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パナソニックが提案する、一歩先行く住宅設備
(2014/5/23 00:00)
パナソニック エコソリューションズ社は、暮らしの役に立つソリューションをテーマに、住宅用照明「美ルック(みるっく)」や新型の分電盤「スマートコスモ」など新製品を集めた関係者向け内覧会を開催した。
人肌を美しく、食べ物をおいしそうに照らす「美ルック(みるっく)」
「美ルック(みるっく)」は、人の肌を美しく見せ、物の色を自然に見せる住宅用のLED照明器具シリーズ。タイプはダウンライトからペンダント、スポットライトまで計374品番を揃える。希望小売価格は7,800円~114,000円(税抜)。
同社では、光の波長を制御して肌の色を美しく見せる店舗用照明「美光色(びこうしょく)」を2012年4月より展開しており、「美ルック」はそれを住宅用に応用したもの。従来のLEDより、自然で色鮮やかに見せるという。
会場ではほかに、新製品として「LEDデザインペンダント」シリーズも展示していた。裸電球デザインタイプは、チェコのプラハ城に導入されるなど海外でも好評という。
スマホ感覚でタッチ操作できる照明スイッチ「アドバンスシリーズ」
「アドバンスシリーズ」は、壁面に馴染むデザインを取り入れた配線器具。パナソニックは、前身である松下電気器具製作所時代から配線器具を製造している。新製品は現代に合うデザインや操作性に刷新した。
具体的には、「タッチLED調光スイッチ」では、スマートフォンを操作するように表面をタッチしてON/OFFできるほか、指を上下にスワイプすると、光の明るさを調節できる。実際に試したところ、直感的に操作できて、感度も良かった。
そのほかのスイッチも、スイッチの周りにマットで壁に馴染む素材を採用し、従来緑色だったスイッチ内の「ほたるランプ」をホワイトに変え、雰囲気を調和させた。また、従来は配線の関係で左側に位置していたランプを右側にずらし、操作しやすくした。
次世代の分電盤「スマートコスモ」
「スマートコスモ」は、スマートグリッド時代に向けた分電盤。従来の分電盤は家庭の電気を各部屋へ分配する役割を果たしていたが、スマートコスモでは全回路に電力センサーを備え、家中の電気を計測できる機能を追加した点が特徴。これにより、設置の手間が省け、設置面積も小さく済むようになった。
また、太陽光発電との連携を見据えて、計測ユニットや専用ブレーカーの将来的な増設にも対応する。
さらに、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)の頭脳にあたる「AiSEG(アイセグ)」と連携して、電気設備を制御し、エネルギーを見える化する。
近い将来には部屋の照明を自動減光して節電したり、家中の照明をまとめて消灯することも可能になるほか、将来的には時間帯別料金に合わせた節電や、室温に合わせてエアコンを運転させることも可能になるとしている。
なお同社の調べでは、現段階でのHEMSの一般的な認知度は約20%に留まっている。キャンペーンキャラクターにドラえもんを起用して、「ドラまちっくキャンペーン」と銘打ってPRしていくという。
スマートコスモは多くのバリエーションが用意されている。希望小売価格は27,400円~204,000円(税抜、工事費別)。
小便が飛び散らない温水洗浄便座「アラウーノ」
「タンクレストイレ 新型アラウーノ」は、タンクレスタイプの温水洗浄便座。清潔さにこだわり、小便の「ハネ・タレ・モレ」という3つの汚れを防止する。これにより、手入れの手間を省く。
具体的には、便座をあげると自動で水位が下がり、水に泡を溜めて小便がハネるのを防ぐ。また便器の縁に3mmの出っ張りを設け、垂れ出るのを防ぐ。さらに、便器と便座の隙間を最小限に留めて、漏れるのを防ぐ。
素材には、有機ガラスを採用している。陶器と異なり金型で成形するため、便器の縁や隙間部分の細かな立体成型が可能という。
発売日は6月2日。希望小売価格は標準機種で300,000円(税抜・工事費別)。新築とリフォームに対応する。
引き戸とLED照明がキーワード、トラフ建築設計事務所の展示「SLIDING HOUSE」
内覧会場ではこのほか、トラフ建築設計事務所の鈴野浩一氏と禿真哉氏が手掛けた「SLIDING HOUSE」と題するブースが展示されていた。
トラフ建築設計事務所は、今年のパナソニックのミラノサローネにおける展示作品を担当した。「SLIDING HOUSE」は、ミラノサローネの展示作品と同じく、「引き戸とLED照明による空間の可変性」がテーマ。日本古来の襖や障子といった引戸を空間づくりに活用することで、季節感や開放感を演出。また住む人のライフスタイルやライフステージに合わせて変化できる住まいのあり方を提示した。
SLIDING HOUSEには、導光板を採用した住宅用照明「パネルミナ」を採用していた。パネルミナは面発光するLEDを光源とし、展示されていたペンダントタイプのほかに、ダウンライトやブラケットタイプも発売している。
今回の内覧会では、SLIDING HOUSEの展示に見られるように、エネルギーをうまく取り入れながら、暮らしを便利にするアイデアが随所に見られた。多くの展示物はすでに発表済みのものだったが、こういう場でまとめて見ることによって、少しでも住み良い住宅を実現しようという方向性が伝わってきた。