからの問い合わせでも、断熱材施工に関するものが多かったという
独自の放熱技術を採用。断熱材施工器具でも使用できるようになった

 今回開発されたLED電球は、独自の熱解析技術を用いて設計された。LEDパッケージとアルミのボディを緊密に接合することで、熱伝導性を向上。口金とアルミボディを繋ぐ部材には、熱伝導に優れた樹脂ケースを採用している。さらに、アルミボディ表面には、熱の放射率を向上する材料を混ぜ合わせた白色塗料材料を採用した。

 この結果、従来よりも熱の表面放射率が約1.3倍に向上。同社ではこれらの放熱技術により、断熱材施工器具で使用できるとしている。

 パナソニックでは、このLED電球を発売することで、白熱電球からの代替領域を拡大し、省エネランプの置き換えを加速していくことが可能になったとしている。

現在は省エネランプの代替可能領域は約80%だが、断熱材施工器具に対応することで、約90%にまで割合を増やすことができるという今回開発されたのは、LED光源が斜めに配置された斜め取付け専用タイプ(右)となる





(正藤 慶一)

2011年1月27日 14:52