ミニレビュー

ゴリラ用(?)の超重量ジョッキをマジレビューする

ミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
ドウシシャ「ゴリラのひとくち」のパッケージ

先日、ドウシシャさんの新製品発表会に赴いたところ、「小口さんにぴったりの製品があるよ」とまっさきに案内されたのが、こちら「ゴリラのひとくち」。何かと思えば、ダンベルの素材を使った重量2kgのジョッキです。

健康家電ジャンルでヒットを飛ばしているゴリラシリーズのスピンアウト商品で、お酒を飲みながら筋トレができるとかできないとか、酒量を抑制する効果もあるとかないとか。いつもFacebookに酒を飲んでいる写真ばかり上げていたせいでしょうか、編集部からレビューの依頼をいただきました。ありがたい話です。

取っ手の部分が外に出てるし、表に見せる面によってはジョッキではなくダンベルのパッケージだ

一応見た目は小ぶりのジョッキですが、手に取るとジョッキではありえない重量(2kg)に本能的な恐怖心を軽く感じます。足の上に落とせば確実に骨折しそうです。何なら人を殺められるぐらいの重さで、ドウシシャの人も「ニュースにならないことを祈っています」と言ってたほどです。車の中に備えておけば、水没したときにガラスを割って脱出するときに役に立ちそうです(保証はありません)。

見た目のサイズ感では想像しにくいかもしれませんが、人をアレできそうなほど重い。洗い物の時に落とすと確実に他の食器を割ることになるので要注意

ゴリラのひとくちの容量は、たったの135ml。下部3分の1は鉄が詰まっています。100mlの「ヤクルト1000」を入れて、8分目ほどの容量です。ゴリラって意外と口が小さいねと思いましたが、どちらかというとゴリラにとっては、このぐらい軽いという意味のネーミングなんでしょう。

本体表面や持ち手はゴツゴツしており、まさに鋳鉄という感じ。口を付ける部分はツルツルした素材になっています。かなり金属感の高いジョッキではありますが、保冷機能は備えていないそうです。

「ヤクルト1000」ぐらいの容量です

さて、「とりあえずビール」と言いたいところですが、これでビールを飲むのはちょっと辛いというか不釣り合いな気がします。缶からいちいち注ぐのも面倒ですし、よほど強い意志がない限り途中から普通に缶から直接飲むようになるでしょう。飲むとしたら、ある程度アルコール度数の高い日本酒やウイスキーのストレートでしょうか。濃いお酒の方が、何回にも分けて口をつけるので、筋トレにも向いていそうです。

ミニボトルに合うサイズ感。ちょっと良いウイスキーをちびちび飲むのに良し。冷蔵庫の氷を入れてロックで

実際に飲みながら筋トレになるかと問われれば、まぁ疑問です(笑)。最大の弱点は、取っ手を持って飲むと、腕じゃない部分に力が入りがちなことです。飲み物を口に入れようと手前に傾けると手首に負担がかかるし、親指を側面に添えると親指にヘンな負荷がかかるんですよ。取っ手を使わず本体を直接握った方が安心です。

意識的に筋肉に力を入れて、時折、左手から右手へと持ち替えるなどすれば、筋トレにならなくもないですが、普通に飲む時間だけで筋肉が付くなら誰もジムなどに行かないですわ。酒量が制限されるか否かも、人によるとしか言えません。開発者からすると、「ネタにマジレスするなよ」かもしれませんが。

しかし、純粋にネタグッズとしての存在感はバツグンですね。半分嫌がらせを兼ねたプレゼントとしては最高ですし、自宅に何か1つ鈍器のようなものが欲しい方にもおすすめです。

もっともジムに似合うジョッキ、それがドウシシャ「ゴリラのひとくち」だ
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>