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次世代ロボティクス家電開発に向けた「パナソニック・千葉工業大学産学連携センター」を設立
2017年12月13日 16:42
高速SLAMを用いた次世代ロボティクス家電の開発へ
パナソニックと学校法人千葉工業大学は「パナソニック・千葉工業大学産学連携センター」を本日設立した。千葉工業大学が保有する最先端のロボット技術、知能化技術、それらの技術を統合し完成度の高いロボットを開発する能力と、パナソニックの持つ家電製品の企画・開発力を融合することで、アイディア創出から具現化、製品化に向けた技術開発を大学と企業の両者で取り組んでいく。
連携第一弾のプロジェクトとして千葉工業大学 未来ロボット技術研究センターが開発したセンサー技術を用いた高速空間認識技術「ScanSLAM」を活用し次世代ロボティクス家電の製品化に取り組む。一般にSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)は、レーザーやカメラなどのセンサーの情報を解析して自己の位置を推定しつつ周囲の地図を構築する、自動操縦やロボットにおける“人間の目”の役割に相当するコア技術、「ScanSLAM」は高速処理が可能な世界トップクラスの性能を有しているという。
会場では、同技術が搭載されたロボットがほぼリアルタイムでマッピングしていく様子をデモンストレーションした。360度・3Dの高精度センサーを備え、人の動きなども瞬時に捉える。
新しい産学連携のスキームになる
センター長を努める千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター所長 同大学常任理事兼務 古田 貴之氏はセンター設立について「イノベーションを起こす新しい産学連携のスキームになり得る」と話す。
従来、大学と企業との産学連携は、基礎研究などのR&Dを目的としており、今回のように製品開発を前提とした、大学の先端技術の提供と目的としたこのようなセンターの設立は非常に珍しいケースだという。
「大学の研究では、製品や事業の出口イメージをもちながら中期的に研究するということがなかなかできていなかった。今回の連携を通じて、日本の強い技術というものを活かした、世の中をワクワクさせるような製品が出せるようになればと思う。それを実現できるセンターの枠組みを目指す」
一方、今回の取り組みはパナソニック側からの提案だったという。パナソニックアプライアンス 技術担当兼技術本部長 渕上英巳氏は、「千葉工業大学が有する先端技術をパナソニックが円滑かつスピーディーに製品化することで、新たなロボティクス家電の開発を目指す」と話す。
また渕上氏は、パナソニックのロボット掃除機「ルーロ」の開発を手がけていたこともあって、最初に取り組む家電はロボット掃除機ではないかという質問が出た。淵上氏は「確かに古田先生が進めている研究はロボット掃除機との相性が良いので、第一弾としてはその辺りを考えている」とコメントした。
古田氏は今回の連携を決めた理由について「2つある。まず1つは、我々は未来を作ることがミッション、そこがパナソニックのポリシーと一致していた。2つめは個人的に家電が大好きだということ。時間があれば量販店に行って、様々な家電を見たり、触ったりするのが好き。そんな中でもパナソニック製品の志と技術力の深さには感銘を受けていた」と話した。