年末特別企画

今年は電気調理鍋が大豊作! 何台も使い倒した一年【私の2021】

もはやコレクション状態のわが家の電気調理鍋たち。これを眺めながら「今日はどれで何を作ろうかな」と考える時間も楽しい

筆者は、ほったらかしで料理が作れる電気調理鍋が大好きだ。初めて使ったのは5年ほど前、切った食材と調味料を入れただけなのに手の込んだような料理が作れることに心底感動した。

カレーやラタトゥイユ、筑前煮など普段作っていた定番から、豚の角煮、スペアリブ、サンマの甘露煮など、手間と時間がかかるため敬遠していた料理まで、とにかく簡単。以来、新製品が出ると聞けば、率先して発表会に駆けつけ、購入したりメーカーからサンプルを取り寄せたりして試している。

そんな電気調理鍋が、2020年から2021年にかけて大豊作だった。従来モデルが大きくリニューアルしたものがあれば、新規参入したものなど、まさに百花繚乱! いずれも基本機能は優秀なうえ、メーカーが独自色を打ち出してきており、もはやどれをおすすめしたらいいかわからないほどだ。

そんなわけで今回は、2021年に筆者が楽しんだ電気調理鍋をいくつか紹介したい。

ポテトサラダもほったらかしで作れる「ホットクック」

まず1つめに紹介するのが、シャープの「ヘルシオ ホットクック KN-HW16G」。「ほったらかし調理」のパイオニアにして今も不動の人気を誇り、わが家でも数年前から、レギュラーとして活躍している。

3人家族のわが家で愛用しているのは、2~4人用の「KN-HW16G」。本モデルから少しコンパクトになったこともあり、キャビネットにすっぽり収まるようになった

ホットクックの特徴は、調理中にかき混ぜ調理ができる「まぜ技ユニット」と400種類を超えるバリエーション豊富な自動メニュー。さらにホットクックはファンが多いため、自動メニューに搭載されていないメニューも、ネットで探せば、だいたい誰かが考案したレシピが出てくる魅力もある。

このホットクックが今年、さらに進化を遂げた。「まぜ技ユニット」の回転スピードが速くなったことで、パワフルなかきまぜが可能となり、じゃがいもの「ゆで」から「つぶし」までできるようになったのだ。つまりポテトサラダも、コロッケの具もほったらかしでできちゃうということ。今まででも十分だったのに、そこまでやってくれるなんて、ホットクックよありがとう! と言いたい。

ヘルシーメニューを多数搭載。アイリスオーヤマの電気圧力鍋

アイリスオーヤマの電気圧力鍋は、2019年の発売以来売り上げを伸ばし、すでに販売台数50万台を突破した人気の商品。電気圧力鍋としての実力はもちろん、おしゃれなデザイン、卓上鍋としても使える汎用性など、さまざまな魅力がある。

従来のブラックに加え、見た目がかわいいグリーンやグレーもラインナップ。並べておくだけでもかわいい

今年発売された「電気圧力鍋 ヘルシープラス KPC-MA3」は、その名の通り、ヘルシーメニューが充実。全108種類のメニューのうち、「低糖質」「塩分控えめ」「高たんぱく質」「食物繊維」「低カロリー」「発酵」「糖質カット」などのヘルシーメニューを52種類搭載しており、これが筆者的にグイッと刺さった。

というのも世間的にも、コロナ禍で体重が増えてしまったとか、健康の重要性を痛感した、などの理由から、健康的な食事を意識し始めた人も多いようだが、筆者は筆者で数年前から止まらない中年太りに悩まされ、電気調理鍋で簡単に食事管理できないものかと探っていたところだったのだ。

その点、本製品なら、低糖質高タンパクの代表格のサラダチキン、食物繊維が豊富な黒豆の煮物、低カロリーのスープ、さらには糖質カットご飯も炊ける。カロリーからレシピを選べるのもユニークだ。そんなわけで健康を意識した料理を作りたいときは、アイリスオーヤマのレシピ集をペラペラめくってメニューを選んでいる。

圧力調理で完成したおでんをそのまま卓上に持っていけば、熱々のまま食べられる。おでんは意外と低糖質と聞いたので、寒い日によく作る

ご飯のおいしさにもこだわった小泉の新モデル

いまや調理家電の定番となりつつある電気圧力鍋だが、5年ほど前のまだ珍しかった時代からラインナップしていたのが、小泉成器の電気圧力鍋。今年11月には大きく進化した新モデル「マイコン電気圧力鍋 KSC-3502」を発売した。

新モデルを初めて見たときの感想は、とにかくカッコいい! そして、わが家で使用している今も変わらず、やはりカッコいい。さらに、使いやすさにこだわって改良されたこともあって、モード選択からお手入れまで、実にスムーズでストレスがないのだ。

デザインを大きく一新し、スタイリッシュになった小泉成器の電気圧力鍋「KSC-3502」

調理メニューのなかでも特にこだわったのが、炊飯モードだという。そういわれてみれば確かに、電気圧力鍋で炊いたご飯は炊飯器には敵わず、あくまで「炊けるよ」というレベルなんだと思った記憶がある。その原因は、炊飯に適していない圧力をかけているからだそうで、小泉は炊飯モードと調理モードの圧力を分けたという。

実際に、一般的な電気圧力鍋で炊いたご飯と食べ比べてみたが、全然違う。確かに小泉のほうがハリがあり、粒感とツヤをしっかり感じられるおいしい炊き上がりだった。なるほどこれなら、炊飯器の代わりに使っても遜色なく、新生活のプレゼントにも喜ばれそうだ。

ほかにも従来モデルを含め複数台使っているが、ほとんど失敗することなく、忙しい毎日でもおいしい手料理を楽しんでいる。唯一の心配は、調理家電の味で育った息子が将来、何をおふくろの味として思い出してくれるかどうか。だが、今はおいしい料理をお腹いっぱい食べさせるのが私のミッションなので、ありがたく活用している。

さて来年は、どんなラインナップが追加されるか、今から楽しみだ。

田中 真紀子

家電を生活者目線で分析、執筆やメディア出演を行なう白物・美容家電ライター。日常生活でも常に最新家電を使用し、そのレビューを発信している。専門家として取材やメーカーのコンサルタントに応じることも多数。夫、息子(中学生)、犬(チワプ―)の3人と1匹暮らし。