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パナ食洗機に新機能「洗剤自動投入」と「汚れ判断」家事はラクになる?

食器洗い乾燥機 NP-TZ500

パナソニックから6月下旬に発売される「食器洗い乾燥機 NP-TZ500」。液体洗剤の自動投入に対応し、汚れ具合に応じて最適な洗浄コースで洗う「おまかせコース」を搭載する点が大きな特徴だ。内部でどのように汚れ具合を判断するのか、その仕組みを見てきたので紹介したい。

NP-TZ500は庫内容積約50Lで、40点(約5人分)の食器をセットできる。店頭予想価格は105,000円前後。

40点(約5人分)の食器をセットできる

食洗機における洗剤自動投入機能は、海外では独ミーレのビルトインモデルが2020年に採用しており、国内でも2023年にエディオンのプライベートブランド製品が対応。パナソニックはビルトイン製品において2022年に国内で初めて導入しており、今回のモデルによって卓上型(据え置き型)でも初めて搭載している。

同社によると、食器の量や汚れ具合によって洗剤の量を「感覚で調整」した結果、無駄に洗剤を入れてしまっていたり、洗剤が少なかったために汚れが落ちなかったりする。また、食器を入れて時間が経過すると、洗剤を入れたかどうかわからなくなってしまうといったことは、食洗機ユーザーにとってありがちなのだという。

このような問題を新搭載の液体洗剤自動投入機能とおまかせコースが解消してくれる。毎回の計量・投入の手間を省くだけでなく、汚れ具合に応じて最適な量を投入してくれるため、入れ忘れや過剰投入も防いでくれるのだ。

洗剤タンクは庫内下部に配置。約30回分の液体洗剤を入れられる。タンクは取り外して洗浄することも可能。

液体洗剤自動投入タンク
庫内下部に配置
投入の手間を省く

自動投入時は、まず洗剤なしで約10分間予洗いしたのち一度排水、新たに給水するタイミングで液体洗剤を投入する。おまかせコースのほか、手動で汚れレベルを選択すれば、レベルに応じた洗剤量が投入される。

おまかせコースでは、汚れセンサーで予洗い時と洗浄時の二度、汚れ具合をチェック。予洗い時のチェックで着色汚れが多いと判断すれば洗剤を多めに投入、二度目のチェックで油脂汚れが多ければ洗剤を追加投入し、洗浄工程も追加する。

予洗い後に投入
おまかせコースは予洗い時と洗浄時に汚れ具合をチェック。最適な洗剤量とコースで洗う

それではどのようにセンサーが汚れを判断するのか。まず食洗機の基本的な仕組みとして、給水後に庫内下部に溜まった水を循環させ、ノズルから勢いよく噴射することで汚れを落とし、再度循環させることが前提となっている。

その際、予洗いの汚れを含んだ水の濁度を、庫内下部に配置されたセンサーが検知、着色汚れの度合いを判断し、液体洗剤の投入量とコースを決定。予洗いで汚れた水は一度排水し、新たに給水した水と指示された量の洗剤を混ぜ合わせ、ノズルから噴射して洗う。油脂汚れも同様に判断し、必要な場合には一度排水したのち、キレイな水で追加洗浄するという。

汚れセンサーは庫内下部の目に見えない部分に配置。水の流れが速い洗浄ポンプ付近、かつ滞留物が残りやすい底面よりも上に配置することで、汚れをしっかり見極めつつ、センサーに汚れが付着しないように配慮している。

濁度を検知する汚れセンサー
庫内の見えないところに配置されている

食洗機の特徴として、手洗いよりも節水になることが挙げられる。5人分相当の食器を洗うのに、手洗いだと約75Lの水を使うのに対し、食洗機だと約1/7の約9.9L。2Lペットボトルにして約32.5本分の節水になるという。なお、手洗いの水量は日本電機工業会の自主基準に基づいたもの。

さらに手洗いよりも高い約60~80℃の温水で洗えるため、油汚れが落ちやすいことに加え、強力な水流、強力な洗剤で洗えるため、手洗いよりキレイに仕上がることもメリットだとしている。

手洗いとの使用水量比較
食洗機は使用水量が手洗いの約1/7
汚れたカレー皿も高温水と強力水流でキレイに仕上げる
タッチ式の操作部
手洗いよりキレイ、節水。実際に見てきた

「しない家事」を増やす 手洗いと比べ年299時間の差

セミナーでは家事シェア研究家の三木智有さんが、家庭で上手に家事をシェアするコツを紹介。三木さんは、家事の分担割合にばかり着目していると上手くいかないと話す。

「注目するべきは、自由時間の公平性です。自分でコントロールできる自由な時間、ゆっくりする時間とか趣味のための時間、寝るための時間といったものが不公平になっていることがイライラやモヤモヤの原因になるのかなと思います」

「何のために家事をシェアするのか、パパに家事をやらせるためではない。お互いが自由な時間やゆとりを自分の中に取り戻して、その上で子供をかわいく思う時間や新しい挑戦をする時間をとることだったり、人生を楽しんでいくために家事をシェアすることが大事になってくるんじゃないかなと考えております」

家事シェア研究家の三木智有さん

三木さんによると、アプリなどでスケジュールを共有するだけで男性の家事育児時間が伸びたという調査結果があるそうだ。「『できるときにやる』ではなく、家事育児をどれだけ自分にとって大切なアポイントメントとして捉えるかが大事」と三木さんは話す。

そのうえで、「家電を使って家事総量を減らす」ことを提案。パナソニックの調査では食洗機を使うと家事時間が短くなり、手洗いと比べて1週間で約5時間、1年間で約299時間の差が生まれるという。

三木さんは「パナソニックさんも記事とかで書かれているように『しない家事』をどんどん増やしていき、時間を生み出す、公平な時間をお互いが担保しあうことが大切だと思います」と語った。

食器洗い乾燥機は節水できるから節約に。さらに時間も生み出せる