ニュース

三菱、生野菜をそのまま冷凍でき調理もしやすい“切れちゃう瞬冷凍A.I.”搭載の冷凍冷蔵庫

 三菱電機は、冷凍した野菜を必要な分だけほぐして使える“切れちゃう瞬冷凍A.I.”を搭載した冷凍冷蔵庫「置けるスマート大容量・野菜室が真ん中 MXシリーズ」を、2月21日に発売する。容量572L「MR-MX57E」と、容量503L「MR-MX50E」、容量455L「MR-MX46E」の3機種で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は順に、40万円前後、36万円前後、35万円前後(税抜)。

置けるスマート大容量・野菜室が真ん中 MXシリーズ

 野菜室を真ん中に配置した冷凍冷蔵庫「MXシリーズ」の新モデル。いずれも6ドアセンター開きを採用。新モデルでは、肉や魚を約-7℃に凍らせる「切れちゃう瞬冷凍」機能を採用した瞬冷凍室が進化。温度制御を最適化することで、生野菜も下ゆで不要で冷凍できるほか、AI機能により設定不要で使いやすさを向上させた「切れちゃう瞬冷凍A.I.」になった。

 従来の瞬冷凍では温度が低く、野菜を生のまま冷凍するには不向きだったという。新モデルでは野菜に影響が少ない温度制御に改善し、野菜も生のまま美味しく瞬冷凍できるとする。-7℃に凍らせるため使う際も簡単にほぐせ、調理したい分だけ取り出して残った分はまた瞬冷凍室に入れるといった使い方が可能。解凍の手間なく、時短調理を実現する。

容量572L/503L/455Lの3機種を用意
中段右側に、食材を約-7℃に凍らせる「瞬冷凍室」を採用
野菜に影響が少ない温度制御に改善し、肉や魚だけでなく生野菜も瞬冷凍可能になった

市販のカット野菜を購入する家庭増、生野菜のまま瞬冷凍で調理もしやすい

 同社の冷蔵庫の購入者にアンケートを取ったところ、約60%が“切れちゃう瞬冷凍”を目的に購入していることがわかったという。実際に切れちゃう瞬冷凍を使ってどこが良かったかについては、「冷凍なのに解凍がいらない」、「必要な部分だけ切ったりはがしたり、すくえたりする」、「美味しいまま冷凍できる」などの声が挙がった。新モデルではその機能をさらに使いやすくしたという。

 三菱電機 静岡製作所 営業部 冷蔵庫営業統括部長 高山 博夫氏は、生野菜の瞬冷凍について次のように語った。

 「食事の準備について調査してみると、時間の掛かる下ごしらえを週末にまとめてする人が多いことがわかりました。野菜のみじん切りや下ゆでは週末にまとめて行なうほか、調理時間の短縮のために市販のカット野菜を活用する家庭も増えています。しかし、週末にまとめて野菜をカットしても冷蔵保存では長持ちせず、冷凍保存では野菜が固まって使いにくい、美味しくないなどの不満も出てきます。新モデルの切れちゃう瞬冷凍A.I.では野菜を生のまま、美味しく冷凍できるため時短調理を実現します」

三菱電機 静岡製作所 営業部 冷蔵庫営業統括部長 高山 博夫氏
市販のカット野菜を活用する家庭も増えている

 なお瞬冷凍が食材の美味しさを保つ理由は、食品全体にきめ細やかな氷結晶を一瞬で形成して芯から均一に凍らせ、細胞破壊を抑えるためだという。白菜においては、通常の冷凍に比べて解凍時の水分の流出を約30%、ビタミンCの流出を約48%抑制し、食感も残すとしている。

 冷凍室と瞬冷凍室で凍らせた生野菜を比べて見てみると、キャベツ、もやしともに冷凍室で凍らせたものは固まってしまっていた。一方、瞬冷凍室で凍らせたものはパラパラとほぐれ、常温解凍などせずにそのまま使える状態だった。

