やじうまミニレビュー
キントー「3WAY HAND JUICER」
■これ1つで、絞って、つぶして、すりおろす
キントー「3WAY HAND JUICER」。製品パッケージ |
“家電Watch”のレビューでいうのもなんだが、大震災以来、電気調理器具の使用に抵抗感を覚える人もいる。炊飯器や、電子レンジでの温めなおし、オーブン調理などはどうしても……と思うが、1人分のフレッシュジュースを作るのに、ジューサーやミキサーを稼働させるのは、ちょっと気が引ける。
そこで、手動でフレッシュジュースが作れるキントーの「3WAY HAND JUICER(スリーウェイハンドジューサー)」を導入した。柑橘系のフルーツを絞るのに便利な「スクイーザー」、固めの食材をすり下ろせる「グレーター」(おろし器)、食材をカップの中でつぶしたり、材料を混ぜるのに使う「マッシャー/マドラー」、そして材料を受け止め、混ぜ、飲むのに使用する「タンブラー」がセットになった手動のジューサーだ。タンブラーはアクリル製で容量は350ml。結構飲み応えのあるフレッシュドリンクが作れるのである。
メーカー | キントー |
製品名 | 3WAY HAND JUICER |
希望小売価格 | 1,575円 |
購入場所 | 楽天市場 |
購入価格 | 1,575円 |
スクイーザーやグレーターは、必要に応じてタンブラーの上にセットして使用するが、収納時は全部重ねられるので、収納時はタンブラー1つ分のスペースしか取らない。
何はさておき、作ってみるのが早いだろう。小さなレシピが付属するので、参考にしながら試してみた。
パッケージの中一式 | グレーター(おろし器) | タンブラーにグレーターをセットした状態 |
スクイーザー(絞り器) | スクイーザーには穴が空いている | タンブラーにスクイーザーをセットした状態 |
食材を混ぜるのに使うマッシャー/マドラー | マッシャー/マドラーは、タンブラーに入れた材料をつぶしたり、混ぜたりする | 収納時には、すべて1つにまとめられる |
■ジンジャーキャロットドリンク
まずは、付属のレシピを参考にしながら、りんご1/2個、にんじん1/4本、生姜1かけを使った「ジンジャーキャロットドリンク」を作ってみた。タンブラーにグレーターをセットし、すべての材料をすり下ろし、最後に水を50mlと、はちみつ小さじ1杯を加えるというものだ。
すりおろされた果肉は、やや粗め。大根おろしなどの調理にも活用できそうだ。ただし、タンブラーの底には滑り止めがついていないので、固い材料をおろす際には、倒さないようにしっかりグリップしよう。
材料は、にんじん、りんご、しょうが、炭酸、はちみつ | にんじんをすりおろす | ジューサーではないので、おろしたにんじんはそのままカップの底に溜まる |
材料からすると、ジューサーでは定番のにんじんりんごジュースのようなものだが、果汁だけでなく、すり下ろした実がすべて混ざるので、ゴクゴク飲めるドリンクというよりは、スプーンで食べるような感覚。水を入れるよりはおいしくなるのではないかと考え、炭酸50mlに変えたところ、炭酸の刺激と生姜の風味がさわやかな“デザート”になった。
ジューサーを使ってにんじんりんごジュースを作ると、毎回絞りカスの扱いに悩んだが、これなら全部残さず、繊維質も丸ごと食べてしまえる。量が気になるときは、にんじんやりんごの量を少々減らし、追加する水分量を増やすと飲みやすくなる。
続けてりんごをすり下ろす | 生姜もすりおろし、最後に炭酸と蜂蜜を加えて、よく混ぜる | ドリンクというよりは食べ物だが、胃腸が弱っているときはうれしい |
■オレンジ入りのレモンスカッシュ
ドリンクの材料。これにグレープフルーツが加わると、レシピの「シトラスミックスソーダ」になるが、今回は省略 |
次に、スクイーザーを使って、レモン1個とオレンジ1個から果汁を搾り、炭酸50ccとはちみつを適量加えてマッシャー/マドラーでよく混ぜるという「オレンジ入りのレモンスカッシュ」を作った。
レモンだけならレモンスカッシュだが、オレンジが入ったことで、特有の酸味が緩和されて飲みやすいオレンジ系のジュースになった。スクイーズしながら、絞った果汁はそのままカップで受け止めてしまうので、とても楽だ。まさにフレッシュジュースという感じで、ゴクゴクと飲める。スカッシュが好きな人にはうってつけである。果肉も入るので、満足感もアップなのだ。
