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第37回:歩数計とは



 「歩数計」とは、その名のとおり歩数を計測する機器で、歩数をもとに日常的な運動を知り、健康に役立てるために使用します。現在では歩数に加え、消費カロリーや脂肪燃焼量、運動の活動量の目安となる「エクササイズ」値を算出、表示する機能を持ったタイプが多くなっています。

 歩数計は「万歩計」と呼ばれることもありますが、万歩計という名称は山佐時計計器の登録商標のため、一般の呼称としては「歩数計」が使われます。

 歩数計は、歩行時における体の上下方向の振動を検知することによって、歩数を計測しています。検知方式は“振り子式”、“加速度センサー式”の2種類に大きく分かれますが、このうち最もオーソドックスなのは、バネと振り子を利用する“振り子式”です。


振り子の動きで歩数を計測。オーソドックスな“振り子式”

 振り子式の歩数計では、本体内部に振り子を取り付けたバネが固定されており、歩くとともに、その体の上下振動に応じてバネが伸縮、そのバネに取り付けられている振り子も大きく動きます。これは、静止している物質は、力を加えられない限りその場に留まろうとする「慣性の法則」によるものです。

 この振り子の動きで、歩数をカウントする歯車を動かしたり、センサーを反応させて歩数をカウントするようになっています。

 振り子式の歩数計は、比較的構造が単純ですので、特に安価な製品で広く採用されています。ただし、バネが水平方向を向いていると歩数をカウントできませんので、利用時には本体を正しい向きで体に装着する必要があります。ズボンのベルトにクリップで引っかけるなど、腰付近に垂直方向に取り付けて利用するのが基本となります。

 また、椅子に座っている状態から立ち上がった時や、電車バスなどの乗りものに乗っているときの振動など、歩行時以外の振動にも反応して歩数として計測してしまう場合があります。さらに、振動の強さによって反応の違いが発生する場合がありますので、静かに歩くと計測できなかったり、走ると歩数を多めに計測してしまう場合もあります。つまり、この方式には誤差がやや大きいという欠点があるのです。


振り子式のシチズン「TW200」。実売価格は900円前後と購入しやすい価格も振り子式の特徴 「TW200」のボディを開けたところ。写真の矢印の部分が“振り子”。歩くたびに揺れて、歩数をカウントする

本体を振ると“カタカタ”と音が鳴るのが振り子式の特徴。電車の揺れなどでも歩数がカウントされてしまうケースもある

より正確に、バッグに入れても測れる“加速度センサー式”

 そこで、振り子式の欠点を解消するために登場したのが“加速度センサー式”の歩数計です。

 加速度センサーとは、一定時間あたりの速度の変化を計測するセンサーです。人間は歩行時に体を上下に振動しますが、この上下運動の速度も変化しており、加速度センサーはこの速度変化をもとに歩数を計測します。

 また、この計測データと、あらかじめ用意しておいた歩行時の上下方向の速度変化のパターンと照らし合わせることで、振動が歩行によるものかそうではないかを判断し、歩数としてみなされた振動のみをカウントします。そのため、電車やバスなどの乗り物に乗っているときの振動は、歩数としてカウントされることはぼありません。振り子式に比べ、非常に正確に歩数を計測できます。

 加速度センサーには、腰以外の場所に取り付けたり、バッグの中に入れておいても、正確に歩数を計測できるというメリットがあります。取り付ける場所に気を遣わないですむのは嬉しい利点と言えます。


こちらはセイコーの加速度センサー式「健歩生活 WZ130R」 加速度センサー式は、バッグに入れたりポケットに入れたりと、設置場所の自由度が高いのも利点のひとつ(写真はバンダイの歩数計「遊歩計 母をたずねて三千里 ~お母さんに会うまで僕は絶対にあきらめない!!~」)

加速度センサー式は、振り子式のようにカチャカチャとした音がならない。また、歩行以外の振動をカウントしにくい仕様となっている

現在は、どのような向きでも計測できる「3D加速度センサー」が主流

現在は、向きを問わず計測できる3D加速度センサー式が主流。(写真はシチズン「peb TW700」)
 現在市販されている歩数計で主流となっているのが、「3D加速度センサー」を利用する製品です。前後・左右・上下と3方向の加速度を一度に計測できるため、歩数計をどのような向きで持ち歩いても正確に歩数が計測できます。

 注意したいのが、加速度センサーを搭載している場合でも、それが1次元、2次元の加速度センサーの場合は、加速度を計測できる方向が限られてしまいます。この場合は“振り子式”同様に本体の向きを正しく取り付けなければなりません。製品のパッケージには、搭載されている加速度センサーの種類が必ず記載されてますので、購入時には必ず確認するようにしましょう。

 最近では、パソコンと連携し測定データを管理できるタイプや、携帯電話にも歩数計機能が搭載される例が増えています。


「peb TW700」は、USBでパソコンと連携し、測定データを管理できるのが特徴 歩数計機能付きの携帯電話にも3Dセンサーが搭載されている(写真は富士通「F906i」)



【歩数計】の、ここだけは押さえたいポイント

・歩数計には、“振り子式”と“加速度センサー式”の2種類が存在する
・振り子式は安いが精度が悪い。歩行以外の振動でも歩数をカウントすることがある
・加速度センサー式は、より正確に歩数を計測できる
・加速度センサー式は、バッグに入れても計測可能

2009年2月20日 初版





URL
  現代家電の基礎用語 バックナンバー
  http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/word_backnumber/

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2009/02/20 00:02
平澤 寿康
1968年、香川県生まれ。1990年代前半にバイト感覚で始めたDOS/V雑誌のレビュー記事執筆を機にフリーのライターとなる。雑誌やWeb媒体を中心に、主にPC関連ハードのレビューや使いこなし、ゲーム関係の取材記事などを執筆。基本的にハード好きなので、家電もハード面から攻めているが、取材のたびに新しい製品が欲しくなるのが悩ましいところ。

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