家電製品レビュー

40cmのピザもすっぽり! 三菱「置けるスマート大容量」冷蔵庫にコストコ食品を詰めてみた

 近所にコストコができてからというもの、コストコにはまってしまった。家族4人全員が食べることが大好きで、食品の消費量も早い我が家にとって、コストコはとてもありがたい存在だ。しかし「コレも食べてみたい」「安いからアレも買おう」と、つい色々買い込んでしまうのが悩みのタネ。コストコではノリノリで買っても、購入後に冷蔵庫に入らず、無理矢理詰め込んでパンパンになってしまったり、一食のボリュームが増えてしまったり……。

 そんな悩みを抱える我が家に、「置けるスマート大容量」で有名な三菱電機から、最新の冷蔵庫を貸し出していただけることになった。

「置けるスマート大容量 MR-WX60A」。本当は700Lタイプの冷蔵庫を試したかったが、我が家に入らなかったため600Lタイプに

 三菱電機の冷蔵庫は大容量タイプのラインナップが豊富で、最大容量は700Lとかなり大きい。家族4人では持て余してしまうかもしれないが、コストコに行き始めるととにかく大きな冷蔵庫が欲しくなる。

 せっかく借りられるのであれば、700Lの冷蔵庫を使ってみたかったのだが、我が家のキッチンは対面キッチンで、間口でひっかかることがわかった。リビングや廊下に置くことも考えたが、冷蔵庫が遠くにあるのは使いづらいため、やはりキッチンの中に置きたい。

 2番目に大きい、685×798×1,821mm(幅×奥行き×高さ)の600Lタイプ「MR-WX60A」であれば入ることがわかったので、MR-WX60Aをお借りした。届いた冷蔵庫のカラーはクリスタルロゼで、正面はガラストップとなっている。大きい冷蔵庫ではあるが、やわらかい色合いのため、それほど圧迫感はない。

メーカー名三菱電機
製品名置けるスマート大容量 WXシリーズ
型番MR-WX60A(600Lタイプ)
実売価格255,950円

 大抵の冷蔵室は、開けると冷蔵ゾーンとチルド室、製氷用の水タンクという組み合わせが多いが、三菱電機の冷蔵庫はチルド室の下に「氷点下ストッカーD」というスペースが用意されている。同じ冷蔵室内なので、食品を整理しやすくするためにスペースを分けているように見えるが、それぞれ温度帯が違っている。

 さらに、新モデルでは野菜室が進化し、ビタミンCや糖度がアップするという、3色LEDを搭載した「朝どれ野菜室」となっている。

 実際に食品が収納できる“食品収納スペース”の容量は、冷蔵室が247L、製氷室が25L、瞬冷凍室が21L、冷凍室が70L、野菜室が81L。

 各室の温度帯は、冷蔵室が約3℃、ワイドチルドが約0℃、氷点下ストッカーDが約-3℃~0℃。一見、微妙な温度差に思えるが、それぞれ鮮度の“持ち”が大きく変わる。さっそくコストコで買ってきた食品を詰めてみた。

ガラスの棚で清潔感がある。大容量だけあって中はかなり広い
卵ケースが付属している。どこでも好きな場所に置ける
扉にもドレッシングや飲物などをたくさん入れられそうだ
下のほうに「ワイドチルドルーム」と「氷点下ストッカーD」というスペースがある。温度帯はそれぞれ違う
ワイドチルドルームは横幅いっぱいでかなり入りそうだ
一番下の青っぽい引き出しが氷点下ストッカーD

 今回、購入した食材は、定番のさくらどりやディナーロール(36個入り)のほか、ステーキ用の肉(約1.35kg)、チーズ(1.13kg)、甘塩たら切り身、里芋(1kg)、ぶどう(1.4kg)、シーフードアヒージョ、ずわいがに寿司、チキンシーザーサラダ、フラットブレッド(約40cm)など、なかなかかの分量だ。

 これだけのボリュームになると、まず小分けにして、冷凍するなどの分別作業を行なわなければならない。

コストコで我が家が買うのはこんな感じ。定番のほかは、行くときによって変わる

約40cmのピザも箱ごと入る

 奥行が広いので、どんどん入る。特に驚いたのが、一辺40cmあるピザ「フラットブレッド」が箱のまま入ることだ。消費期限は購入日を含めて3日なので、我が家では次の日とその次の日の朝に出せば、食べ切れる。小分けして冷蔵や冷凍するといった作業は必要ない。次の日のパーティで使いたいときも、そのまま入れておけるのは便利だ。

