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バルミューダ「何よりも売上高を重視」製品カテゴリー拡大へ。マザーズ上場

記者会見を行なう、バルミューダの寺尾玄社長

バルミューダは16日、東京証券取引所マザーズ市場に上場。初値は3,150円で公開価格の1,930円を上回った。同社の寺尾玄社長は上場記者会見で、これまでの歩みと今後の戦略について説明した。

同社は2003年創業以来、2010年にDCモーターの扇風機「GreenFan」を発売し、空調関連製品を中心に事業を展開。2015年にトースターを発売し、キッチン関連商品のラインナップを充実させた。2020年にはワイヤレススピーカーや、“ホバー式”のスティッククリーナーといった新しいカテゴリーにチャレンジしている。

売上高は2010年から2015年の間で約11倍、2015年から2019年の間で約4倍と、商品カテゴリーを広げながら成長してきた。

寺尾社長は「素晴らしい商品、素晴らしいと思っていただけるような商品を開発し、素晴らしい新規カテゴリーを増やしていく」とし、今後は「何よりも売上高を重要視していく」と述べた。

調達した資金は、システムの最良化、人材増強、広告宣伝に充当する予定。投資の割合はそれぞれ同程度としている。

「大きなチャレンジをするため」の資金調達。巣ごもりで需要増も

上場の目的について寺尾社長は次のように説明する。

「こうあるべきというバルミューダの形と、実際のスケールに大きな乖離があります。その乖離を埋めるのがバルミューダという会社を生み出した自分の責務だと考えています。大きなチャレンジをするためには資金が必要になり、調達の手段を多く持つことが必要というのも含め、今回の上場となりました」。

2019年12月期の売上高は108億円。当期純利益は6億円だった。2020年12月期の売上高は、対前期13.7%増の123億円、当期純利益は8億円と増収増益を見込む。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、新製品の発売時期が3カ月ほど遅れたものの、巣ごもり需要の拡大を受けてキッチン家電を中心に好調に推移。寺尾社長は「肌感覚で10~15%ほどが巣ごもり需要による売上増」とする。

主なバルミューダ製品

扇風機「GreenFan」シリーズ。独自の二重構造の羽根により、自然界の風のようなここちよい風を送り出す点が特徴。

「GreenFan」シリーズ

キッチン関連製品第一弾として登場した「BALMUDA The Toaster」。独自のスチームテクノロジーと細やかな温度制御でトーストを焼き上げる。累計販売台数100万台を超える人気商品。

「BALMUDA The Toaster」

360度全方向に広がる立体的なサウンドが特徴のワイヤレススピーカー「BALMUDA The Speaker」は2020年に登場。バッテリーを備えたポータブルタイプのため使う場所を選ばない。

「BALMUDA The Speaker」

2020年10月発表の「BALMUDA The Cleaner」。デュアルブラシヘッドと360度スワイプ構造により、クリーナー自体が浮いているような軽い掛け心地が特徴。同社広報によると「売り出したばかりの製品だが、販売台数は予想以上に好調」とのこと。

「BALMUDA The Cleaner」