ニュース
エディオン元販売員が開発した洗剤自動投入食洗機。売れ行き好調のワケとは?
2024年3月8日 07:30
エディオンが2023年12月に発売した、洗剤の自動投入機能を搭載した食洗機「ANG-DW-A13」。売れ行きが好調という同製品の企画・開発担当者に、製品誕生の背景や製品発表後の販売動向について聞いた。
「洗剤自動投入機能付き食器洗い乾燥機 ANG-DW-A13」は、据え置きタイプでは国内初という液体洗剤の自動投入に対応。設置および給水方法として、蛇口に工事で分岐水栓を取り付ける自動給水式、または別売のバケツとホースを利用する工事不要の汲み上げ式の2通りを用意している点も特徴で、自宅の環境に合わせて選べるようになっている。
同製品の企画・開発を担当した、営業本部 商品企画統括部 商品開発部チーフ・木村健吾さんは、販売員として店舗で積んできた経験を、商品開発に活かしたいという気持ちから自ら異動を志願。2018年にプライベートブランド「e angle」が立ち上げられた後に異動となり、現在企画開発に携わっている。
今回食洗機に目を付けた背景として、近年は共働き世帯が増加し、夫婦世帯全体の約7割が共働き世帯となっていることから「家事の時短」「効率化」のニーズが高まっているにも関わらず、ここ10年間食洗機の普及率は30%台と横ばいが続いているという。嫌いな家事についてのアンケート結果でも「食器の洗い物」は上位にランクインしているものの、食洗機の普及が進まないことに着目し、開発に至ったとのことだ。
洗濯機のトレンドからヒントを得た「液体洗剤の自動投入」
同製品では約350mlの液体洗剤をタンクに入れることができ、約40回使用可能。1日2回食洗機を使う場合(洗剤量「標準」)は、約3週間分の洗剤が補充できることになる。洗剤がタンクに残らないよう、洗剤が出ていく方向に向かって底面を斜めにしている点にもこだわっているとのこと。
同製品の特徴となる液体洗剤の自動投入については、洗濯機のトレンドからヒントを得た。2017年に登場した洗剤自動投入機能付きの洗濯機は発売以来、販売台数を伸ばしており、現在では売り場の多くを占めているという。
洗剤自動投入機能付きの洗濯機が出てきたての頃、まだ店頭に立って接客をしていた木村さんは「1回使ったらやめられない」「次に買い替えになっても多分自動投入にする」といったお客さんの生の声を聴き、如何に自動投入機能がお客さんの時短や家事の軽減に繋がっているのかを実感したという。この機能を食洗機にも活かせないかと考え、企画がスタートしたと話した。
洗剤の自動投入は、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する20~30代に好評という。
分岐水洗式/工事不要の汲み上げ式から選べる設置方法が好評
賃貸と持ち家の比率が約4:6と、約半数が賃貸住宅に住んでいる日本では、水栓工事が自由にできず、食洗機の導入を諦めてしまう人が20%以上もいるという。そこで同社はバケツからの汲み上げ式にも対応し、工事不要で食洗機が設置できる方法を採用。
その方式が購入者にも刺さり、賃貸住まいでの購入者の約6割が「選べる設置方法」が購入の決め手になったと回答している。
購入者全体で見ても「洗剤自動投入」と「設置方法」が決め手で購入している人が約7割と、同製品の特徴である2点が高く評価される結果となった。時短や効率化のニーズに応えつつ、設置環境のハードルを下げることができた点が支持されたと分析している。
昨年の12月に発売以来、同製品の構成台数は右肩上がりで伸びており、同社で販売する食洗機の中でも好調になっているとのこと。今後は新生活、引っ越しシーズンと、ますます需要が高まってくる時期になるため、売れ行きに期待したいと語った。