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パナソニック新製品、タオルがふわふわに仕上がるドラム式洗濯乾燥機と、内部のカビの対策にこだわったエアコン

 パナソニックは、ななめドラム洗濯機乾燥機の新製品で9月2日発表・11月1日発売の「NA-VX900A」、10月2日発表・12月上旬発売の「NA-VG2400」と、9月25日発表・11月下旬発売のエアコン「エオリア Xシリーズ」の新製品に関し、メディア向け製品説明会を実施した。どちらの製品も、従来の人気の機能はそのままに、機能をアップデートしている。

タオル専用コースを備えたドラム式洗濯乾燥機

 同社の調査によれば、現在ドラム式洗濯乾燥機を使用しているユーザーは、次もドラム式を購入したいという意欲は8割と高く、満足度が高いという。さらに、現在タテ型を使用しているユーザーのうち3割が、次回はドラム式を購入したいという意欲を持っているとしている。

 ドラム式を選ぶ理由のトップに挙がるのが、乾燥機能だ。同社のユーザーからは、「ドラム式で乾かしたタオルはふわふわで気持ちいい」などの声が聞かれるという。また以前は、贈答用が多かったタオルだが近年は自分で購入する人が増えており、タオルに対してこだわりを持つ傾向にあるという。

 そこで、同社では乾燥機の魅力が分かるタオルの仕上がりにこだわり、「タオル専用コース」を搭載。

ななめドラム洗濯乾燥機のNA-VG2400(左)とNA-VX900A(右)
ドラム式からドラム式への購入意欲は高い
ドラム式を選ぶ理由のトップは乾燥
ドラム式ユーザーからはタオルの仕上がりを喜ぶ声が多い

 同社がタオル専用コースを開発するにあたって協力を仰いだのは、今治タオルの企画・販売を行なうIKEUCHI ORAGANICの代表取締役の阿部 哲也氏だ。タオルソムリエとしてもしられる阿部氏は、ふわふわで吸水性もあるタオルに洗い上げるための理想の洗い方について3つのポイントを挙げる。

 それは、「洗い方」「ほぐし方」「乾燥の仕方」をパイルを立てることを意識しながら、工夫することだ。

 「パイルは、タオル表面にある織り糸の輪っか。布の吸水性と保温性を高めるために、パイルをつくり、タオルにするわけです。洗い方で大切なことは、柔軟剤を使わないことです。柔軟剤はタオルを柔らかく仕上げますが、その分薬剤が繊維に付着しているため、吸水性が落ちやすくなるものが多いです。また、他の衣類と一緒にタオルを洗うと、その分タオルのパイルが寝てしまうため、タオルだけで洗う方がオススメです」と阿部氏。

 タオル工場では、たっぷりの水でタオルを泳がせるように洗い、パイルを立たせるのだという。さらに、洗ったタオルの四辺、裏表を上下に振って、タオルをほぐし、パイルを立たせる工程を経てから乾燥にかけると説明する。

 パナソニックは、このタオル工場の洗い方を参考に新機能「タオル専用コース」を開発。タオルを泳がせるように洗えるよう、あえて1度に洗えるタオルの量を2kgと制限した。ちなみに、2kgというのは、バスタオルで6枚前後だという。

 さらに、タオル専用コースの実施時は、洗剤・柔軟剤の自動投入を選択していても、柔軟剤を投入しないようにした。乾かしすぎるとパキパキになってしまうため、適切な水分を残しふんわりと仕上がるようにしたという。ひと口にタオルといっても、元々の厚みや糸の太さなどで、タオルの仕上がりは異なる。同社では、さまざまなタオルをテストしつつ、今回の専用コースの開発にたどり着いたという。開発期間は、およそ2年半だという。

タオルほぐしは、パイルを立たせて仕上がりを良くするが、自宅でやるのは重労働。映像は阿部氏による、実演
タオルの吸水性のポイントはパイル
タオルの理想的な洗い方の3つのポイントを実現するのがタオル専用コース

