やじうまミニレビュー

コニシ「裁ほう上手」

~針や糸がなくてもカバンが作れる強力布用接着剤

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
コニシ「裁ほう上手」

 子供用にちょっとしたカバンを作りたくても、ミシンがないからとあきらめてしまう親御さんは多い。裁縫には、ある程度の慣れとスキルが必要だ。

 コニシが発売した「裁ほう上手」は、ミシンや裁ほうスキルがなくてもかばんを作ったり、ズボンの裾上げなどができる接着剤だ。ボンドだけでカバンというのは、強度の面で不安だが、実際はどうなのだろうか。実際にカバンを作ってみることにした。

メーカーコニシ
製品名裁ほう上手
購入場所Amazon.co.jp
購入価格970円

分厚い帆布でカバンを作る。洗ってもビクともしない

 「裁ほう上手」は、チューブ入りの透明ジェル状の接着剤だ。正味量は45gで、ヘラが付属している。綿、ナイロン、塩化ビニール、アクリルなど、色々な布に対応している。乾くと接着度が増し、洗濯にも対応する。

 使い方は、直接布に塗布し、付属のヘラでのばして使う。ノズルは細口で使いやすい。裁ほう上手を塗った生地同士を貼り合わせて、大きめのあて布をして、アイロンの中温140~160℃で約15秒から20秒圧着する。

ヘラとセット
先は細長く、接着剤を直接布に塗りやすい
用意したもの。ミシン、針、糸は必要なし

 娘がバッグを欲しいというので作ることにした。最近、娘はカードゲームにはまり、大量のカードを持って出かけるようになった。いくつかのデッキカードの束を持ち歩くので、取り出しやすく、頑丈でたくさん入るカバンが欲しいらしい。

 そこで、幼少時からガンダムが好きな娘のために、ガンダムUC(ユニコーン)のワッペン2種類と、娘が選んだザク色の厚めの帆布を使って、カバンとおそろいのiPhoneケースを作ることにした。

 先に布地を切ってから「裁ほう上手」で貼り付ける。ミシンで縫う場合ならば、裏にした状態で縫い合わせ、あとでひっくり返すが、それとは全く違うやり方だ。最初は戸惑ってしまった。

ボンドを塗る
ヘラで伸ばす
ヒモ、生地の両方にボンドを塗る。その方が強度が増す

 「裁ほう上手」で作る場合は、表にした状態できれいに貼り付けていかなければならない。きちんとアイロンで折り目をつけ、持ち手などの細かいパーツをつけ、その都度アイロンで抑える。

洋裁とは全く違うので、順番を考えてから作る必要がある
特に取っ手部分は念入りに接着する
アイロンでしっかり圧着
アイロンをかけたら次の部分に「裁ほう上手」を塗る
アイロンで圧着する。これを繰り返す
娘が欲しがったガンダムUCのワッペン
最後にワッペンをつけて完成!

 丁寧にボンドでつけてアイロンをかける作業を繰り返す作業は、ミシンで慣れている人にとっては、むしろ手間がかかる印象だが、想像力を働かせ、工作感覚で作るのは楽しい。

 気をつけたいのは、濃い無地の場合、ボンドがはみ出たり、別のところについてしまうとボンドの跡が目立つこと。指にボンドがついたまま作業をするとキレイにできないので、濡らしたタオルなどを準備して、手を拭きながら作ることをおすすめしたい。

ボンドがはみ出たり、目立つところに付かないように注意する
しっかり接着されている
スマートフォンケースも作った。こちらは取り外せるようにS字フックを使用
おそろいの生地で作ったカバンとスマートフォンケース。娘、大喜び!

 完成したカバンを見て、娘は大喜びだ。どこにも売っていない、世界で1つだけの、娘用のカバンは「お母さんが作ってくれた」ということも嬉しいようだ。カードなど娘の荷物を入れると合計重量は1kg超えとなり、ズシッと重くなるので、強度が不安だったが、1カ月ほど使い続けても接着部分ははがれることはなく、強度は申し分ない。

ついでに下の子用にもポシェットを作った
どこへ行くにも持ち歩いている。強度は申し分なく、洗っても大丈夫

 なお、子供用のカバンとポシェット、スマートフォンケースで裁ほう上手を1.5本使用した。たっぷり使うので、大きめの買い物バッグなどを作る際は、1本では足りないかもしれない。

子供と一緒に作っても楽しい

 「裁ほう上手」で作ったカバンや小物は、洗濯・ドライクリーニングに対応する。我が家の洗濯機で何度か洗濯してもビクともしない。

 「子供に手作りのものを作ってあげたい」と思っても、洋裁はハードルが高いと感じる親御さんは多いようだが、これなら手軽にできる。ミシンを使わず、針と糸も使わない。材料とアイロンさえあれば、工作感覚でカバンや小物が作れる。子供と夏休みの自由研究等にも良いかもしれない。

 ミシンがなくても、小物や補修ができる「裁ほう上手」は、一本持っていると便利な裁縫グッズだ。

石井 和美