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三菱、世界初の霜取り中も暖房運転を維持する寒冷地向けエアコン「ズバ暖霧ヶ峰」

 三菱電機は、寒冷地向けエアコン「ズバ暖霧ヶ峰」に、世界初の霜取り中も吹出し温度を維持する「デュアルオンデフロスト回路」を搭載した新モデルを、9月下旬に発売する。左右独立駆動プロペラファンの「FDシリーズ」4機種、クロスフローファン「ZDシリーズ」6機種をラインナップ。価格は順に338,000円~398,000円、268,000円~358,000円前後(税抜)。

左右独立駆動プロペラファン「FDシリーズ」
クロスフローファン「ZDシリーズ」

 低外気温でも高い暖房能力を発揮する、寒冷地向けルームエアコン。新モデルでは、霜取り中も吹出し温度を維持する「デュアルオンデフロスト回路」を世界で初めて搭載した。

 一般的なエアコン暖房では、室外機の熱交換器に付着した霜を溶かすために暖房運転を停止し、霜取りを行なう必要があり、その間の室温低下が課題となっているという。今回搭載した「デュアルオンデフロスト回路」は、室外機の熱交換器を上下に分け、半分ずつ交互に霜取りと暖房運転を行なう。

 霜取りに使用した冷媒を暖房運転している熱交換器側に合流させ、再利用することで、外気から取り込む熱を増幅。さらに、大容量圧縮機で外気から多くの熱を取り込むため、霜取りに熱を使いながらも多くの熱を室内の暖房運転に使用でき、霜取り中も吹出し温度を維持し、室温も維持するという。

 室外機の着霜状況に応じて従来の霜取り方式に切り替えるが、その際には霜取り前に室温を高める「室温キープシステム」により、霜取り中の室温低下を抑制。「デュアルオンデフロスト回路」と使い分けて実現する「快適ノンストップ暖房」により、霜取り中も暖かさが続き、快適性の向上を図ったとする。

室外機の熱交換器を上下に分けた「デュアルオンデフロスト回路」
大容量圧縮機で外気から多くの熱を取り込むため、霜取り中も吹出し温度を維持する

 このほか、猛暑でも安定した冷房運転が可能な「STRONG(ストロング)冷房」機能を搭載。近年寒冷地でも真夏日が増え、冬だけでなく夏の冷房需要も高まっているという。本機は、屋外温度46℃でも運転継続が可能。エアコンの心臓部にあたる圧縮機や電子基板などの動作の限界点を気流・温度分布解析を用いて評価・検証し、高い外気温下での運転制御を最適化する独自アルゴリズムを採用した。

 ボタン1つで最適な運転に自動で切り替わる「おまかせA.I.自動」も搭載。リモコンの「A.I.自動」ボタンを押すだけで、AI技術を搭載した赤外線センサー「ムーブアイ mirA.I.」が部屋の中を360度センシングして、床や壁の温度や、窓からの日射熱、外気温の変化などを検知する。これにより、部屋にいる1人1人に起こる少し先の体感温度変化と湿度を予測。その結果に基づいて、AIが最適な運転モードと気流に自動で切り替え、快適性を向上したという。

 内部の清潔性にも配慮。内部を汚すホコリなど親水性の汚れを防ぐフッ素粒子と、油など疎水性の汚れを防ぐ親水性皮膜をナノレベルで配合した「ハイブリッドナノコーティング」を採用し、熱交換器やファンなどを清潔に保つ。

ボタン1つで最適な運転に自動で切り替わる「おまかせA.I.自動」

 各シリーズのラインナップは、左右独立駆動プロペラファンの「FDシリーズ」が、冷房能力4.0kW/5.6kW/6.3kW/7.1kWの4機種。カラーはピュアホワイト。

 クロスフローファン(ラインフローファン)の「ZDシリーズ」が、冷房能力2.5kW/2.8kW/4.0kW/5.6kW/6.3kW/7.1kWの6機種。カラーはピュアホワイト。

左から、FDシリーズ、ZDシリーズ

 このほか、「デュアルオンデフロスト回路」非搭載でクロスフローファン採用の寒冷地向けエアコン「XDシリーズ」を、8月2日に発売する。価格はオープンプライス。冷房能力2.2kW/2.5kW/2.8kW/3.6kW/4.0kW/5.6kW/6.3kWの7機種で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は158,000円~258,000円(税抜)。

「XDシリーズ」7機種を、8月2日に発売する