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CEATEC JAPAN2013

シャープ、「ともだち家電」をデモンストレーション

~ヘルシオが旬の素材や調理法を提案

 映像・情報・通信機器の総合展示会「CEATEC JAPAN(シーテックジャパン) 2013」が、千葉県千葉市の幕張メッセで開幕する。開催日程は10月1日~10月5日の5日間。一般公開日は10月2日~4日で、入場料は1,000円だが、事前登録を行なうことで無料となる。最終日の土曜日は無料。

 家電Watchでは、生活家電品を中心にレポートをお届けする。

「ともだち家電」をテーマとした家電の連携提案

CEATEC 2013のシャープブース

 シャープは、2013年10月1日から、千葉県千葉市の幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2013」の同社ブース展示内容を、報道関係者に事前公開した。

 「SHARP.Life is our Focus~Technology to Customers~」をテーマに、人工知能「ココロエンジン」を搭載した家電商品群、ロボティクス技術搭載商品、スマートフォンやタブレットによるIGZO Worldなどの展示が目玉となっており、とくにスマートホーム関連では、「ともだち家電」をテーマに家電の連携提案を行なう。

 スマート・スイートホームゾーンでは、太陽光発電システムや蓄電池、HEMSなどのスマートハウスに加えて、ロボット家電COCOROBOをはじめとするココロエンジンを搭載した商品が連携し、人と家電の新たな関係を展示する。

 シャープでは、新規事業領域への取り組みのひとつとして、「スマートホーム/モビリティ/オフィス」に取り組んでおり、スマート・スイートホームゾーンでは、その成果を披露するものとなる。

シャープ 代表取締役副社長執行役員の水嶋繁光氏

 シャープ 代表取締役副社長執行役員の水嶋繁光氏は、「シャープは、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)ではなく、HMS(ホームマネジメントシステム)を追求する。これは、エネルギー管理に加えて、見守り、便利快適、見守り・コミュニケーション、健康、エンターテイメントといった要素を加えるものであり、機器同士が連携したり、クラウドとの連携によって人の生活をより便利に、快適にするスマートホームを実現する。家電は、一方的に人に使われる道具ではなく、人をアシストし、頼れる存在になる。キーワードは、『人と家電がフレンドリーな関係へ』、『家電が人にココロつくす』である。家電が家族に寄り添い、家族と暮らす存在になることを目指すことで、『ともだち家電』に変革させる」と説明した。

スマートホーム事業の概要
スマートホームの考え方
スマート スイートホームのコーナー
キーワードは「ともだち家電」

COCOROBOが家族につぶやく「ココロボ~ド」アプリ

 同社では9月30日に、人と家電をつなぐコミュニケーションサービスとしてスマートフォンアプリの「ココロボ~ド」を発表。シャープブースでは、同アプリを展示する。ココロボ~ドでは、スマートフォンやAQUOSを通じて、テキスト、音声、画像などを共有したり、COCOROBOが擬人化して家族につぶやいたり、スマートフォンでCOCOROBOや家電をコントロールするといったことが可能になる。「ココロボ~ドは、対応する家電製品を順次拡大していくことになる」という。

ココロボ~ドのデモストレーションも行なう
プロトタイプの家電製品を使ってデモストレーションを行った
リビングから離れたところにある洗濯機の様子はテレビが伝えることも
電子レンジがクラウドとつながり旬の食材の調理を提案
朝、冷蔵庫を開けるとその日の予定などを音声で伝える
洗濯が終わったことを知らせる洗濯機

 また、SHARP Challengeゾーンでは、シャープが新規事業として掲げている6つの領域のうち、「ロボティクス」、「ヘルスケア・医療」を展示。ロボティクス領域では、最先端の液晶工場で培った技術を生かし、自動で床掃除を行う業務用・店頭用ウェット清掃ロボットや業務用ドライ清掃ロボット、メガソーラー清掃ロボットなどを実演する。

 医療分野では、ヘルスケアサポートチェアを参考展示。同チェアは、バイタルセンサーを搭載しており、座るだけで、体温、脈拍、体重、血圧などを自動的に計測するもの。将来の遠隔医療への活用も期待している」と述べた。

 そのほか、昨年10月に発売したたんぱく質分析装置や、9月に発表した微生物センサーも展示する。

ヘルスケアサポートチェア
業務用・店舗用ウェット清掃ロボット
業務用ドライ清掃ロボット
メガソーラー清掃ロボット
たんぱく質分析装置
微生物センサー

「IGZO」や「AQUOS」などのテレビ、液晶ディスプレイも展示

 IGZO Worldゾーンでは、IGZO液晶ディスプレイを採用したスマートフォンやタブレットなどの製品群に加えて、ノートPCや液晶ディスプレスにも広がるIGZO技術を訴求。IGZOの新たな用途提案となるクアルコムとの共同開発である次世代MEMSディスプレイの展示も行う。

 IGZO技術は、電子移動度の高さや、高いOFF性能により電荷が漏れないこと、生産性の高さなどを特徴に持ち、高精細化やタッチパネルの高性能化、超低消費電力などに効果を発揮している。

 CEATECでは、新たに超狭額縁によるフレームレスディスプレイを展示。46v型フレームレスIGZOコンセプトモデルと、8.8v型+4.9v型フレームレスIGZOコンセプトモデルを参考展示するという。

 「機能、性能だけでなく、製品のデザインを革新するという点で意味があるもの」と位置づけた。

 また、ノートPC向けの4K2K IGZOも展示する。

ミラーディスプレイの展示
ミラーディスプレイをサイネージとして利用するデモストレーション
46v型フレームレスIGZOディスプレイコンセプトモデル
IGZOディスプレイを搭載した富士通のLIFEBOOK UH90L
画面サイズ7型、画素数1280×800ドットのMEMSディスプレイ

 一方、液晶テレビ「AQUOS」では、「4Kワールドの広がりを見せる」(シャープ・水嶋副社長)とし、今年6月に発売したAQUOS UD1シリーズのほか、4K2K解像度チャートによる輝度信号解像度評価によって4K相当の表示性能を実現する最高画質フルHDテレビ「AQUOS クアトロン プロ」を参考展示。4原色画素構成と超解像分割駆動技術により、水平解像度2倍、垂直解像度2倍の高画質を実現できるという。

 「AQUOSの展示に力を注いだのは、今後もテレビは発展していくということを示すという意味もある」とした。

 また、ミラーディスプレイを参考展示。「テレビを見ていない時は黒い板となってしまうのがいまのテレビ。ON時には高輝度ディスプレイ、OFF時には鏡として利用できる。従来のハーフミラー方式では、映像の明るさの50%が犠牲となるが、今回の技術は約100%の光利用効率となり、映像の明るさを犠牲にしないミラーディスプレイとして、リビングや店舗などに展開したい」とした。

 そのほか同社では、9月30日に発表したWindows 8.1搭載の10.1型タブレットコンピュータ「Mebius Pad」も参考展示する。

AQUOS クアトロンプロ「「
10.1型タブレットコンピュータ「Mebius Pad」

大河原 克行