やじうまミニレビュー
コニシ「裁ほう上手」
~針や糸がなくてもカバンが作れる強力布用接着剤
by 石井 和美(2013/9/2 00:00)
子供用にちょっとしたカバンを作りたくても、ミシンがないからとあきらめてしまう親御さんは多い。裁縫には、ある程度の慣れとスキルが必要だ。
コニシが発売した「裁ほう上手」は、ミシンや裁ほうスキルがなくてもかばんを作ったり、ズボンの裾上げなどができる接着剤だ。ボンドだけでカバンというのは、強度の面で不安だが、実際はどうなのだろうか。実際にカバンを作ってみることにした。
メーカー | コニシ |
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製品名 | 裁ほう上手 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 970円 |
分厚い帆布でカバンを作る。洗ってもビクともしない
「裁ほう上手」は、チューブ入りの透明ジェル状の接着剤だ。正味量は45gで、ヘラが付属している。綿、ナイロン、塩化ビニール、アクリルなど、色々な布に対応している。乾くと接着度が増し、洗濯にも対応する。
使い方は、直接布に塗布し、付属のヘラでのばして使う。ノズルは細口で使いやすい。裁ほう上手を塗った生地同士を貼り合わせて、大きめのあて布をして、アイロンの中温140~160℃で約15秒から20秒圧着する。
娘がバッグを欲しいというので作ることにした。最近、娘はカードゲームにはまり、大量のカードを持って出かけるようになった。いくつかのデッキカードの束を持ち歩くので、取り出しやすく、頑丈でたくさん入るカバンが欲しいらしい。
そこで、幼少時からガンダムが好きな娘のために、ガンダムUC(ユニコーン)のワッペン2種類と、娘が選んだザク色の厚めの帆布を使って、カバンとおそろいのiPhoneケースを作ることにした。
先に布地を切ってから「裁ほう上手」で貼り付ける。ミシンで縫う場合ならば、裏にした状態で縫い合わせ、あとでひっくり返すが、それとは全く違うやり方だ。最初は戸惑ってしまった。
「裁ほう上手」で作る場合は、表にした状態できれいに貼り付けていかなければならない。きちんとアイロンで折り目をつけ、持ち手などの細かいパーツをつけ、その都度アイロンで抑える。
丁寧にボンドでつけてアイロンをかける作業を繰り返す作業は、ミシンで慣れている人にとっては、むしろ手間がかかる印象だが、想像力を働かせ、工作感覚で作るのは楽しい。
気をつけたいのは、濃い無地の場合、ボンドがはみ出たり、別のところについてしまうとボンドの跡が目立つこと。指にボンドがついたまま作業をするとキレイにできないので、濡らしたタオルなどを準備して、手を拭きながら作ることをおすすめしたい。
完成したカバンを見て、娘は大喜びだ。どこにも売っていない、世界で1つだけの、娘用のカバンは「お母さんが作ってくれた」ということも嬉しいようだ。カードなど娘の荷物を入れると合計重量は1kg超えとなり、ズシッと重くなるので、強度が不安だったが、1カ月ほど使い続けても接着部分ははがれることはなく、強度は申し分ない。
なお、子供用のカバンとポシェット、スマートフォンケースで裁ほう上手を1.5本使用した。たっぷり使うので、大きめの買い物バッグなどを作る際は、1本では足りないかもしれない。
子供と一緒に作っても楽しい
「裁ほう上手」で作ったカバンや小物は、洗濯・ドライクリーニングに対応する。我が家の洗濯機で何度か洗濯してもビクともしない。
「子供に手作りのものを作ってあげたい」と思っても、洋裁はハードルが高いと感じる親御さんは多いようだが、これなら手軽にできる。ミシンを使わず、針と糸も使わない。材料とアイロンさえあれば、工作感覚でカバンや小物が作れる。子供と夏休みの自由研究等にも良いかもしれない。
ミシンがなくても、小物や補修ができる「裁ほう上手」は、一本持っていると便利な裁縫グッズだ。