カデーニャ

欧州最大の家電見本市「IFA」で見つけたハードウェアスタートアップの面白い製品

 世界最大の家電見本市は、毎年1月にラスベガスで開催されるCESですが、欧州最大の家電見本市といえば、毎年9月にドイツのベルリンで開催されるIFAでしょう。世界各国から1,500社近い企業が出展し、ドイツ国内外を含む20万人以上が来場するという、大規模な家電見本市です。

 IFA Berlin, 31 August – 5 September 2018 – Homepage

 IFAではCESと比べて、白物家電が多く展示されている点が特徴です。私はCerevoのブース担当として2017年もIFAに参加しており、会場の中で見つけたスタートアップの面白い製品を3つ紹介したいと思います。

白物家電の展示が多いIFAの会場

 昨年までは、ハードウェアスタートアップ系の製品は主に「Tech Watch」という名称で、IFA展示会場に立っている電波塔のそばで展示されていましたが、今年は、去年まで主に中国のODMメーカーなどが出展していた場所に「IFA NEXT」という名称で、他のIoT関連サービスと共に展示されていました。

ハードウェア・スタートアップの製品が展示されていた「IFA NEXT」

 このスタートアップが集まったブースの中で私がが気に入ったのはイギリスのハードウェアスタートアップ「Board Conductive」社の「Touch Board」という製品。専用のインクで回路を文字通り「描いた」鍵盤や図をタッチしたりすると音が再生されるといった仕掛けを簡単に作ることができます。子供向けはもちろんのこと、趣味で自分でいろいろな回路を手軽につくったりしてみるのにも良さそう。こちらの製品はすでに日本のスイッチサイエンスでも販売されています。

Board Conductive社の「Touch Board」

 続いてはフランスのスタートアップ「Kineti」社の「La Table」という製品。タッチパネルの大型ディスプレイがついたコーヒーテーブルです。

Kineti社の「La Table」

 これだけなら、それほど目新しいところはないのですが、本体を傾けると普通のテレビのように動画を視聴して楽しむことができます。ちょっとしたデザインによる工夫ですが、こうしたお洒落さがフランス発の製品らしいですね。

本体を傾けるだけで動画を視聴できる

 最後に紹介するのは今回見た中で一番気に入った「AURAI」という台湾発の製品。

AURAI

 一見するとVRヘッドセットのように見えますが、実はこれ、PCやスマホで疲れた現代人の目を癒やすための目のマッサージ機なのです。装着すると、振動して目の周りを刺激してくれるだけでなく、手元のボトルにある水がヘッドセット内を循環するようになっており、温水あるいは冷水で目のまわりを冷やしたり、温めたりしてくれるのです。

AURAIを体験中

 目のまわりがヒヤッと冷水により冷やされるのも気持ちいいですし、温水で暖められながらマッサージをしてもらうのもとてもくつろげます。疲れ目を少しでも癒やしたいという人には手放せないアイテムになるのではないでしょうか。目の周りを温めるだけの製品は他にも探せばあるような気がしますが、水冷式で、目の周りをヒンヤリと冷やしてもくれる製品はリラックス効果を倍増してくれました。

 他にも数々の面白い製品が展示されていましたが、CESで展示されていた製品もあれば、このIFAで出てきた新製品や、IFAでないと展示されない製品もあり、そうした共通点や違いを見つけるのも毎年楽しみなイベントです。

この記事は、2017年10月13日に「カデーニャ」で公開され、家電Watchへ移管されたものです。

美谷 広海