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パナソニックが14年ぶりに壁面スイッチを一新したワケ
2014年7月24日 00:00
パナソニック エコソリューションズ社は、デザインを14年ぶりに一新した配線器具「アドバンスシリーズ」を発売した。今回は新製品のプレス向け体験会の様子をレポートする。
配線器具は、パナソニックが1918年に創業した時から手掛けてきた製品で、時代に合わせてデザインを刷新してきた。
2000年以来の14年ぶりのリニューアルとなる「アドバンスシリーズ」は、壁面スイッチやコンセントなど全54品番を揃える。タッチ操作を採用した点、インテリアに馴染むデザインに変更した点などが特徴となる。
同社の配線器具のラインナップではプレミアムシリーズに位置づけられ、従来の配線器具シリーズ「コスモシリーズワイド21」は普及モデルとして継続して販売する。
住まいの脇役こそ、上質に
なぜ今、デザインや機能を一新したのか。パナソニックでは、近年の住環境の変化、人々の上質へのニーズの高まりや、インテリアへのこだわりを理由として挙げている。
特に住環境の面では、スマートハウスのようなHEMSと連携した住宅が増えてきている。現段階ではHEMSとの連携機能はないが、2014年冬の発売に向けて新製品を開発しているという。
アドバンスシリーズのデザインを手掛けたパナソニック エコソリューションズ社 デザインセンター エナジー・エコシステムズデザイングループの赤堀康弘氏は、「スイッチやコンセントは、住まいの中では脇役的な存在だが、脇役を上質なものに変えることで、住まいの価値がワンランク上がる」と話す。
赤堀氏は以前、ドライヤーなどの美容家電をデザインしていたが、6年前に配線器具の担当に異動。以来。配線器具の形だけでなく、機能、操作方法などを含めて、6年がかりで新製品を検討してきたという。
赤堀康弘氏は、新製品のデザインの狙いについて「一見どこにスイッチがあるかわからないほどに、“溶け込ませる”ということが重要。一度設置すると10年20年と使うものなので、長く飽きない美しさにこだわった」と語った。
“くらしをスマートに変える”
アドバンスシリーズでは共通して、厚さを従来の12mmから新製品では7.6mmに薄型化し、壁になじみやすくしたほか、スイッチ形状は横:縦を1:1.618の黄金比に変更した。
さらに、壁面に合うよう、スイッチ周りの表面素材をマット仕上げにした。従来の光沢のある素材よりも汚れは付きやすいが、逆に汚れを落としやすい特殊な加工を施したことで、欠点をカバーした。
また、室内の照明が点いていない時に、スイッチの位置を知らせるホタルランプに白色LEDを採用。従来の緑色のランプは色盲の人に見えない恐れがあったが、新製品では改善し、インテリアに馴染みやすくした。
操作の面では、調光スイッチにタッチ操作を採用した。スライド、長押し、タップなど好みの方法で調光操作できるようにし、スマートフォンのように直感的なコントロールが可能だ。
タッチ操作でスイッチをON/OFFする際は、電子音でも知らせる。約40dBの適度な音量で、中央部を押すと「ピッ」と音がして点灯。もう一度押すと「ピー」と音がして消灯する。なお音はOFFにすることもできる。
コストの面では、新築の住宅に納入した場合、従来の配線器具に比べて全体で約1.3倍程度の費用がかかるという。また既設の住宅に導入する場合は、電気工事が別途必要になる。