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から揚げの味を冷凍してもキープ、下味冷凍も便利。パナソニックが冷凍活用術を指南

パナソニックがウェブセミナーを開催

パナソニックは、冷蔵庫とレンジを活用した冷凍保存・調理に関するウェブセミナーを、メディア向けに開催した。セミナーでは、冷凍食品や冷凍保存に詳しい“冷凍生活アドバイザー”による冷凍のポイント、時短レシピも紹介された。

同社の調査によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響で在宅時間が増えたことにともない、家事の負担も増加。特に料理を負担に感じる人が多いという。

そのような状況から、まとめ買いや作り置きなど効率的な食事作りへの関心が高まっており、「冷凍」に関する検索数が前年比160%を記録。なかでも「下味冷凍」の検索数が増えたとする。

同社は冷凍保存や調理に役立つ機能を備えるとして、「パーシャル搭載冷蔵庫 WPXタイプ」と、スチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ NE-BS2700」を紹介した。

2つの「はやうま」で時短&美味しい

パーシャル搭載冷蔵庫 WPXタイプは、業務用レベルの凍結スピードを実現した「はやうま冷凍」と、お弁当などのあら熱を3分で取れる「はやうま冷却」機能を搭載する。

パーシャル搭載冷蔵庫 WPXタイプ
解凍しても美味しさそのまま「はやうま冷凍」

「はやうま冷凍」では、通常約150分かかる冷凍時間の1/5、約30分という急速冷凍で食材の旨みを逃がさず冷凍できる。同機能を備えるクーリングアシストルームには専用ファンとダクトを用意し、従来の約8倍の風量で集中シャワー冷却を行なうという。

急速冷凍することで水分が凍る温度帯(最大氷結晶生成帯)をすばやく通過できるため、食材の細胞が破壊されるのを抑え、解凍後も美味しく食べられるとする。

例えばからあげを冷凍した場合、通常だと肉は旨みが抜けてパサパサに、衣は水分が移ってしなしなになってしまう。しかし、同機能を利用すると、細胞の破壊が抑えられて肉汁をキープでき、衣はサクサクのまま凍結できるという。

業務用レベルの急速冷凍を実現
からあげもサクサクをキープしたまま冷凍可能

同社は、この「はやうま冷凍」機能を自家製冷凍食品作りに活用できると紹介。普段のおかずを多めに作って冷凍しておくと、忙しいときに温めるだけで食べられ、時短に繋がるとしている。

さらに同機能はカット野菜の冷凍にも適している。カットした野菜がかたまりになってしまうことなく、パラパラの状態で冷凍できるほか、変色や霜付きも抑え、使いやすい状態で保存可能。カット野菜は調理の都度切る必要がなく、使いたい分だけ手軽に使用できるとして、近頃人気だとする。

通常冷凍のカット野菜。霜が付いたり変色したりしている
はやうま冷凍のカット野菜。霜付き、変色がなく使いやすい状態
3分でお弁当のあら熱が取れる「はやうま冷却」

また「はやうま冷却」では、温かい食材をすばやく冷ますことができる。セミナーでは、温かいお弁当を使用した実演が行なわれた。

お弁当の温度は54.2℃。冷蔵庫に入れボタンを押し、3分経過するとメロディが流れて知らせてくれる。再度、お弁当の温度を測ると23.0℃になっており、3分であら熱がしっかり取れていた。

冷蔵庫に入れる前は54.2℃
「クーリングアシスト」ボタンを押す
3分で23.0℃まで下がった

これからの暑い季節は、カレーなどの残りものや常備菜を冷蔵庫に入れたくても、冷めるまで常温で置いておくと衛生面で不安がある。だが「はやうま冷却」は、菌が繁殖しやすい約25~45℃の温度帯をすばやく通過する。また同機能を活用してあら熱を取ることで、すぐに冷蔵庫で保存できて便利だという。

WPXタイプは容量別に650L「NR-F656WPX」、600L「NR-F606WPX」、550L「NR-F556WPX」の3機種をラインナップ。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は順に43万円前後、41万円前後、37万円前後。

解凍の手間なし「凍ったままグリル」

スチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ NE-BS2700」は、高精細・64眼スピードセンサーを搭載し、食材の分量や温度を見分けて自動で火加減をコントロールする。「凍ったままグリル」機能では、肉や魚を冷凍状態から一気に焼き上げられる。

スチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ NE-BS2700」

またヒーターの火力を490℃から535℃にアップし、肉、魚に野菜を加えたボリュームのあるメニューまで一気に調理可能。下味をつけて冷凍した食材を、解凍せずそのまま調理できて便利だという。

調理実演では、それぞれ下味冷凍した豚肉と野菜をグリル皿に並べスタートを押すだけで、簡単に「豚と野菜のごまみそ焼き」ができあがった。加熱中にグリル皿も熱々になるため、途中でひっくり返す必要もないという。

NE-BS2700の価格はオープンプライス。店頭予想価格は16万円前後。

下味をつけて冷凍した豚肉と野菜
凍ったままグリル皿に乗せる
冷凍状態から一気に加熱し仕上げる

時短だけじゃない「下味冷凍」のメリット

セミナーでは、冷凍食品開発コンサルタントで冷凍生活アドバイザーの西川 剛史氏が、食材に下味をつけて冷凍する「下味冷凍」のメリットについて語った。

西川氏によると、下味をつけて冷凍することで調味料が食材をコーティングし、乾燥と酸化を防いでくれるという。また凍結・解凍のあいだに味が染み込みやすく、しっとりと仕上がるそうだ。

下味冷凍には、糖分と油分を含んだ調味料が適しており、特に焼肉のタレがおすすめだという。

冷凍生活アドバイザーの西川 剛史氏

また食材を冷凍する際のポイントも紹介。1つめは、食材を入れた保存袋の空気をしっかり抜くこと。2つめは、食材を平らにして冷凍すること。食材を平らにすると冷凍時間を短縮できるため、繊維が壊れにくく旨みが逃げにくいとしている。

さらに西川氏が冷凍食材を活用したレシピを教えてくれた。

小松菜のおひたし

カットして凍らせた小松菜の袋にめんつゆを入れ、空気を抜く。そのまま10分常温に置くと完成。冷凍することで繊維が壊れ、加熱しなくてもやわらかくいただけるという。

冷凍した小松菜の袋にめんつゆを入れる
小松菜のおひたし