やじうまミニレビュー
塗る両面テープのような接着剤「セメダインBBX」
by 藤山 哲人(2014/1/22 07:00)
今回紹介するのは、ポリプロピレンやポリエチレンも接着できる「セメダインBBX」。その特徴は、貼ってはがせること、そして従来の接着剤では難しかったペット樹脂やポリエチレンもくっつけられることだ。さっそく使ってみよう。
メーカー | セメダイン |
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製品名 | セメダインBBX |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 475円 |
再剥離できるのでフィギュアを飾ったりシールも作れる
接着剤とは、2つの素材をしっかり接着して、がっちり固定するもの。しかしセメダインBBXは、両面テープのような粘着性で2つの素材をくっつけるので、再び剥離し分離できる。つまり素材を仮止めして調子を見たり、紙などに薄く塗ってオリジナルのシールが作れるというわけだ。
使い方は、一般的な接着剤と同じ。まず接着面に接着剤をまんべんなく塗り、夏なら10分ほど、冬なら20分ほど生乾きにしてから、2つの素材をギュッ! と張り合わせる。
接着後は完全に固まらず、わずかだか接着した素材が動かせる。ちょうど両面テープで素材をつっくけた感じだ。ただ両面テープと違い、接着剤を盛れるので曲面や球に対しても接着できるというメリットがある。また完全に固まらないという点を活かして、皮や布の接着に使うと、素材の柔らかさを活かせるようになる。
接着の強さを示す「はくり接着強さ」と呼ばれる値は、接着直後がガムテープ並みで、1カ月経過すると冬以外は強力な両面テープ並み、冬場はガムテープ程度となるそうだ。
たとえばガチャポンのフィギュアなどは、なかなか自立しない。しかしセメダインBBXを使えば、100円ショップのフィギュアケースの中に立たせたり、液晶ディスプレイの上に置いたりといったことも可能だ。
しかも飽きたらゆっくりフィギュアを引っ張れば剥離して分離できる。また紙やラミネート加工したものに、薄くセメダインBBXを塗れば、オリジナルのシールも作れる。もちろんこちらも、再剥離可能だ。
さらに応用すれば、ぐらぐらになってしまった電子機器などのコネクタを応急処置するのにも便利だ。
なお紫外線の当たる場所や水中では効果を発揮できないので、屋外用途には使わない方がいいだろう。
ペットボトルや100円ショップのプラスチック類もOK
もう1つ、セメダインBBXの特徴は、従来の接着剤ではくっつけ難いポリエチレン、ポリプロピレン同士、もしくはこれらの樹脂と金属や木材などをくっつけられることだ。
普段の生活で一番身近なプラスチックと言えば、飲み物の入ったペットボトルだ。正式名称はポリエチレンテレフタラートという難しい名前だが、三角のリサイクルマークなどでPET(ペット)と表示されているのを知っているだろう。
このPET樹脂、実は従来の接着剤ではくっつけ難い。100円ショップで買えるプラスチック製品の多くも同様だ。これらのプラスチックの正体は、ポリエチレン(PE)樹脂とポリプロピレン(PP)樹脂だ。
ポリエチレン樹脂は、非常に安定したプラスチック樹脂で薬や油にも強いので、灯油缶やタッパーウェア(フタじゃなく本体)、硬いものだとプラスチック製の湯たんぽやまな板などに使われている。一方ポリプロピレン樹脂は、薬品などに強く耐熱性や強度があるので、100円ショップで売っているケース類や洗濯ばさみ、熱を出すホットプレートなどの筐体やお皿、機械部品でよく使われる。
接着剤選びは工作が趣味の人でも難しく、素材との組み合わせや仕上がりで色々と使い分ける必要がある。ここ数年、工作好きの間で「とりあえずコレ使っておけ! 」という接着剤として「セメダインSUPER X」が登場したが、「セメダインBBX」はSUPER Xでも太刀打ちできないポリプロピレンやポリエチレンも接着できるのがメリットだ。
とりあえず1本常備しておきたい接着剤
工作や修理、フィギュアなどの装飾の固定やオリジナルのシールまで、さまざまな用途に使えるのがセメダインBBX。瞬間接着剤でくっつかないものがあれば、とりあえずコイツで接着すればなんとかなる。
工作好きならマストアイテム、そうでなくても家庭に1本持っておきたい接着剤だ。