ダイキン、飛び出すイオンと本体内の放電で除菌する加湿空気清浄機を公開
本体外と本体内除菌・脱臭技術を備えた「ダブル方式」の加湿空気清浄機「うるおい光クリエール MCK70N」 |
ダイキン工業は、2種類の除菌・脱臭技術を備えた「ダブル方式」の加湿空気清浄機「うるおい光クリエール MCK70N」について、9月15日の発売を前に、製品説明会を実施した。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は54,000円前後。
■ついにダイキンもイオン機能を搭載。ストリーマとの「ダブル方式」
本体外に放出するイオンと、本体内に放電する「光速ストリーマ」の2つの除菌方式を搭載。写真は新製品のパンフレットより |
MCK70Nは、同社の加湿空気清浄機の最高級モデルに位置する製品。新製品では、これまで搭載していた、ダイキン独自の除菌・脱臭技術「光速ストリーマ」に加えて、空気中にイオンを放出し、部屋に染み付いた付着臭・付着菌をする新たな除菌・脱臭技術「アクティブプラズマイオン」を搭載した点が特徴。
光速ストリーマは、本体内でプラズマ放電の一種である「ストリーマ放電」を起こすことで、カビなどの菌や、花粉、ダニの糞や死骸といったアレル物質、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドなどを除去する活性種を生成する。この活性種が、空気清浄機が吸い込んだ空気を本体内でキレイするという。
一方、アクティブプラズマイオンは、風路内の電極部が放電することで、OHラジカルという活性酸素を発生。このOHラジカルが、風に乗って空気中や部屋のカーテンやソファーの菌や花粉、ダニの死骸などに付着し、表面のタンパク質を酸化、分解する。
アクティブプラズマイオンの除菌メカニズム。活性種「OHラジカル」が菌などに付着し、表面のタンパク質を酸化して分解する(同社資料より) | アクティブプラズマイオンの発生装置は、本体の風路内にある | アクティブプラズマイオンは、本体から吹き出す風に乗って、部屋じゅうに届けられる |
同社では、光速ストリーマとアクティブプラズマイオンという「ダブル方式」により、部屋全体の空気がクリーンになるとしている。
ダイキン工業 空調生産本部 商品開発グループの宮上正人氏 |
これまで同社の空気清浄機における除菌・脱臭技術は光速ストリーマのみで、アクティブプラズマイオンのように本体外にイオンを放出する製品は出していなかった。ダイキン工業 空調生産本部 商品開発グループの宮上正人氏は、新たにイオン機能を搭載した理由について「ユーザーからのニーズを受けて導入した。メインは光速ストリーマだが、それを補完するもの。カーテンについた臭いは、光速ストリーマでは取れない」と説明した。
ダイキンが試験空間にて確認したアクティブプラズマイオンの効果は、付着カビ菌の抑制、スギ花粉の抑制、アンモニアの消臭効果、付着菌・付着臭の抑制・除去、肌の水分量アップ。また、皮膚・眼・呼吸器に対する安全性も確認しているという。アクティブプラズマイオンのイオン濃度は、1立方cm当たり25,000個。
光速ストリーマの効果。ホルムアルデヒドや花粉の中心部を分解するのはストリーマだけとのこと | アクティブプラズマイオンの効果一覧。付着カビ菌の抑制、スギ花粉の抑制、アンモニアの消臭効果、付着菌・付着臭の抑制・除去、肌の水分量アップなどがある |
■省エネ運転・加湿設定が充実
省エネについては、風量を弱めて節電しながら運転する「eco節電モード」に、新たに「みはり運転」を採用した。みはり運転では、空気がキレイになると運転を自動で停止。自動運転と比べた場合、約40%の節電ができるという。
また、加湿機能における湿度設定も可能となり、約60%の「高め」、約50%の「標準」、約40%の「ひかえめ」の3段階から選べる。宮上氏によると「これまでの加湿空気清浄機は、連続運転か自動(50%)しかできないものが多かった」という。
「eco節電モード」では、空気がキレイな場合には運転を停止する「みはり運転」が加わった | 運転中は、正面に湿度が表示される。写真中の赤いランプは、ハウスダストセンサーがハウスダストを検知しているため | 加湿時の湿度設定が、より細かく設定できるようになった |
集塵方式では、吸引したホコリや花粉を帯電させてフィルターに吸着しやすくする、ダイキン独自の「新電気集塵方式」を引き続き採用。フィルターが目詰りしにくく、集塵効果も落ちにくいという。また、フィルターは10年間の交換が不要となる。なお、空気清浄運転時の適用床面積は、前年モデルの30畳から31畳にアップした。
加湿方式には、専用の加湿フィルターに風を通す気化式を採用。加湿フィルターは抗菌・防カビ素材となっている。また、光速ストリーマが加湿フィルター、加湿水を照射することで除菌する仕様となっている。
「ストリーマー照射に加え、トレーにはぬめりや水アカを抑える銀イオン抗菌剤を入れており、清潔性に配慮している。冬場はウイルスが低音で空気が乾燥して繁殖しやすいので、健康のために加湿機能はあった方が良いと思います」(宮上氏)
前面パネルを取ったところ。電気集塵部がフィルターの左右に設けられている | すべてのフィルターを取り外したところ。オレンジ色の加湿フィルターが見える | うるおい光クリエールにおける、本体内外の清浄機能 |
水タンクの容量は約3.6kg。掃除がしやすいよう手が入る構造になっている | 水タンクは立たせることができる |
本体カラーは従来に引き続き、ホワイトとブラウンの2色展開。ブラウンは「日本家屋やフローリングに合う」として人気という。
空気清浄時の適用床面積が25畳の「MCK55N」(写真右)、19畳の「MCK40N」(左)も、同時に発売する。中央は「MCK-70N」 |
加湿空気清浄機の下位モデルとして、空気清浄時の適用床面積が25畳の「MCK55N」、19畳の「MCK40N」も、同時に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は順に43,000円前後、38,000円前後。光速ストリーマとアクティブプラズマイオンによる「ダブル方式」を採用するが、電気集塵方式、みはり運転などは省かれている。
(正藤 慶一)
2012年9月10日 00:00