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今夏は猛暑の可能性が大! 夏がくる前にエアコンの試運転を

気象庁のデータによれば、ここ4月7日〜11日の5日間の平均気温は、平年より3℃以上高い地域が多い

4月11日には、はやくも岩手県の岩泉町で30.1℃を記録し、全国初の真夏日となった。また、気象庁が発表した、今夏の天候の見通しによれば、平年以上に猛烈な暑さの日が多くなり、十分な熱中症対策が求められるという。

熱中症対策のために今からできることとして、今年もエアコンメーカー各社が、4〜5月でのエアコン試運転の実施を呼びかけている。

早めの試運転を推奨するのは、エアコンの購入や修理が、6〜8月の夏時期に集中していることにある。同時期は、買い換えるにしても、修理するにしても、使えるようになるまで時間がかかるのだ。場合によっては、2週間以上待たされる「エアコン待機者」になってしまう。

パナソニックは、独自のアンケートを実施。2021年にエアコンを購入または修理した人が、エアコンを使用できるようになるまでの期間を調査した。それによると、6〜8月の夏時期のタイミングで、購入または修理した人のうち、購入者の場合は30.2%、修理者の場合は25.8%の人が、「エアコン待機者」に該当したという。そうしたケースのうち、エアコン待機をした理由として、一番多かったのが「繁忙期で販売店や業者の予約が取れなかったため」という回答だったという。

エアコンを2週間以上、使うことが出来ない「エアコン待機者」の割合は、購入または修理者のうち、約3割にのぼった

また、同社の相談窓口に寄せられる、エアコンに関する相談については、例年7月と8月に問い合わせが集中しているという。だが、昨年のように猛暑の影響がある年には、6月から問い合わせが急増することも多いという。

例えば、月ごとの問い合わせ平均件数は、8月が4月の4.5倍、7月が4.2倍、そして6月も2.9倍にものぼったとする。

そのほかダイキンは、「エアコンの健康寿命に関する意識調査」を実施。調査の結果、「設計上の標準使用期間」である10年を超えたエアコンを使用する家庭が3割以上にのぼり、製造されてから10年前後(2011~2015年製)のエアコンを使用する家庭も、全体の約2割(17.8%)を占めていることが分かったという。

そうしたことからも、遅くとも6月前半までには、エアコンの冷房が正常に運転するかを確認しておきたい。試運転の手順と確認点については、パナソニックとダイキンを例に記していく。どのメーカーも、概要は同じなので、試運転の参考にしてほしい。また家電 Watchの過去記事『夏本番の前に確認したい、各メーカー推奨「エアコン試運転」の方法は?』にも、各メーカーが推奨する試運転の方法を記しているので、あわせて参考にしてほしい。

パナソニック推奨の試運転の方法

パナソニックは、以下の3ステップでエアコン試運転を解説している。

STEP 1:エアコンのコンセントにホコリが溜まっていないかを確認
エアコンのコンセント周りにホコリがたまっていないことを確認する。ホコリが原因で、発火につながる場合があるとする。

STEP 2:運転モードを「冷房」にして運転開始
室内温度より3℃以上低くして「冷房」モードで運転を開始する。エアコンがしっかりと動くまで、30分以上運転する。

STEP 3:リモコンやエアコン本体に不具合がないかをチェック
冷房モードで運転している状態で、冷たい風が出ていることを確認する。またエアコン本体から、水漏れや異臭、または異音などの不具合がないかを確認する。

パナソニック推奨の、試運転の3ステップ

なお、よくある不具合ケースとして、エアコンの吹出口または背面からの水漏れのほか、水滴や霧が出るなどを挙げている。そのほか、エアコンから吹き出す風がにおったり、エアコン本体から「プシュッ」や「バキッ」などの異音がしたり、リモコンの液晶画面が見えにくかったり、エアコンがリモコンで動作しない場合もあるという。

よくある不具合ケースと対処法

また、試運転と同時に、フィルター掃除をしておくことを推奨する。エアコンの汚れは、能力の低下、消費電力の増加、本体の寿命を縮めることにつながるとする。エアコンフィルターを1年間掃除しないと、フィルターの目詰まりで、年間で約25%も電気料金が無駄になってしまうという実験結果があるという。

ダイキン推奨の試運転の方法

ダイキンは、以下4つの手順でエアコン試運転を解説している。

手順 1:運転モードを「冷房」にして、約10分運転する
運転モードを「冷房」にして、温度を最低温度(16~18℃)に設定。10分程度、運転する。

同社は、万が一エアコンに異常があった場合、検知するまでに約10分間の冷房運転が必要だとする。また、室温が設定温度に到達すると動作を停止するため、最低温度に設定しておくことで、室温が設定温度に、早期に到達することを防ぐとする。

手順 2:冷風が出ているか、異常ランプが点滅していないかを確認
試運転では、エアコンから冷風が出ているかを確認する。同時に、異常ランプが点滅していないかを確認。ランプが点滅した場合は、異常停止している可能性があるため、リモコンのエラーコードを確認し、販売店や同社の相談窓口に連絡する。

手順 3:さらに30分運転し、水漏れがないかを確認する
「手順 2」で、10分運転した後、さらに約30分運転を続ける。その時に、室内機から水漏れがないかを確認。

「30分も待っていられない」という場合には、切タイマーを活用するとよいという。その場を離れる場合は、万が一の水漏れに備えて、エアコンの下には物を置かないよう注意する。

手順 4:異臭や異音がないかを確認する
異臭、異音がした場合は、同社のAI故障診断サイトから、ニオイや音の種類にあわせた原因を探れる。ニオイや音の種類により、様々な要因が考えられるという。

また、フィルターや熱交換器の汚れが多すぎることが、ニオイの原因になることもあるという。そのほか、振動が原因で異音に至るケースもあるという。