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シャープ、“8大生活臭”などのニオイ除去に特化した「プラズマクラスターNEXT」除菌脱臭機

 シャープは、イオン濃度を約50,000個/cm3以上まで高めた「プラズマクラスターNEXT」と、吸着した匂いを高効率で分解し10年後でも脱臭性能が約94%持続する「光触媒脱臭フィルター」を搭載した、プラズマクラスター除菌脱臭機「DY-S01」を6月13日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は45,000円前後(税抜)。

プラズマクラスター除菌脱臭機「DY-S01」

 イオンの発生を高濃度化した第10世代の「プラズマクラスターイオン発生ユニット」を採用した除菌脱臭機。

 従来の空気清浄機との違いは、空気清浄機がホコリや花粉、ニオイなどに総合的にアプローチするのに対して、除菌脱臭機はニオイに特化した点だという。新モデルでは、脱臭と除菌に関しては高い効果が得られるが、ホコリなどの除去能力は低い。

従来の空気清浄機と除菌脱臭機との違い

 新搭載された「第10世代プラズマクラスターイオン発生ユニット」では、イオン発生濃度を、従来「プラズマクラスター25000」の約2倍にあたる、50,000個/cm3以上まで高めたという。

 プラズマイオン発生器は、自然界にあるのと同じプラス(H+)とマイナス(O2-)のイオンを、プラズマ放電により作り出し空気中に放出する。

第10世代プラズマクラスターイオン発生ユニット
従来機の2倍にあたる、50,000個/cm3以上のイオンを発生させる
本体底部、360度の全周から、空気を取り込む
除菌脱臭された空気が、プラズマクラスターイオンとともに本体上部から放出される

 プラズマイオン発生ユニットとは別に、「光触媒脱臭フィルター」を搭載。同フィルターは、ニオイの吸着性能に優れたフィルター素材に、ニオイ成分を高効率で分解する光触媒素材を組み合わせたもの。

光触媒がニオイ成分などを抑制する過程(イメージ図)

 光触媒には、青色LEDにも反応する同社独自開発の「可視光応答型タイプ」を採用。フィルターに吸着したニオイ成分を、光触媒が分解するため、10年後でも脱臭性能が約94%持続するという。

 本機の下部の吸込口から吸い込まれた空気は、まず「光触媒脱臭フィルター」を通り、空気中に含まれるニオイ成分を分解。さらに、「プラズマクラスターイオン発生ユニット」で発生したイオンと一緒に、清浄化された空気が放出されるという構造となっている。

内部構造のイメージ
内部の構造
本体下部の吸込口の中には、脱臭フィルターが設置されている
フィルターには、青色LEDにも反応する可視光応答タイプの光触媒が塗布されている
本体上部に設置されたプラズマクラスターイオン発生ユニット

 新モデルは、こうした「プラズマイオン発生ユニット」と「光触媒脱臭フィルター」を搭載したことで、「8大生活臭」のすべての消臭スピードを、約1.5倍にアップさせたとする。なお、8大生活臭とは、排泄物臭、ペット臭、タバコ臭、部屋干し衣類の生乾き臭、30〜40代特有の体臭、加齢臭、汗臭、料理臭のこと。

8大生活臭のすべての消臭スピードを、従来機比で約1.5倍にアップ

 本体サイズは233×570mm(直径×高さ)。重さは約3.9kg。脱臭適用床面積の目安は、15畳(25m2)まで。プラズマクラスター適用床面積の目安は、約8畳(約13m2)まで。消費電力は2.2W〜11W。電源コード長は約1.8m。

実際に効果が分かったデモンストレーション

 発表会の会場では、同機が様々なニオイ成分に対して、抑制効果があることを示すデモンストレーションが行なわれた。それぞれ各種ニオイを充満させた、密閉した箱が用意されたのだ。

 まずは焼き魚だけが置かれた箱を嗅ぐと、少し油断していたこともあり、思わずのけぞるほどの強烈なニオイがした。その後に、除菌脱臭機が設置された方を嗅いでみた。こちらにも同じ焼き魚が置いてあるからか、うっすらと魚のニオイがするような気がする。だが、ほぼ無臭と言っていいレベルだった。

焼き魚のニオイを、ほぼ完全に抑制していた

 次にペットの排泄物のニオイを想定した箱。こちらを嗅ぐと、ツンッと鼻をつくような刺激臭が……まさにアレっぽいニオイがする。その後に、同じニオイ成分を含ませたシートとともに除菌脱臭機を作動させた箱の中を嗅ぐ。焼き魚の時と同様に、ほとんどニオイは感じられなかった。

10年後にも効果が期待できる脱臭性能

 そのほかにも、光触媒脱臭フィルターを備えた同機が、10年後にも消臭効果が期待できることを示すため、10年相当のニオイを吸い込んだ同機と、加湿空気清浄機「KI-JX75-W」との比較テストが行なわれていた。

 会場には、タバコ臭が充満した2つの密閉された個室を用意。一方には、脱臭フィルターの交換時期の目安が約10年の加湿空気清浄機「KI-JX75-W」を設置。もう一方には、光触媒機能を備えたプラズマクラスター除菌脱臭機「DY-S01」を設置。

タバコ臭が充満した2つの密閉された個室
光触媒の効果体感実演の説明パネル
10年分相当のタバコ臭を吸い込んだ光触媒脱臭フィルター

 加湿空気清浄機「KI-JX75-W」を置いた個室の小窓を開くと、喫煙者である筆者でも不快に感じるほど、強烈なタバコ臭がした。

 次にプラズマクラスター除菌脱臭機「DY-S01」が設置された個室の小窓を開いて嗅ぐと、タバコのニオイが残っているものの、大幅に抑えられているのが分かった。

 同社によれば、従来の空気清浄機は、光触媒機能がついていないため、タバコ臭がフィルターに付着して目詰まりする結果
、フィルター交換が必要になるという。対して新モデルでは、まず光触媒フィルターにより、吸い込まれたタバコ臭を分解していくため、フィルター交換無しで10年使用し続けても、脱臭効果が持続するという。

 なお、プラズマクラスター除菌脱臭機「DY-S01」のフィルター交換は不要だが、プラズマイオン発生ユニットについては2年に一度の交換を推奨している。ユニット単体の価格は3,500円(税抜)。

世界での累計販売台数8,000万台を突破したプラズマクラスター搭載機

 発表会では、プラズマクラスター技術の歴史についても語られた。プラズマクラスター搭載の空気清浄機「FU-L40」が発売されたのは、2000年の10月のこと。以来、プラズマクラスターイオン濃度を高めていくことで、除電や消臭、除菌などの効果を広げてきたとする。

 さらに同社の家庭用空気清浄機にとどまらず、今では自動車や鉄道など幅広い分野で採用されてきた。そして、昨年10月末時点で、プラズマクラスター搭載商品の販売台数が、累計8,000万台を達成したとする。

2000年10月に、初めてプラズマクラスター搭載した空気清浄機が発売された
プラズマクラスターイオン濃度を高めてきた
多彩な業種の他社製品やシステムに採用されている
プラズマクラスター搭載商品の販売台数が、累計8,000万台を達成

 同社によれば、「ニオイ除去に対するニーズは、日本国内にとどまらず、世界にあると考えます。プラズマクラスター除菌脱臭機についても、今後は世界で販売することを視野に入れていきたい」と抱負を語った。