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日本初「水素アシスト自転車」が型式認定取得 万博でも活躍した次世代クリーンモビリティ

YOUON JAPAN(ユーオン ジャパン)は、「水素アシスト自転車」が国内で初めて型式認定を取得したことを発表した。昨年のサイクルモード東京 2025で展示車を目にした読者もいるかもしれないが、電力ではなく水素を燃料とし、バッテリーの代わりに水素ボンベによる燃料電池で発電した電力でアシストするシステムを採用。同社では、日本における水素モビリティ製品の歴史的な第一歩であり、次世代エネルギーの社会実装に向けた重要な節目だとしている。

サイクルモード東京 2025で撮影した車体の水素ボンベ
家庭用の小型水素生成・充填一体機。こちらもサイクルモード東京 2025で撮影

まだ公式サイトではラインナップに掲載されていないが、国家公安委員会(警察庁)が認定する型式認定を取得したのは、24型の水素燃料後輪駆動電動アシスト自転車「U200」というモデル。型式認定番号:交N25-92/交A25-86。なお、e-bikeでも型式認定の取得はメーカー次第だが、公益財団法人 日本交通管理技術協会のサイトで確認できるので、気になるモデルがあった場合はにはチェックしてみるといいだろう。

U200

排出物が水のみという極めてクリーンな水素利用は、これまで産業・研究用途にとどまっていた通勤・通学・買い物など日常の移動手段へと拡大する道が開かれ、低炭素社会の実現とエネルギー多様化に貢献したいとする。

YOUON JAPANの水素エネルギー・ソリューション

【水素アシスト自転車の主な特徴】
・クリーンエネルギー駆動
 水素と空気中の酸素を化学反応させて発電。二酸化炭素を一切排出せず、排出は「水」のみ。
・カートリッジ式システム
 小型水素カートリッジを採用し、安全かつ簡単に交換可能。
・導入実績
 2025年大阪・関西万博では、会場スタッフの移動用モビリティとして採用され、環境配慮型交通の象徴的存在に。
・環境・社会貢献
 自動車代替や短距離移動の脱炭素化を促進し、都市のカーボンニュートラル実現に寄与。

大阪・関西万博で会場運営スタッフの移動用モビリティとして採用

同社によると、水素アシスト自転車の普及は、「環境負荷の大幅低減」「防災・分散エネルギーの強化」「政策連動と国際協調」などで大きな社会的意義を持つとする。

また、今回の型式認定取得を契機に、日本国内および海外での水素モビリティ普及を本格展開するという。サイクルモード東京 2025で試乗コースを走ったが、ときおり「ボン」という水素の燃焼音が聞こえるくらいで、電動アシスト自転車と変わらない印象だった。あらためて水素カートリッジの充電や長距離の試乗も試してみたい。