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コルクを抜かずにボトルワインが注げる「コラヴァン」が日本上陸

 シナジートレーディングは、ワインボトルのコルクを抜かずにワインが注げる「コラヴァン」を発売した。「モデル2」のCRV1001(ブラック)と、「モデル2エリート」のCRV1002(シルバー)、CRV-1003(レッド)を用意し、価格はモデル2が65,000円、モデル2エリートが68,000円(税抜)。

4月15日に日本で発売を開始した「コラヴァン」のラインナップ

 ニードルをコルクに差し込むことで、コルクを抜かずにボトルのワインが注げる世界初のワインアイテム。ワインを取り出した分だけ、純度99.0%の窒素ガスを注入するため、ワインが酸素に触れることなく、コルクで密閉された状態を何カ月も保てるという。

 使い方は、本体に窒素ガスが入った「コラヴァン カプセル」をセットし、ワインボトルに挟んだら上部をゆっくりと押し、ニードルをコルクに差し込む。次にワインボトルを傾け、トリガーを素早く押して離すと窒素ガスをボトルに充填しながらワインが注げる。注ぎ終わったらボトルを戻し、最後にニードルを引き抜けば、コルクの穴が自然に塞がるという。

 いずれも本体サイズは、140×63.5×210mm(幅×奥行き×高さ)、重量は445g。

本体のクリップ様のつまみでワインボトルを挟む
手のひらを使ってニードルをコルクに押し込む
底を高く持ち上げ、トリガーを素早く押してワインを抽出する
ボトルを戻せばワインの注入が自動的に止まる。この後ニードルを引き抜く

ワインを飲みきる必要がなく、いろいろな種類を楽しめる

 会場には、開発者であるグレッグ ランブレクト氏が登壇。製品の特徴について、次のように語った。「ワインはコルクを抜いたら酸化が始まるため、一度開けたら最後まで飲み切らなければならなかった。でもコラヴァンを使えば、いろんなワインを少しずつ楽しめるようになる」

マサチューセッツ工科大学出身で、かつては生物工学に携わっていたというグレッグ ランブレクト氏

 ランブレクト氏自身もともとワイン愛好家で、週末には夫婦でワインを楽しんでいたという。しかしワインは一度開けると飲み切らなければならず、いろいろな種類を楽しむことができない。また妻が妊娠してワインを飲まなくなったため、「問題が深刻になった」として、製品の開発を手掛けるに至ったという。

 「開発には8年を要した」というランブレクト氏。さらに各地で開けたてのボトルと、コラヴァンでワインを注いだボトルのブラインドテイスティングを積み重ねた結果、2013年にオリジナルが発売された。製品はすでに50カ国で販売、有名レストランやワイナリーなどでも採用されており、「今まではボトルでしか提供できなかった高価なワインもグラスで提供できるようになった」という。

 なお、グローバルで展開する製品で使用しているガスは、アルゴンガスだが、日本では法律上使用できないため窒素ガスを採用。効果は変わらないが、窒素ガスは空気より軽いためニードルをすぐに外す必要があるほか、1本のコラヴァン カプセルで入れられるグラス数は、アルゴンガスはグラス15杯なのに対し、窒素ガスは12杯分だという。

窒素ガス99%の「コラヴァンカプセル」(左)は2本セットで3,000円、「コラヴァン ワインシステム ニードル」(中央)は、「ファスター」「スタンダード」「ヴィンテージ」の3本入りで16,000円(税抜)

 発表会では、フードスタイリストのマロン氏とトップソムリエの森上久生氏を交えたトークセッションを展開。マロン氏から、コラヴァンの思い出について尋ねられたランブレクト氏は、「祖父からもらった1961年のボルドーを3大陸の友人13人と楽しんだ」というと、森上氏は「1961年のワインはコルクがもろいので、私たちも開けるのに10分以上かかる。コラヴァンの別の用途を教えてもらった」と話していた。

 そしてランブレクト氏は日本上陸に期し、次のように語った。

 「私が26年前に日本に来たとき、日本でワインはほとんど飲まれていなかったが、今ではトップクラスのワインが飲めるほどに変化した。そして今、このコラヴァンを使うことで、さらに豊かな楽しみ方が広がるだろう。今後のリアクションに期待している」

左から、ランブレクト氏、マロン氏、森上氏