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パナソニック、「プレミアム市場」で海外展開に注力
(2015/10/7 00:00)
最先端IT・エレクトロニクスの総合展「CEATEC JAPAN 2015」が10月7日に開幕する。それに先立ち、パナソニックが展示内容の説明と、今後の商品展開の指針を発表した。
説明会では、パナソニック アプライアンス社 本間 哲朗社長が登壇。同社家電事業に関して説明した。
まず本間氏は家電事業を「伸びない事業ではなく、グローバルに向けて大きく伸びる可能性のある事業である」と定義。創業100周年を迎える3年後には、同社全体の売り上げ目標10兆円の中で2.3兆円を、家電事業で実現したいとする。
さらに「家電単品だけを届けるのにとどまらず、太陽光パネルから蓄電システムなどのエネルギーシステム、さらには住宅設備やリフォームまで幅広くお届け出来るのはパナソニックだけ」と同社を位置づけた。
最近のインバウンド需要の増加にも言及。炊飯器や温水洗浄便座などを中心に、訪日外国人向けの家電需要は、前年比で80%増、売上高は280%増(3.8倍)になる見込みだと語った。こうした訪日外国人のニーズに応えるため、本年からはビューティー商品やジャーポッドなどを加え、8カテゴリー26機種に増やしたという。
さらに経済発展によりアジア、特に中国でのプレミアム市場が急速に拡大していくと予測。今後は、海外での展開で「プレミアム市場」にも注力。
こうした展開を強化するために、同社は新たな事業コンセプト「Aspire to more ~暮らしにもっと憧れを~」を掲げる。憧れを実現するためには、デザインやイノベーション、単品から空間への場の創造、そしてユーザーが購入前に商品に触れられる場(カスタマータッチポイント)の開拓が必要であるとする。
キッチンやダイニング、リビングやベッドルームなど、憧れを形にした空間を展示
説明会で語られた事業コンセプトを体現するのが、CEATEC会場の同社ブース。会場には、実際の住宅をイメージしたキッチン、ダイニング、リビング、そしてベッドルームの4つの空間を見せている。
キッチンでは、多彩な生活家電がネットにつながり、センサーやクラウドサービスと連携することで、家族の健康状態を反映した調理が簡単にできるようになるという。
ダイニングでは、料理に合わせて演出される照明を配置。中庭を望む窓は、一瞬にして家族で撮影した写真や動画を表示するスクリーンに変わる。シーンによって表情を変えることで、家族の団欒を盛り上げるという。
リビングには、テレビやカーペットスピーカーを設置している。ユーザーの位置に応じて最適な視聴環境を作り出し、1人でも家族でも、くつろげる空間にする。
さらにベッドルームでは、住む人のバイタルデータに応じて、最適な眠りの環境を作り出す。さらに情報を表示するインタラクティブミラーなどを展示している。
これらは、IFAでも展示されていたが、いずれのコンセプト製品も、2018年から2020年には実用化できるという。