難があるとすれば、スクイーザーが小ぶりなので、レモン以上のサイズがある柑橘類は握力がないと搾りにくいことと、スクイーザーが目詰まりしやすい点だろう。あっという間にスクイーザーの溝が埋まってしまうので、こまめにタンブラーに落とし込んだほうがいい。レモン1個ならちょうどよいが、オレンジともなると、上から押しつけるだけでは搾り切れない。上から押しつけながら、側面は握力を使って絞らなければならず、直径が大きく、果肉が多いほど疲れる作業となる。レシピではグレープフルーツも使われていたのだが、さすがにこのスクイーザーでは厳しいのではないだろうか。
半分にカットしたオレンジを搾ってみる | 普通に押しつけて回転させると、周りが1cm厚くらい残ってしまった | 握力を使って絞ると、スクイーザーがあっという間にいっぱいに |
レモンにはちょうどよいサイズだったようだ | 絞ったレモンとオレンジの果汁 | 炭酸と、お好みではちみつを加えてよく混ぜたら完成。何杯でも飲めそうなおいしさだ |
■バナナミルクセーキ
続いて、バナナ1本と、卵黄、牛乳、はちみつを使ったバナナミルクセーキに挑戦。バナナをカットしてカップにいれ、マッシャーでなめらかになるまでつぶす。その後、卵黄とはちみつと牛乳を加えて、よく混ぜるだけだ。完熟バナナを使用したので糖度もあり、非常においしかった。小腹が満ち、つい笑顔になるドリンクである。
使用したのはマッシャー/マドラー1本。バナナを潰すのに、そう時間はかからない。ミキサーを使ったようななめらかさこそないが、それがまた手作りっぽくて良い。1人分でミキサーの使用は気が引ける。そんなときに、手軽に作れるのでとてもうれしい。
バナナミルクセーキの材料 | タンブラーの中で、バナナをつぶす。完熟のほうが潰しやすい | バナナがなめらかになったら、残りの材料を全部加えてよく混ぜる |
■キウイとヨーグルトのドリンク
いつもキウイフルーツはスプーンですくって食べるだけだが、せっかくなのでヨーグルト入りのドリンクにしてみよう。キウイ用のスクイーザーも売られているようだが、本品のスクイーザーではどうだろうか。
実際試してみたが、あまり結果は芳しくなかった。使用したキウイが柔らかいタイプだったこともあるだろうが、スクイーザー自体、キウイの果肉を取り除く目的にはできていないからだろう。キウイが崩れてしまうことや、スクイーザーがすぐ果肉でいっぱいになってしまうのだ。
キウイフルーツを使ったヨーグルトドリンクに挑戦 | 半分にカットしたキウイをスクイーザーにかけてみたが……皮がグズグズになってしまって失敗! |
キウイを扱う場合は、マッシャー/マドラーを使って潰した方が良さそう。上からヨーグルトを注ぎ、はちみつを加えれば、見た目は立派なフルーツジュースだ。冷えた牛乳を加えると飲みやすさが増す。
オーソドックスにスプーンで果肉をすくい取ったら、マッシャー/マドラーでなめらかになるまで潰す | キウイ1個分の量 | ヨーグルトとはちみつを加えて完成。牛乳をプラスしてもいい |
■1人分のドリンクが手軽に作れる。作る過程も楽しめる
電気は使わないし、サッと作ったら、そのままグイッと飲めるので、朝食やおやつ、ダイエットをしている方の置き換えなどにもちょうどよい。受け皿にもなっているタンブラーは飲みやすく、1人用としては十分な量が作れる。場合によっては、2人で分けてもいいくらいだ。絞ったり、すりおろしたり、潰したりという手間は生じるが、それが手作り感をアップさせるので、作る過程から楽しめる。
また、洗い物も最小限で、しかも水だけで簡単に洗い流せるのも好印象。電気の使用がちょっと気になるという理由で使ってみたが、ミキサーの後片付けが面倒くさいと思う方にもぴったりだ。これまで自家製フレッシュジュースの経験がなく、これから試したいとお考えの方には、3WAY HAND JUICERからデビューというのもいいかもしれない。
2011年 6月 24日 00:00
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