コストコユーザーなら、すぐにわかるのではないだろうか。ピザ等は直径40cmもあってかなり大きい
恐る恐る入れてみる。広いので入りそうだ
すっぽり入ってしまった。ギリギリではあるが、これなら小分けする必要はない

 総菜系もそのままどんどん積んで入れられた。コストコに行く直前、旦那が生協で色々と食品を注文してしまい、既に冷蔵庫には食品が入っていたが、それでも余裕があり、まだまだ入りそうだ。

扉の棚にも調味料、牛乳、ドレッシング等ぎっしり入っている。ちゃんと整理しないとゴチャゴチャになりそう
向かって左側の扉のほうが狭い

 チルドルームには購入したチーズなど、乳製品を中心に入れた。「ワイドチルドルーム」というだけあって、冷蔵室の横幅と同じなので、大量に入れられる。

チルドルームはとても広いので、乳製品など細々したものを入れておくのにぴったり

氷点下ストッカーDは冷凍しなくても鶏肉が1週間持つ!

 大量に購入したステーキ肉とさくらどり(半分)は、冷蔵室の一番下にある引き出し「氷点下ストッカーD」へ。すぐに食べない肉や魚はとりあえず冷凍することが多いが、小分けする手間があり、味が落ちる。さらに解凍する手間もあるので、なるべくそのまま使い切りたい。

 そういった声を反映して作られたのがスペースが氷点下ストッカーDで、温度帯は約-3℃。ここに入れておけば肉は1週間、魚は5日、お刺身は3日も鮮度が長持ちするという。

 この分量では3日以内に食べきることはできないが、1週間以内であればお弁当や食事で使い切れる。冷凍しているわけではないので、そのまますぐに使えるのも嬉しい。

とても便利な氷点下ストッカーD。1週間入れておいても肉の色が変色しない! 魚も鮮度を保って美味しいまま食べられるので助かる

切れちゃう瞬冷凍室であれば、ステーキ肉も約2~3週間保存可能

 さらにもう少しだけ鮮度を持たせたいときは、切れちゃう瞬冷凍室にそのまま入れておけばよい。瞬冷凍室は中段右側にある独立したスペース。さくらどりとステーキ肉は、約-7℃で保存しておけば、約2~3週間は保存できる。半冷凍のような状態で、一見冷凍しているようにしか見えないが、包丁でサクッと切れるので解凍せずに使うことができる。

 特に傷みやすく、解凍が面倒な挽肉は切れちゃう瞬冷凍室で保存するようにしている。そのまま切って使えるので時短調理につながるだけでなく、ドリップが出にくいのでうまみも逃げにくい。

さくらどり半分と残ったステーキ肉は瞬冷凍室へ。ここで2週間ほど冷凍しておく。冷凍といっても、包丁がサクッと入るかたさだ
瞬冷凍で保存しておいた挽肉は、一見カチカチ。しかし、包丁で簡単に切れる

 なお、瞬冷凍室でおいしく冷凍するには、扉にあるタッチパネルの「おいしく瞬冷凍」ボタンをその都度押す。温度をコントロールし、「過冷却」と呼ばれる現象を利用して食品の内側から外側まで、微粒子凍結させる。そうすることで、栄養素やうまみ成分の流出を抑え、より美味しく食品の鮮度を保つことができる。冷凍したときの独特の食感はなく、ストレスなく調理することができた。

 しらす干しなども密閉容器に入れてここに保存しておけば、パラパラの状態で使いたい分だけ取り出すことができる。きんぴらごぼうなどのおかずなどの作り置きも、そのまま箸でつまんで必要な分量だけ使えるので、お弁当作りに重宝している。我が家では何かと使用頻度が高いスペースだったが、食品収納スペースは21Lしかなく、狭くてたくさん入れられないのが残念だ。

タッチパネルで「おいしく瞬冷凍」を設定しておく

 その他、ディナーロールなど、長期保存させたいものは冷凍庫に入れた。冷凍庫に入れておけば1~2カ月もつ。他にも食材が色々入っていたので収納できるか不安だったが、6つずつ小分けにして入れたところ、問題なく保存することができた。

