やじうまミニレビュー

プラチナ萬年筆「プレピー マーキングペン」

~年賀状の一言添えに。万年筆のインクでスラスラ書く水性ペン
by 藤原 大蔵


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


プラチナ萬年筆「プレピー マーキングペン CSIQ-150」。全部で7色ある

 スラスラと書き心地の良いサインペンは、ハガキの宛名書きやちょっとした走り書きにも便利だ。ちょうど手持ちのサインペンがインク切れを起こしたので文具店へと向かったところ、そこで一風変わったペン「プレピー マーキングペン」に出会った。

 ペン先は普通のサインペンと変わりないものなのだが、目を惹いたのがインク部分。万年筆用のカートリッジが備えられており、インクが切れたら、このカートリッジを交換するというものだ。よくよく製品を見ると「マーキングペン」と書かれており、黒色のほか、マーカーのようなビビットなカラーも用意されている。

 そもそもプレピーは、低価格の万年筆からスタートしたシリーズで、この「プレピー マーキングペン」は、ペン先を万年筆から一般的なサインペンにしたものだ。万年筆のカートリッジインクを使えるという利点と、一般的なサインペンの使い心地を両立した製品と言えるだろう。

 1本126円とお手軽価格ということもあり、ついつい全7色を一度に購入してしまった。というわけで今回はこの「プレピー マーキングペン」を紹介しよう。


メーカープラチナ萬年筆
製品名プレピー マーキングペン CSIQ-150
希望小売価格157円
購入場所ヨドバシカメラ
購入価格126円

【訂正】初出時、希望小売価格を420円としておりましたが、157円の誤りでした。訂正してお詫びさせていただきます。

インクを差し込んだら5秒で使い始められる

 プレピーのサイズは、136x13mm(長さx最大直径。キャップ閉め時)と、サインペンとして見ればスタンダードな大きさ。重量はインク込みで13gと軽い。書く場合には全長が150mmになり、持ち手の太さは10mm強。手にした時の収まりは良く、重心の偏りによる違和感はないだろう。 カラーはブラック/レッド/ピンク/バイオレット/グリーン/ライトブルー/ブラウンの7種類だ。

実際のインクの色。上からブラック、レッド、ピンク、バイオレット、グリーン、ライトブルー、ブラウン使用時の重心は、キャップを取り付けるとペン先と反対の方に偏るが、実際の使用では問題ないサイズは一般的な筆記具と同じぐらい。軽く手に馴染む
インクを充填する際は、キャップを外し、カートリッジカバーを外して行う

 新品はインクが空の状態で、使い始める前に付属の万年筆用インクを充填する必要がある。とはいえ作業自体は、インクを真っ直ぐに差し込むだけとカンタン。使えるまで数分は待つ覚悟でいたのだが、5秒もあればペン先までインクが満たされ、あっという間に使えるようになった。もちろんカートリッジ式なので、手はまったく汚れない。

 インクがペン先まで流れる光景は、驚きと共にちょっとした快感になる。新品の時のみ楽しめるので、一度味わっていただきたい。


インクカートリッジを本体に差し込むと、たった5秒ほどでペン先にインクが行き渡る。その速さに驚いた

書き味は普通のサインペンより上

 インクの充填後はすぐに使える。文字を書いたり線を引いたり、筆圧をかけてしっかり書いたり、ペンを軽く持って走り書きをしたり――どんなやり方でも、サラサラと滑らかな書き心地だ。ペン先にインクがスーッと滲み出るように行き届く印象があり、文字や線がかすれずに気持ち良く書ける。

 かといって、ボタ漏れを起こすほど必要以上にインクが出てくる気配もない。一般的なサインペンよりも優れた書き味が楽しめるのだ。

 また、文字や線の太さの自由度も高い。ペンを立てれば細く、寝かせれば太くも書ける。例えるなら、ハガキの宛名と差出人のように、1本のペンで太さの印象を調整しながら書けるのである。

 書き味と合わせて、インクの質感も気に入った。万年筆と同じインクを使うブラックは、書く速度や筆圧で微妙に濃さが変わり、書き手の表情が映る。またカラーインクは、発色が良く、マーキングだけでなくカラーペンとしても十分に使えそうだ。どちらも水性の染料インクだが、一般的なコピー用紙に普通に書いても、裏に滲まず、乾きも早い。

 それぞれのペンで文字を書き、ラインを引いたサンプルが以下の写真だ。コピーするとライトブルーが一番薄くプリントされるようだ。

ペン先は一般的なサインペンと変わらない。少し細めで硬めのペン先だ各色それぞれのプレピーで文字と線を描き分けた
ペン先が少し硬いため、ペンを立てて細書き、寝かせて太書きとかき分けられるのが便利

ペン先の乾きや液ダレを防ぐキャップ

 この手のペンは、ペン先が乾くとイザという時に使えないのが難点。ところが、プレピーのキャップには、乾きを防ぐ地味な工夫が施されている。キャップの内側にはペン先専用のカバーがあり、キャップを閉めるとスプリングが働いて、カバーがペン先に密着するようになっている。閉めた時は“パチンッ”と音が鳴るので、小気味が良い。

ペン先カバーとスプリングが機能する様子。パチンッという音で、キャップがしっかりしまっているのがわかる

 ホームページの商品説明などでは、その機構を特に謳ってはいないのだが、これはとても親切な機能だ。ペン先の乾きはもちろん、液ダレのトラブルも回避されるので、いつでも快適に使うことができた。

 また、インクの減りがハッキリと見えるのも良い。書いている途中でインクが無くなり、アタフタする……なんてことも未然に防ぎやすい。カートリッジは2本入りで、購入価格は84円。同価格で替えのペン先も用意されているので、ヘビーユーザーは準備しておくと安心だろう。

キャップ内部に別にペン先の乾燥や液ダレを防止するカバーが内蔵されている(写真左)。キャップを閉めるとスプリングが作用し、カバーがペン先にピッタリと密着する(写真右)インクの減りは、横から見れば一目瞭然。無くなる前に新しいインクを用意すると良いだろうインクは各色2本入りで実売価格は84円と手頃(左)。替えのペン先もある(右)。本体を無駄にせず長く使えるのは良い。ペン先もインクと同価格だった

 書き味、書いた文字の風合いは、一般的なサインペンよりも一枚上の味わいがある。非常に優秀なペンである。

 年賀状など、サインペンが活躍するシーズンだが、宛名書きや手書きの言葉を添えるのにも良いし、ビビットなカラーインクで彩るのも楽しいだろう。手頃な値段なので、ありきたりのサインペンに飽きた方は、早速購入して使ってみてはいかがだろうか。




2010年 12月 21日   00:00