冷凍室で凍らせたキャベツは固まっていたが、瞬冷凍室のキャベツはほぐれやすい状態
瞬冷凍させると水分やビタミンCの流出を抑制できるという
冷凍室で凍らせたもやし。かたまっている
瞬冷凍室で凍らせたもやし。すぐに使える状態

「切れちゃう瞬冷凍A.I.」で食品を入れる度に必要だった設定操作が不要に

 また瞬冷凍室は、ユーザーの生活パターンを予測して自動制御する機能も新たに搭載。冷蔵庫のすべての扉に搭載したセンサーが、1時間ごとに扉の開閉データを収集。ユーザーの行動を分析・学習して、1日の生活パターン(活動時間と非活動時間)を予測する。

 予測した活動時間内に扉を開閉した場合は、食品を瞬冷凍できるように自動制御を開始する。これまで食品を入れるたびに必要だった「切れちゃう瞬冷凍」の設定操作が不要となり、使いやすさが向上したという。なお非活動時間と予測した場合は、扉の開閉があっても瞬冷凍の制御を新たに開始しない。

 センサーは1時間ごとに開閉データを収集するため、休日などに標準的な生活パターンとは異なる時間帯に扉の開閉があっても、AIが活動時間のずれを認識。扉の開閉が多い時間を活動時間とし、その日の生活パターンに合わせて「切れちゃう瞬冷凍 A.I.」の制御を行なう。

1時間ごとに扉の開閉データを収集し、ユーザーの行動を分析・学習する
予測した活動時間内に扉を開閉した場合は、食品を瞬冷凍できるように自動制御

 このほか冷蔵室には、氷点下(約-3℃~0℃)で食品を凍らせずに保存でき、痛みやすい肉や魚の鮮度を長持ちさせる「氷点下ストッカーD」を、野菜室には3色LEDで葉物野菜のビタミンCを増やして緑化を促進する機能などを引き続き搭載する。

冷蔵室
野菜室
冷凍室
操作部

 容量572L「MR-MX57E」の本体サイズは、685×738×1,826mm(幅×奥行き×高さ)。各室の容量は、冷蔵室が306L、野菜室が114L、製氷室が19L、瞬冷凍室が32L、冷凍室が101L。年間消費電力量は275kWh/年。

 容量503L「MR-MX50E」の本体サイズは、650×699×1,826mm(同)。各室の容量は、冷蔵室が271L、野菜室が98L、製氷室が18L、瞬冷凍室が27L、冷凍室が89L。年間消費電力量は250kWh/年。

 容量455L「MR-MX46E」の本体サイズは、650×650×1,826mm(同)。各室の容量は、冷蔵室が247L、野菜室が88L、製氷室が16L、瞬冷凍室が24L、冷凍室が80L。年間消費電力量は275kWh/年。

 いずれもカラーはクリスタルホワイトとグラデーションブラウンの2色。

カラーはクリスタルホワイトとグラデーションブラウンの2色

真ん中野菜室が好評、455L/451Lタイプを追加

 なお真ん中野菜室が好評だったことから、ラインナップも拡充している。従来、6ドアセンター開きのMXシリーズは、572Lタイプと503Lタイプの2機種のみだったが、455Lタイプ「MR-MX46E」を追加した。奥行き65cmと薄型で、設置スペースに合わせて選びやすくしたという。

 さらに5ドア片開きタイプの「MBシリーズ」として、容量451L「MR-MB45E」も追加。幅60cmのスリム設計としている。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は29万円前後(税抜)。

 本体サイズは、600×699×1,826mm(同)。各室の容量は、冷蔵室が243L、野菜室が87L、製氷室が18L、瞬冷凍室が22L、冷凍室が81L。年間消費電力量は255kWh/年。カラーはクリスタルピュアホワイトと、グラデーションブラウンの2色。

6ドアセンター開きで容量455Lの「MR-MX46E」(左)と、5ドア片開きで容量451Lの「MR-MB45E」(右)を追加
容量451L「MR-MB45E」は幅60cmのスリム設計