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エアコンの「無謀なDIY」に事故の危険。撤去や内部洗浄は業者へ

内部洗浄の不備による火災事故を再現した様子

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)は、エアコンの「無謀なDIY」による事故事例を6月30日に発表した。エアコンの設置・撤去などの工事、内部洗浄はメーカーや専門業者に依頼するよう呼びかけている。

【事例1】室外機のコンプレッサーに空気が混入し破裂

使用者がエアコンを取り外していたところ、エアコン室外機が破裂し、負傷した。使用者が配管等に残った冷媒を集める作業を誤った手順で実施したため、コンプレッサー内部に空気が混入し、異常高温・高圧状態となり破裂したものと考えられる。

「無謀なDIY」により室外機が破裂した様子

【事例2】接続部の接触不良で発火

使用中のエアコン付近から出火し、壁の一部が焼損した。使用者の知人が室内機と室外機を接続する連絡線を途中接続したため、接続部で接触不良が生じて異常発熱し、出火したものと考えられる。

【事例3】洗浄液が機器内部に浸入して発火

エアコンを使用中、当該製品内部及び周辺を焼損する火災が発生した。使用者がエアコンの内部洗浄をした際、エアコン内部配線端子部に洗浄剤が付着したことにより、端子間でトラッキング現象が発生して出火に至ったものと考えられる。

コードの加工部分が発火した様子

例年エアコンは、NITEが受け付けた家庭用電気製品の重大製品事故において最も事故件数が多い製品とし、暑さが本格的になる7月は事故が増加傾向にあるという。NITEでは「無謀なDIY」によるエアコンの設置・撤去などの工事、エアコンの内部洗浄を行なわないよう呼びかけている。

また除湿機においても、販売台数の増加に伴い事故が増えているとし、なかには不適切な修理・加工を行なったことによる事故も発生していることから、エアコンと併せて注意喚起を行なっている。

除湿機を使用する際は、移動時や使用時に電源コードを引っ張らない、折り曲げないこと。電源コードが損傷した場合は、ねじり接続など無謀なDIYによる修理を行なわないよう呼びかけている。

ねじり接続(左)。除湿機の電源コード断線部から発火した様子(右)
2017〜2021年度に発生したエアコンの月別事故発生件数(左)と、除湿機の年度別事故発生件数(右)