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廃棄が増えるガラス扉の冷蔵庫、パナソニックがガラス板のみ分離するレーザー剥離を開発

(左)ガラス扉冷蔵庫、(右)レーザー光照射の様子

パナソニック ホールディングスは11月9日、ガラス扉冷蔵庫のリサイクル処理において、ガラス扉からガラス板をレーザー光で剥離する工法を開発したと発表した。

同社を始め家電メーカー各社は、2008年以降、冷蔵庫の扉部分にガラスを採用したモデルを発売している。このガラス扉冷蔵庫は、ガラスとその他の素材との分別処理が難しいことから、現状大部分はそのまま破砕され、リサイクルされることなく産業廃棄物として処理されているという。今後、買い替え時期を迎えるガラス扉冷蔵庫が大量に排出され、その処理が大きな社会課題になると予想されている。

これらの課題を解決するため同社は、2019年よりガラス扉冷蔵庫からガラス板を分離することで、ガラスのリサイクルを可能にする工法の開発を進めてきた。そして今回、扉のガラスを透過するレーザー光を用いてガラス裏面の有機塗料を炭化させることで、ガラス扉冷蔵庫からガラス板のみ剥離可能にする「レーザー剥離工法」の開発に成功したという。

「レーザー剥離工法」は、冷蔵庫の扉を外さずにガラス板のみを選択的に剥離できる点が特徴で、ガラスの単一素材化が簡便な工程で実現できるという。また剥離したガラスは板状で、かつ付着した炭化物は容易に除去できるため、ガラスの再利用拡大にも繋がるとしている。

レーザー光照射後、吸着パッドで剥離可能に(左)。剥離したガラス板と扉本体(右)