三洋、インテリアライトや懐中電灯として使えるLEDランプ
「eneloop lamp」


「eneloop lamp(エネループ ランプ)」
 三洋電機は、インテリアライトや懐中電灯として使えるLEDライト「充電式インテリアライト eneloop lamp(エネループ ランプ) ENL-Y1S」を、9月11日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は15,000円前後。

 “エネルギーの循環”をコンセプトとした、三洋電機の商品群「eneloop universe products」シリーズの新製品となるコードレスの照明器具。本体の突起部が白く光る「ホワイトランプ」、青く光る「ブルーランプ」、手に持って懐中電灯として使う「フラッシュライト」の3種類のモードを備えており、これらを切り替えることでそれぞれ“インテリアライト”、“ヒーリングライト”、“懐中電灯”という3通りの用途がある。

インテリアライト、ヒーリングライト、懐中電灯の3通りに使用できる点が特徴消灯時のeneloop lamp。電源は写真右に映っているように、単三型のeneloop2本を使用する

モードの切り替えの際には、基本的には本体の突起部を押す。これにより、本体底部の切り替えスイッチが入り、モードが切り替わる

ホワイトランプモードで点灯中。突起部を中心に光っている
 インテリアライトとして使用するホワイトランプモードは、本体上部の突起部を押し、本体底面のスイッチを入れることで、本体内部の白色LED2基が点灯。突起部分全体が白く光る。光量は強(クリアモード)/弱(フェードモード)の2段階があり、ランプ本体を左右に回すことで切り替えられる。点灯時間は、強が約3時間、弱が約45時間。


ホワイトランプモードでは、本体をコマのように回すことでも明るさの強/弱を切り替えられる


ブルーランプモードで点灯中
 ブルーランプモードは、青い光による“癒し”の効果を狙ったもので、ホワイトランプモード時にランプの突起部を押して切り替える。三洋電機 強化事業推進本部 エループユニバース事業推進グループ 担当課長の水田一久氏は、ブルーランプモードを導入した理由について「色彩学上、ブルーは脳の視床下部を刺激し、セロトニン(脳の神経伝達物質。精神を安定させる作用がある)の分泌や血液の生成を促進し、安心感を与える効果がある」と説明。就寝時のベッドタイムでの使用に適しているという。

 ブルーランプでの運転モードは、連続点灯(ヒーリングモード)と明減点灯(フリッカーモード)の2種類が用意される。運転時間は前者が約12時間、後者が約16時間。なお、使用するLEDは4基で、青色と緑色のLEDを同時に使用している。

ブルーランプモードにするには、ホワイトランプ時に突起部を押して切り替える三洋電機 強化事業推進本部 エループユニバース事業推進グループ 担当課長 水田一久氏


ブルーランプのフリッカーモード。自動で調光する

 懐中電灯で使うフラッシュライトモードでは、本体の突起部を持ち上げ、本体を90度以上傾けると、内蔵された加速度センサーによって、自動的に本体底部の白色LED4基が点灯する。また、地震などで落下した場合にも、自動的に点灯する。

突起部を持ち、本体を90度傾ければ、自動的に懐中電灯として使用可能懐中電灯の先端部分。LEDが4基搭載されている。ホワイト・ブルーランプモードを切り替えるスイッチは中央部にある壁に向けて点灯中のようす

 電源には、同社のニッケル水素充電池「eneloop」の単三型を2本使用。電池の充電は、パッケージに付属の充電スタンドの上に本体を置くだけという無接点充電方式を採用する。充電しながら点灯する「フロート充電」にも対応しており、また、eneloop乾電池の充電器としても使える。充電時間は約12時間。

 本体サイズは、121×221mm(直径×高さ)で、電池込みの重量は約280g。本材の素材はポリカーボネート。ランプを消灯する場合は、本体底面のスイッチを長押しする。なお、消し忘れ防止のため、約8時間でライトが切れる設定になっている(スタンドに置いている場合を除く)。

カバーを取り外すと、中からはエネループがセットされた基板部分が顔を出す。なお、eneloop2本はパッケージに同梱される充電は、写真左の充電台に本体を載せるだけの無接点充電方式を採用本体から取り外したカバー。素材はポリカーボネート


“本当に役に立つ懐中電灯とは”がテーマ

水田氏によると、阪神・淡路大震災に被災した際、懐中電灯は本当に役に立つ道具なのか、と疑問を持ったことが、eneloop lightをつくるきっかけになったという。
 水田氏はeneloop lampを作ったきっかけを、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災にて被災し、「従来の懐中電灯は、本当に人の役に立つ道具として成り立っているのか」と疑問を抱いたことを明らかにした。

 「従来の懐中電灯は(部屋の物置などに)収納されていることが多く、緊急時に置いてある場所がわからないこ。また、本当に使いたい時に電池切れが多く、使われないまま乾電池を廃棄する場合もある。さらに、棒形状のものが多く、転がって家具のスキマに入り込む恐れもある」

eneloop lightは、懐中電灯のデメリットを克服するよう作られている
 そこで、「真に役に立つ懐中電灯とはどういう姿であるべきか」という視点から商品開発を進めたのが、eneloop lampだという。懐中電灯にインテリア性を持たせることで、日常の目に付く場所に存在するようにし、さらに電池切れと電池の廃棄を防ぐため、充電池と無接点充電台を採り入れている。

 また本体を花瓶の“一輪挿し”のような形状とすることで、落下しても本体の移動距離を最小限に抑え、一定の位置で円を描くようにした。阪神・淡路大震災の揺れを再現した震度7の環境下で、テーブルの高さから落ちてもしっかりと点灯するという。


震度7の揺れが体験できる施設にて、eneloop lightを使用した動画。本体はテーブルから落ちるが、ランプはすぐに点灯。しかも、あちらこちらに本体が移動せず、ある一定の位置で動かなくなっている


 水田氏は最後に、eneloop lampの特徴を「日常においてはどこにでも持ち運べる明かりとして使えて、さらに非日常時には人の助けとなる明かりとして使える」とし、さらに「“美しいともし火で大切な命を守りたい”というeneloop lampの願いを実現し、人々のお役に立てることを期待している」とコメントした。


(正藤 慶一)

2009年6月30日 17:36