長期保存させたい場合は冷凍庫へ

キャベツの色が濃くなっていた! ビタミンCがアップする業界初の野菜室

 新モデルでは、野菜室の機能が進化。野菜室の奥には3色LEDが搭載されていて、日光の1日のサイクルに合わせて光合成する野菜の特性を活かし、LEDの色を制御するという。保存している間にビタミンCや甘みがアップするというわけだ。

 野菜が重なり合って影になっても、一部でも光が届いていれば効果はある。畑からとってきた野菜は普通、冷蔵庫で保存すればするほど栄養素が減衰していくが、野菜室で保存することでビタミンCや糖度がアップするというのは業界初とのことだ。

野菜室の奥に見えるLED。時間によって色がかわるという
こちらはLEDが赤く光っている様子(ふだんは野菜室を開けると消灯するので見ることはできない)
野菜室も深く、たっぷり入る
上段には果物を中心に細々したものを入れた
発表会時に行なわれた説明。LEDで日光のサイクルを野菜室に作り出す

 三菱電機の発表会によると、保存後3日目に、LED照射なしの場合と比べると、約23%もビタミンCがアップしたという。同時に緑化も進むので、キャベツなどの葉物はビタミンCがアップすると同時に、青々とした美味しそうな見た目になる。

 そこで、キャベツを半分に切り、片方はラップし、片方は光を遮った状態で野菜室に入れて4日ほど置き、比較してみた。確かにLEDを照射してある野菜のほうが、美味しそうだ。

 また、密閉うるおい構造により、特に葉物類は乾燥しにくくなっており、ラップなしでもみずみずしさは長持ちしていた。野菜はまとめ買いするとどうしても数日後には元気がなくなってしまうが、新鮮な状態を長く維持できるのは、ありがたい。

左側がLED照射されたキャベツ、右が黒い紙で光を遮断したキャベツ。左のほうが中心部分や外側の色が青々としている

大型冷蔵庫は置き場所だけでなく搬入経路もしっかり確認を

 せっかくの機会なので、最大容量の700Lタイプを借りたいと思っていたのだが、生協やコストコで食品を買い込んで詰めても600Lあれば十分だった。我が家は一般的な建売住宅で、特にキッチンの入り口が狭いのだが、ギリギリ入れることができた。

 一般的なファミリータイプのマンションや戸建て住宅なら、このサイズは設置できそうだ。ただ、大容量冷蔵庫は、置き場所だけでなく、搬入経路についてもしっかりサイズを確認してから容量は選んでほしい。

 大容量タイプの冷蔵庫では仕方がないのかもしれないが、高さがあって奥行きもあるので、女性だと冷蔵室の最上段は手前しか手が届かない。掃除はもちろんだが、一番上の段は奥に食品が入り込むと取るのに苦労することもあるので、100円ショップの冷蔵庫用引き出しや、簡単な踏み台などを使って整理や掃除をする必要がある。

中はとても広く、明るい。身長162cmの私が届かないのは一番上の棚。奥には手をいれることができない

小分け冷凍と解凍が面倒くさいというコストコユーザーは要チェック!

 各室の使い分けは、3日以内に使いきるものは冷蔵室、1週間以内なら氷点下ストッカー、2~3週間なら切れちゃう瞬冷凍室、それ以上であれば冷凍室といったところ。

 氷点下ストッカーや瞬冷凍室を活用することで、小分けする手間が激減し、解凍する時間も節約できるようになった。冷凍するとどうしても味が落ちてしまうが、美味しい状態で食べられることも、我が家にとっては嬉しいポイントだ。

製氷室は防音マットが敷いてあるので、氷が落ちるときも静かだ。水が通る経路も丸洗いできる。しかし氷は小さめで割れやすいのが気になった

 製氷室はマットが敷いてあるため、氷が落ちる音も気にならず、音も静か。年間消費電力量は、現在販売されている370Lタイプが550kw/hに対し、お借りした600LタイプのMR-WX60Aは295kw/h。大型冷蔵庫は電気代がかかりそうなイメージではあるが、実はかなり安く抑えられる。

 今回はコストコで買ったものをメインにご紹介してきたが、共働きなどでまとめ買いすることが多いご家庭にもおすすめできる冷蔵庫だ。

石井 和美