老師オグチの家電カンフー

日傘に取り付けられるハンディファンを熱帯圏でテストしてみた

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
リズム「Silky Wind Mobile 3.2」。実売価格は3,278円。本体を横に寝かせてファン部を起こせば、据え置きのファンとしても使える

徐々に暑い日が増えてきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 今年の夏も売れそうなアイテムが、ハンディファンです。「酷暑じゃ生ぬるい風しか来ないでしょ」とお思いの方に試してもらいたいのが、日傘とのセットです。一足先に、南の地で試してみました。

日傘のシャフト(中棒)に固定できる別売クリップが用意されているハンディファンが、リズムの「Silky Wind Mobile 3.2」。

昨年から日傘男子デビューしている私ですが、ちょうど台湾に遊びに行く機会があり、持参して使ってみました。今回の旅は、南部の台南がメイン。首都の台北は亜熱帯ですが、南部の台南や高雄は熱帯圏に属しています。5月末で気温は最高でも30℃ほどだったのですが、やはり日差しは肌に刺さるような強さがありました。

「Silky Wind Mobile 3.2」は、2枚の羽根が逆向きに回転することで直進性の強い風を送り出す「2重反転ファン」を採用しています。航空機やヘリコプターにも使われており、メカ好きにはグッとくる機構です。実際、さほど風量を上げずとも、屋外で歩きながらしっかりと風を感じることができました。

別売の「日傘クリップ」(実売価格660円)は、本体の背面にカチッとはまる。対応する日傘のシャフトは直径5~14mm
2枚の羽根を逆向きに回転させる「2重反転ファン」を採用

日傘で直射日光が遮られているだけで、ファンの風自体も涼しく感じられます。気温が体温を超えない限りは有効ではないでしょうか。また日傘を持つ手の角度を変えることで、首や後頭部など、汗をかいた場所にピンポイントで狙いを定められるのもまた良きです。ファン部の直径が小さめで、風の直進性が強いので、襟や袖口から風を送り込んで、不快な汗を乾燥させるのにも使いやすいですね。

高さの調整も容易かつしっかりと固定される
日傘で日光が遮られることで、送られてくる風も涼しく感じる

使う前は日傘が重くなるという懸念もありましたが、本体が約150gと軽量なこともあり気になりませんでした(モンベルの日傘が約137gなので計約287g)。個人的には、ハンディファンを首から下げて使うと、首や肩周りが凝りやすいので、むしろストレスは軽減しています。日傘を折りたたむ際は、持ち手のほうにスライドさせておけば邪魔にもなりません。連続使用時間も、弱で約10時間、強で約2時間と実用的。この夏は日傘とセットで持ち歩こうと思います。

取付位置を変えれば、日傘を折りたたんだときでも、そのまま使える
カラビナと付属のストラップを使えば、従来の首下げスタイルも可能。電車での移動中など屋内でも使いやすい
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>