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人と動物を見分け、ペットの見守りもできる家庭用セキュリティカメラ

 仏Netatmo社(ネタトモ)は、顔認識システムを備えるホームカメラ「Welcome(ウェルカム)」に、動物検知機能を追加することを発表した。専用アプリ「Netatmo Security」をアップデートすることで、7月上旬より使用可能になる。アプリの利用料は無料。Welcome本体の価格は29,800円(税込)。

動物検知機能を搭載したホームカメラ「Welcome」

 有線もしくは無線LANでスマートフォンと連携して使用する、家庭用セキュリティカメラ。顔認識機能を搭載している点が特徴で、玄関などに設置することで、カメラが映した人物の顔と名前を結びつけ、誰が帰宅・在宅しているかをスマホで確認できる。専用アプリの対応OSは、Android 4.3以降、iOS 9以降。

 新たに搭載された「動物検知」機能では、犬や猫、鳥などのペットの動きを検知する。ペット独特の動きをAI技術により学習させ、人と動物を見分ける。ペットの動きに限定した自動録画や、不審な動きがあったときだけ通知するなど、細かな設定によりペットの見守りを実現するという。

 このほか、動画の撮影や帰宅時の通知のON/OFFは1人ずつ設定を変えることも可能。思春期の子どもが帰宅時に動画を撮られたくないという場合は、撮影および通知をOFFに設定することで、本体は顔認識で対象者を判断して動画撮影を行なわない。

スマートフォンやタブレットから映像を確認。カメラに初めて映った人にはクエスチョンマークが付く。名前を入力してプロフィール登録する。これまでは人を見分けていたが、今後は人と動物も見分けられるようになる

ネットワークカメラで多い用途はペットの見守り

Netatmo 最高執行責任者(COO)のマシュー・ブロードウェイ氏

 Netatmo 最高執行責任者(COO)であるマシュー・ブロードウェイ氏は、動物検知機能について以下のように語った。

 「家庭用のネットワークカメラは増えてきていますが、一番多い用途はペットの見守りだと思います。現在、日本では2,000万匹の動物が飼育されており、その中でも約80%が日中に留守番をしていることがわかりました。自宅でペットだけにしておくのは後ろめたいという飼い主からの声もあり、何かできることはないかと思い搭載したのが動物検知機能です。飼い主が安心するだけでなく、ペットの安全にもつながります」

 カメラはフルHD1080p解像度を備え、130度の広角で撮影可能。広い玄関にも対応する。ナイトビジョンを搭載し、暗所でも認識できる。撮影した画像は本体に差し込んだMicro SDカードのみに保存。クラウドサーバーなどは利用していないため、月々の利用料もかからず、セキュリティ面にも配慮したという。

 本体サイズは、45×155mm(直径×高さ)。電源アダプター、USBケーブル、Ethernetケーブル、Micro SDカードが付属する。無線LANは、IEEE 802.11b/g/nに対応する。本体は一体型耐久性アルミニウム素材で、屋内専用としている。

 なお、犬2匹、猫2匹などをそれぞれ見分けることは不可。マシュー氏は「今後は動物同士を識別する機能を搭載したい」とコメントしている。

アルミニウム素材を使用し、屋内専用としている
背面。Micro SDカード、ACアダプター、有線LANの差込口を備える

ペットの異変は飼い主がいち早く気づくことが大事

白金高輪動物病院 中央アニマルクリニック 総院長 佐藤 貴紀氏

 会場には、白金高輪動物病院 中央アニマルクリニック 総院長 佐藤 貴紀氏が登場。ペットの見守りについて、次のように述べた。

 「犬や猫などの動物は言葉を話せないので、異変があったときは飼い主がいち早く気づくことが大事です。病気などは早期発見することで完治の可能性は高くなります。日中は留守にしていることも多いと思いますが、外出中もこうしたホームカメラで見守り、異変があったらすぐに病院に行くという流れが定着してほしいです」

ペットに異変があることに飼い主がいち早く気づくことが大事だという