タニタ、わずかな身体活動も検知する計測器「カロリズム」
~独自のアルゴリズムで1日の消費エネルギーを表示
体の動きから消費エネルギーを計測する、ポケットサイズの小型計測器具。消費エネルギーを計測する機器としては歩数計があるが、同社によれば、計測できる消費エネルギー量は歩行動作時のみで、1日の総消費エネルギーのわずか十数%にしか過ぎないという。
カロリズムは、一般的な歩数計に搭載されている3D加速度センサーに、タニタ独自の解析アルゴリズムを搭載した点が特徴。上半身に取り付けることで、家事やデスクワークなどわずかな身体活動の消費エネルギーが計測でき、洗濯物を干すといった上半身のみの活動における消費エネルギー量も測定できるという。このため、1日の総消費エネルギー量がより正確に計測、表示できるようになった。
谷田千里 代表取締役社長によれば「活動エネルギー量を計測し、1日の総消費エネルギー量を計測し表示する機器は、医療機関や保健施設などで使われる業務用機器は存在するものの、一般向けに手軽かつ簡単に使える製品は今回が初」だという。
活動量計「カロリズム」AM-120 | カラーは、ブラックとパールホワイトの2色が用意される | 本体は小型で薄型。歩数計にそっくりのデザイン |
1日のうちには、歩く以外にも様々な活動でエネルギーが消費されているため、歩数計では正確にはわからない | タニタ 代表取締役社長 谷田千里氏 |
●歩数計のように小型だが、大規模な測定器とほぼ同じ数値を算出
1日の総消費エネルギー量を正確に計測するには「ヒューマンカロリーメーター」という大がかりな装置が必要だった |
タニタはこのヒューマンカロリーメーターを利用し、被験者に3D加速度センサーを付けた状態で、24時間の消費エネルギー量の変化と、被験者の体の動きの変化を同時に計測し、消費エネルギー量と体の動きの変化の相関関係を発見。この双方のデータに加え、タニタの体組成に関するデータを組み合わせることで、独自のアルゴリズムを開発したという。
カロリズムで計測できる総消費エネルギー量の正確性については、ヘルスケア事業部 商品企画室の加藤純氏によれば「ヒューマンカロリーメーターで計測した値と、我々独自のアルゴリズムを利用して計測した値を比較すると、相関係数(2つのデータの類似性を示す数字。1に近づくほど相関があるとされる)は0.907という、非常に高い相関関係にある」という。
被験者に3D加速度センサーを付けて消費エネルギー量を計測したところ、消費エネルギーと活動量の変化に相関関係を発見 | ヒューマンカロリーメーターと独自のアルゴリズムで計測した消費エネルギー量の間には、0.907という非常に高い相関係数があるという | タニタ ヘルスケア事業部 商品企画室の加藤純氏 |
● エクササイズ値をグラフで表示
液晶画面は左右に2分割されており、左がグラフ、右が数字での表示になる |
本体サイズは30×13×88mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約32g。カラーはブラックとパールホワイトの2色が用意される。電池寿命は、1日約16時間の使用で約9カ月間。メモリー機能は最大7日間。1週間ごとのエクササイズ値とグラフは12週間保存できる。
使用する際は、一般的な歩数計のように腰に取り付けて利用するのではなく、衣服の胸ポケットに入れたり、クリップで上着に取り付けるのが基本となる。
同社では、歩くよりもより細やかな身体活動で活動量が計測できることから、本製品を歩数計ではなく“活動量計”と呼んでいる。
なお、今回発表されたカロリズムは機器単体で利用するものだが、加藤氏は「将来は通信機能を搭載し、パソコンでのデータ管理や、タニタが提供している健康管理サービス『からだカルテ』との連動も行ないたい」としており、今後は製品のバリエーションも増えていくものと思われる。
写真は1日の消費エネルギーを1時間単位で表示しているグラフの図解。中央のラインが、安静時の代謝量の2倍の活動量を表わす | 画面の表示切替イメージ図 | 腰に取り付けるのではなく、衣服の胸ポケットに入れたり、クリップで上着に取り付けるのが基本となる |
(平澤 寿康)
2009年4月1日 00:00
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