イベントレポート
CEATEC 2014
卓球型ロボットやアンドロイドなど次世代の技術
(2014/10/7 14:33)
最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2014」が、千葉県千葉市の幕張メッセで、10月7日から開幕した。
開幕前の10月6日には、報道関係者を対象に展示ブースの様子が公開された。
台風18号の影響もあり、午前8時の時点で、会場公開を一度中止すると発表したが、午後になって関東地方を台風が通過。急きょ、公開を決定した。
CEATEC JAPAN 2014は、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会、一般社団法人電子情報技術産業協会、一般社団法人コンピュータソフトウェア協会の3団体で構成する、CEATEC JAPAN実施協議会が開催。10月7日~11日までの5日間、「NEXT -夢を生みだし、未来を描け」をテーマに開催される。
世界最先端の技術、製品、サービスが一堂に会し、国内外の業界関係者をはじめとして幅広いユーザーに情報を提供するイベントと位置づけている。
今年は、国内外から547社が出展。そのうち、海外からは、24の国と地域から150社が出展しているという。主要各社のブースをみると、家電領域においては、例年以上にスマートホームへの取り組みが加速していたのが印象的だ。
オムロン、ラリー継続卓球ロボットで技術力の高さをアピール
会場の中でも、ユニークなのはオムロンだ。同社では、ラリー継続卓球ロボットを展示。ロボットがボールを的確に打ち返す様子をデモンストレーションした。
これは、人とロボットがラリーを長く続けることができるように、人が打ち返しやすい場所にロボットが返球するもので、人の位置とラケットの位置、打球の三次元位置と、速度計測、球の軌道を予測する意味センシング技術、ロボット側の軌道計算、リアルタイムロボット制御を行なう思考型コントロールを組み合わせることで実現する。同社のセンシング技術と思考技術の高さを表現するものといえる。
シャープ、「ともだち家電」でコミュニケーションのある豊かな暮らしを提案
家電関連で展示に力が入っていたのが、シャープだ。
ブース展示のテーマを「Discover Good Life」とし、家全体の電力をマネジメントするシステムや、ディスプレイを応用した新しい体験など、先端技術で暮らしに新しいスタイルを提案。
「スマート・スイートホーム」ゾーンでは、ソーラー、蓄電池、HEMSなどのエネルギーソリューションに加え、ココロエンジンを搭載した「ともだち家電」により、自然エネルギーを最大限に活かした、コミュニケーションのある豊かな暮らしを提案している。ステージでは、ココロエンジンを使用してコミュニケーションを行なう小型のコミュニケーションロボットを参考展示しているのも特徴だ。
そのほか、8K高精細ディスプレイを参考出展。フレームレスデザインを採用したスマートフォンや、タブレットの様々な活用シーンを紹介している。
Technicsのリスニングルームを用意
パナソニックブースでは、「A Better Life, A Better World」をテーマに、「4K WORLD」を中心に展示。先頃発表したオーディオ専用ブランド「Technics」の製品は、リスニングルームを用意して、リアリティのある高品位な音表現を行なうデモストレーションを行なった。
手話ができる人間型ロボット
東芝では、同社が打ち出す「lifenology」をキーワードとして家電製品を展示。スマートハウスを実現する数々のホームソリューションを訴求した。ECHONET Liteを通じて、外出先からコントロールしたり、部屋の状況を知らせるエアコンサービスや、スマートメーター連携システム、太陽光発電HEMS連携システム、FEMINITY対応のエコキュートプレミアムモデルなどを展示する。また、一方では「新しいモノ。新しいこと」の提案として、ドラム式洗濯機や冷蔵庫、ロボット掃除機などの最新製品を展示した。
そのほか同社では、手話ができる純人間型アンドロイドの「地平アイこ」を参考出展。期間中、注目を集めそうな展示だ。
14製品とつながるHEMSで快適性を追った
三菱電機では、スマートハウスソリューション「ENEDIA」を提案。EV用パワーコンディショナーを展示して、V2Hのデモストレーションや、業界最多となる14製品とつながる三菱HEMSにより、柔軟性とともに、快適性と省エネを実現できることを訴求した。
NECは、住宅やオフィスビルなど街に分散配置されている蓄電池をインターネット経由で個別に制御し、コミュニティーの電力需給にあわせてリアルタイムに充放電制御を行なう世界初の技術を公開する。
富士通はMyCloudを通じて、クラウドを通じた快適な家庭空間をデモンストレーションする予定で、エアコンや冷蔵庫がクラウドにつながって利便性を高められることを訴求する。
パイオニア、メイク用照明などこれまでにない取り組み
パイオニアでは、メイク用有機EL照明を使って、実際のモデルにメイクをするというデモを行ない、メイクに適した照明であることを訴えた。そのほか、シースループロジェクションウインドウシステムもデモンストレーションしていた。これまでのパイオニアには見られない新たな取り組みといえそうだ。
一方、主催者展示としては、特別企画展示「NEXTイノベーションプラザ」において、家とエネルギーと家電をつなぎ制御するHEMSやV2H(Vehicle to Home)、家庭用蓄電システム、スマート家電、スマートシティを支えるエネルギーマネジメントなどを紹介することになるという。