 実際に、タオル専用コースで仕上げたタオルと、おまかせコースをしてから釣り干しをしたタオルを比較したところ、タオル専用コースで仕上げた方は見るからにふんわりと仕上がっており、実際の手触りもふわふわで気持ちよかった。さらに、吸水性を比較するデモンストレーションでも、タオル専用コースで仕上げた布が一番水を吸っていた。

向かって左がタオル専用コース。パイルがしっかり立っているからか、同じように畳んでも、高さが違う。
吸水性を比較したデモンストレーション。比較すると、柔軟剤を使用したタオルの吸水性が損なわれていることが分かる

おしゃれ着洗いも、温水でつけおき

 このほか、従来から搭載している温水洗浄コースでは、「約40℃つけおきコース」をアップデート。新「約40℃つけおきコース」では、おしゃれ着も漬け置きできるようになった。さらに従来約7時間かかっていた普段着の同コースでの洗濯時間を、約3時間に短縮した。これは機械力のアップと、ドラムの静止時間を従来の約1/3にしたことによる。

 清潔機能では、ドラム槽のお手入れ機能をアップデート。新搭載の「約60℃槽カビクリーン」機能は、水を約60℃まで加熱し、洗濯槽を強く回転させて、温水スチームを槽内に充満させる。最後に排水・脱水・フィルター乾燥などを行ない、およそ2時間で完了するコースだ。槽洗浄用の薬剤が不要で、約2時間で終了する上、スマホの専用アプリからも操作できるため、手軽にお手入れができるとしている。

 なお、「タオル専用コース」、新「約40℃つけおきコース」、「約60℃槽カビクリーンコース」は、10月2日発表12月上旬発売のCuble(キューブル)の新製品NA-VG2400にも搭載している。

新「約40℃つけおきコース」で洗った衣類。洗浄前の黄ばみが落ちていることが分かる
約60℃槽カビクリーンで運転した方はカビの成長が抑制されている

エアコンは、カビの栄養になる、部屋の油汚れに注目

 11月下旬発売予定の、エアコンの新製品エオリア Xシリーズは「カビに強いエアコン」を第一訴求に挙げる。

エオリア Xシリーズ

 同社の調査によれば、エアコン内部の清潔機能や空気の質を気にするユーザーは多いという。エアコンのカビ対策として、同社はこれまでも、独自のコーティング、ナノイーXによるカビ菌の抑制などを行なってきた。

 新製品では、カビの栄養源となる油とホコリへの対策を行なう機能を搭載。近年主流のリビングダイニングの場合、キッチンで調理する際に生じる油がエアコンに吸入されているという。また、ペットの毛など油を含むホコリも少なくないため、エアコンの内部にどうしても油が付着してしまうことがあった。

 同社では、「油分があると、そこにホコリなどが付着し、カビの栄養になる」点に着目。従来比約2倍のOHラジカルを発生させる高濃度の「ナノイーX」デバイスを搭載。さらに、従来は冷房・除湿運転後のみに充満させていたナノイーXを、暖房運転後にも充満させ、油分を分解する「新・内部クリーン」機能を備えた。

エアコンのカビを気にするユーザーは多い
高濃度のナノイーXが油分を分解低減するという
新・内部クリーンなしの熱交換器(向かって左)は、汚れでやや黄色くなっている

 リモコンの「快適おまかせ」ボタンや、専用スマホアプリで操作ができる「エオリアAI」機能もアップデート。従来は、ウェザーニューズから連携される気象予報をもとに、部屋の汚れを予測し、空気が汚れる前に空気清浄を開始していた。新製品は、この機能に加え、天気予報をもとにした温度の調整などの快適性・省エネ運転も行なう。

 さらに、AIの制御に対するフィードバックをアプリから行なえるため、天気予報だけでなく、自分の好みにあわせた情報をアップデートして、より快適・省エネな運転を実現するとしている。

 このほか、音声アシスタント Google AssistantやAmazon Alexaにも対応する。

アプリでフィードバックできるため、住宅環境や天気予報だけでなくユーザーの好みにあわせた運転に近づけられる
コンプレッサーの制御を見直し、外気温が50℃でも安定的な冷房運転ができるようにした「50℃対応室外機」を搭載(向かって右)
お掃除ロボットの構造をシェーバー型に変更。ブラシについた汚れをしっかりとかきとる