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白物家電の世界市場調査、ロボット掃除機が前年比32.2%増と好調~富士経済調べ

 富士経済は、主要な白物/小物家電の世界市場を調査し「グローバル家電市場総調査 2018」としてまとめた。

今後、インドや東南アジアなどの新興国での需要増加を期待

 白物家電5品目の世界での販売台数は、2017年が5億8,511万台。それが2022年には5億9,105万台へと増加すると予測。5品目とは、ルームエアコン、冷蔵庫、洗濯機/洗濯乾燥機、電子レンジ/電気オーブンレンジ、掃除機。

主要5品目の販売台数の推移(予測含む)
ルームエアコン

 2017年は、ルームエアコンの販売台数が、前年比31.1%増の1億5,725万台と大幅に拡大した。特に中国では前年比74%増となり市場を牽引。これは中国における歴史的な猛暑や、ECによる販売促進などを背景とした過剰在庫の解消を進めたことが要因だったとする。

 同社は2017年のルームエアコンの販売台数増を特需と位置づけ、2018年以降の伸びの反動が懸念されるとする。だが、中期的には、普及率の低い新興国の伸びが牽引することで、市場は微増推移が予想されるという。特にインドについては、2022年に73.4%増の950万台の市場が予測されるとする。

冷蔵庫

 冷蔵庫の2017年の販売台数は、前年比0.4%増の1億2,620万台。中国や東南アジアでは需要が縮小したが、好景気の日本や欧州、北米での伸びと、前年比9.1%増のインドを加えて、世界市場全体では拡大した。

 2022年には、2017年比で10.9%増の1億3,997万台まで伸びると予測。普及率の低いインドやインドネシアが市場拡大を牽引するとみる。なお、インドとインドネシアでは、2022年にそれぞれ54.2%増の1,850万台、48.6%増の550万台となると予測する。

洗濯機/洗濯乾燥機

 2017年の市場は前年比3.4%増の1億1,052万台。同市場の30%以上の構成比を占める中国での販売が好調だった。日本では2009年から2011年にかけてのエコポイント導入時に購入したユーザーの買い替え需要などもあり、高付加価値商品への買い替えが進んだという。

電子レンジ/電気オーブンレンジ

 中国、日本、北米、インドでの販売が好調で、前年比4.1%増の1億179万台となった。今後は先進国の伸びは期待しにくいものの、新興国需要が堅調に増えるとみられ、2022年の市場は6.0%増の1億789万台と予測する。

掃除機(ロボット掃除機を含まない)

 2017年は前年比2.7%増の8,935万台。構成比の50%以上となる欧州+北米では横ばいだった。一方の中国では前年比15.8%増と大きく伸長。日本は横ばいだが、手軽に使えるスティック型の比率が高まっているという。2022年の市場は9,195万台と予測。特にインドネシアは、2017年比で7.1倍の50万台になるとする。

注目市場、空気清浄機とロボット掃除機の今後

空気清浄機

 空気清浄機の2017年の市場は前年比6.6%増。市場規模の大きい中国と北米が好調だったとする。

 中国は、大気汚染が社会問題として深刻化してきた2012年頃から需要が拡大。それでも、普及率は比較的低いため今後も伸びが期待されるという。同社の2022年予測では137.9%増の800万台。

 また空気清浄機の世界生産の9割以上は中国が占め、中国メーカーが占める構成比も大きい。日本や韓国メーカーはコストメリットにより中国生産が多いが、高級機は自国で生産している。

空気清浄機の市場規模
ロボット掃除機

 ロボット掃除機の2017年の市場は、前年比32.2%増の977万台。うち中国が630万台を占めている。これは様々な企業が参入し、ECを中心とした販促が功を奏して伸びたと分析。

 掃除機全体でのロボット掃除機の構成比は10%未満と、まだ小さい。だが市場拡大により、その比率は年々高まっていき、2022年には13.5%になると予測する。

ロボット掃除機の市場規模