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バルミューダの風力発電機は“家庭向け”最終目標。家電は再び値上げ検討

バルミューダの寺尾玄 代表取締役社長(2022年8月撮影)

バルミューダは8日、2023年第2四半期(4月~6月)の決算説明会を実施。前日の7日に発表した新規事業の風力発電や、今後の家電の新製品について寺尾玄 代表取締役社長が説明した。

第2四半期の業績は、売上高57億4,500万円で前年同期比34.6%減、営業利益は6億9,500万円の赤字に転じた。寺尾社長は「経費削減などに努めて想定からは若干の下振れに留めたが、そもそも想定自体が厳しく見ていた」と説明。純利益は13億8,500万円の損失。売上原価率は70%を超える厳しい状況となっている。

売上が厳しい背景としては巣ごもり需要の反動を挙げており「コロナ明け、外向き需要の活発化などで我々の事業としては苦しい事業環境」とする。海外売上も不調で、特に韓国での大幅な売上減が響いている。

新製品を“倍のスピード”で投入。再度の値上げも検討

今後の取り組みについては、既存事業の強化として、10月に家電の新製品、11月にはリニューアル製品の投入を予告。「今後1年間で、これまでの倍のペースで新製品を投入していく」と予告した。

新カテゴリーの製品に取り組むだけでなく“バリエーション戦略”として同カテゴリー内でのラインナップの拡大との両輪で新製品をスピーディーに投入していく。

2022年後半は、為替の先行不透明などで一部の製品開発をストップしていたが、現在は「円安の限度が見えてきた」との判断から投資を再開しており、その成果として10月に新製品が登場する予定。11月には2つの製品が登場するなど、継続して新製品を発売していく。

さらに「価格設定の見直し」として再び値上げを検討していることも明らかにした。

「適切な売上総利益率の確保のため価格設定の見直しを、真剣に検討し始めた。いつどのような規模で行なうのかは今の段階では述べられない。これまでの経費削減も、もう限界まできている状態。原価率そのものを違う方向で変える必要があると考え始めているので、なるべく早く実施していきたい。去年の4月のように全体的な一斉値上げは今のところは考えていない。新しく投入していく製品から、少しずつバランスを良くしていかなければならない」との見方を示している。

風力発電は太陽光とハイブリッド。家庭の電力「地産地消」目指す

新たな成長のための取り組みとして、「小型風力発電機の実証実験」を2023年秋より開始することを発表。扇風機GreenFanの技術を応用した小型で高効率な風力発電機の実現を目指す。

7日に発表された通り、同社は独自の発電用タービン「モダン・マルチブレードタービン」の開発を進めている。このタービンは2010年に発売したDCモーター扇風機GreenFanを原点とする独自の二重構造が特徴。研究室の実験では、直径1m以下の小型サイズや、低い回転速度、静音性を保った状態で高いエネルギー変換効率を確認したという。

発表時に公開された画像で表現された小型発電機は、風力と太陽光パネルを組み合わせた「ハイブリッド型」を想定。

「BALMUDA Energy Project」のコンセプトデザインイメージ。ファンの後ろ側に太陽光パネルが付いているのが分かる

“小型”の具体的なサイズ感などは明らかにしていないが、一般家庭向けに「自動車のように皆様が使える道具として提案できるのが最終目的。最初からその性能が出るとは限らない。様々な実験や研究開発を行なう中で実用的な大きさを目指していく。理想型は、使う場所で電力を作る“電力の地産地消”。これができたらとても素晴らしいことになる」と寺尾社長は述べている。

同社の強みとしては「GreenFanの羽根は非常に特殊で、これを使って風力発電できないかという思いは以前からあった。特に、空気周りの流体力学に関しては多くの知見を持っている」とした。

事業化の時期については「最初の段階では価格等も含めて事業者向けに提供していくのが入り口。ただし5年、10年というピッチでは考えていない。なるべく早く事業化したい。実現すれば大きな社会貢献にもつながる。バルミーダとしては家電で人々の生活の喜びを増やすだけではなく、より社会的な価値のある仕事もしていきたい」とした。

実証実験の第一段階の目的としては「耐久性」を挙げている。「外でずっと動かすものなので、耐久性はまだ強みも弱みも見えていない。まさにそれが実証実験を行なう一番の理由」と述べている。