やじうまミニレビュー

パイロット「フリクションボール3 メタル」

~消えるボールペンの多色タイプに上位モデルが登場
by 小林 樹


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パイロット「フリクションボール3 メタル」

 パイロットの「フリクション」シリーズは、“消せるペン”としてヒットした筆記具だ。ペン端のラバーでこすると摩擦熱で消えるインクを採用し、鉛筆のように滲んだり、薄くなったりすることがなく、消したいところだけ消せるお役立ちアイテムなのだ。

 発売から5年が経ち、シリーズのラインナップは拡充されている。カラーバリエーションが豊富な単色ボールペンをはじめ、筆記線が細いタイプや蛍光ペンタイプ、3色ボールペンタイプ、色鉛筆風タイプ、マーカーペンタイプ、ビジネス向けタイプなど様々だ。

 私は新しいタイプが出るたび買っているが、今回試したのは、6月に発売された高級タイプの「フリクションボール3 メタル」。その名の通り、ボディの口金やクリップ部にメタルパーツを採用している3色ボールペンだ。


メーカーパイロット
製品名フリクションボール3 メタル
希望小売価格1,575円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格1,575円

 フリクションボール3 メタルの本体サイズは14.1×144.8mm(直径×長さ)。クリップ部を含めると、最大径は18mmほど。本体重量は約25gで、手に持ってみると適度な重量感がある。

 握った指が当たる部分には、本体カラーと同色のシリコーンラバーが採用されており、手に馴染む。

 ボディには、艶やかな質感のグラデーション塗装が施されている。カラーは今回のグラデーションブルーのほか、グラデーションブラック、グラデーションバイオレット、そしてグラデーションではないピンクとオレンジが用意されている。

製品パッケージ黒、赤、青のインキが搭載されている。替芯「LFBTRF30EF」は、黒×3本タイプと3色がそれぞれ1本ずつ含まれたタイプが用意され、いずれも315円クリップ部にメタル素材を採用している

重心が低く、筆圧が強くなる印象

 フリクションボール3 メタルと、従来の3色ボールペン「フリクションボール3」との最大の違いは、重量感だ。

 フリクションボール3 メタルと従来モデルでは、本体サイズは大差ないが、本体重量は前者が25g、後者は14g。プラスチック製だった従来モデルに比べ、フリクションボール3 メタルは持つとずっしりくる。

 また、従来モデルに比べて、フリクションボール3 メタルでは重心の位置が低い。これは、ペン先にずっしりとしたメタル素材を採用しているからだろう。

 これにより、ペン先に重みがかかり、筆圧が強くなる。ペン先が紙に付いた時に引っかかり、トメ、ハネ、ハライが表現しやすいのだ。

 逆に、従来モデルではボディが軽いぶん、さらさらと書けるので、走り書きとか、急いで文字を書きたい時にはこちらのほうが向いているだろう。

「フリクションボール3 メタル」。本体重量25gで、重心はペン先寄り従来モデル「フリクションボール3」。本体重量は14gで、重心は尾端寄り従来モデルではクリップ部がかさばっていた
ペン先やラバー部の長さはほとんど変わらない上が新モデル、下が従来モデル。新モデルのほうが、ペン先に重みがかかり、トメ、ハネ、ハライがしっかり表現できるように感じた。

 なお、新製品と従来モデルの特徴をまとめると、以下のようになる。


製品名フリクションボール3 メタルフリクションボール3
インク数3本3本
本体サイズ
(直径×長さ、クリップ含む)
14.1×144.8mm約21×144mm
本体重量25g14g
希望小売価格1,575円630円

インクは従来と変わらず、こすればしっかり消える

 さて、フリクションボール3 メタルには黒、赤、青の3色のインクが搭載されているわけであるが、いずれもこれまでのフリクションシリーズのものと変わらない。紙に記した文字は、ペンの尾部の樹脂でこすると摩擦熱で消える。

 違うのは、フリクションボール3 メタルの場合、ボディ自体に重みがあるため、こする時に力を入れすぎずに済む点だ。スルスルと文字が消せるので嬉しい。

それぞれのインクで文字を書いたところボディの重さで、軽い力で消せるちなみに冷凍庫で小1時間冷やすと、消した文字が復活する。変なことは書けない……

 だが、これまでのフリクションシリーズのインクと同様に、色が薄い(特に黒)のは残念。もう少しくっきりとした濃い色であってほしい。さらに替芯として黒、赤、青以外の色が増えれば面白いし、5色ペンのようにさらに多くの色のリフィルを搭載したモデルが登場することを願いたい。

 私は普段、手帳や地図に書き込む際のほか、取材時に使っている。書き間違えたら上書きできるし、シャツに挟んでいても恥ずかしくないデザインだ。

予定が変わりやすい手帳に書き込む際にピッタリカラーペンは、地図に書き込む際に見やすい

  実はこの「フリクションボール3 メタル」以外に、さらに高級なモデル「フリクションボール3 ウッド」という木目調タイプも同時に発売された。だが、発売直後はどこの文具店やネットショップも品切れで、手に入らなかった。よっぽどコアなファンがいるのか、初期ロットが少なかったのか、気になるところだ。現在は在庫が安定し、Amazon.co.jpをはじめ各店で扱っている。希望小売価格は2,100円で、一般的なボールペンとしては、かなり高めの値段ではある。

 高級感とデザイン性と使い心地を高めた、フリクションボール3 メタル。手に握った時の、程よい重量感に慣れると、従来のフリクションボール3には戻れなくなる。やや値は張るが、リフィルを購入して継続的に使用していくならば、おすすめしたい製品だ。





2012年 9月 7日   00:00