やじうまミニレビュー

テレビやビデオの音声をワイヤレス化できる魔法の小箱「Bluetoothトランスミッター」

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

 マッチ箱のようなこの小箱。スマートフォンでおなじみのBluetoothで送信した音楽を受信したり、逆にイヤフォンジャックの音をBluetoothで飛ばしたりできる「Bluetoothトランスミッター/レシーバー(送受信機)」だ。

TaoTronicss社「Bluetoothトランスミッター/レシーバー(送受信機) TT-BA07」。正規代理店はニアダイレクトジャパン
メーカー名TaoTronicss
製品名Bluetoothトランスミッター/レシーバー
型番TT-BA07
実売価格3,400円

 ちなみにBluetoothは、音楽や音声を電波で送受信するための規格。他にもマウスやスマホの遠隔シャッターなど、データ通信などにも利用され、だいたい10mぐらいの範囲の機器と接続が可能だ。

 つまり本機を使うと、Bluetoothに対応していないオーディオ機器に差し込むだけで、音楽や音声を送受信できちゃうという面白グッズ。でもこの説明だけだと「ふ~ん」な装置だが、これから提案する使い方を聞いたら、きっとあなたも欲しくなる!

カーステレオでみんなのスマホに入ってる音楽をシェア!

 最近はBluetooth対応の高級カーステレオも販売されている。しかし我が家や友達の車は、フツーのカーステレオという場合がほとんどだ。ましてやレンタカーを借りてという場合は、Bluetooth対応ということはマズない(笑)。

 とはいえ最近のカーステレオは、外部入力(AUX)端子がついているものが多く、スマホのヘッドホンジャックをカーステレオのAUXにコードで接続すれば、スマホの音楽も再生できるようになっている。

 ただ「有線」というのが曲者で、コードが届くダッシュボードにスマホを置いておくと、カーブのたびにスマホがザザー! っとスライディング。挙句の果ては、運転席が助手席の人のスマホの曲ばかり聞かされてウンザリなんてことも。

最近のカーステレオには、外部入力端子がついているので、スマホのイヤホンジャックとコードでつなげれば、スマホの音楽をカーステレオで再生できる

 そこで「Bleutoothトランスミッター/レシーバー」があれば、数々の悩みを一挙解消! 一触即発の険悪なムードの車内に、平和が訪れるのだ。

 平和への道のりは簡単。本機をカーステレオのAUX端子に接続し、電源ボタンを長押しして電源を入れるだけ。すると近くのBluetooth(スマホ)と自動的にペアリングされ、本機はBluetoothの電波を受信して、スマホの音楽をカーステレオから再生できるようになる。たとえば、こんな手順だ。

1.Bluetoothトランスミッター/レシーバーをカーステレオの外部入力(AUX)に接続し、カーステレオの入力をAUXに切り替え

付属のコードは長さ10cmと短いので「ぷら~ん」と垂れ下がるが機能的には問題ないのでOK。気になる場合は長いコードを別途購入する
カーステレオの入力切替をAUXにする。切り替えスイッチは、FMやAM、CDなどを切り替えるスイッチと同じか、その近くにある

2.Bluetoothトランスミッター/レシーバーの電源を長押ししてペアリングモードで電源ON

 スマホをはじめBluetooth機器がほかにある場合は、すべてのBluetooth機器の電源を切るか、BluetoothをOFFにする

電源ボタンを長押しすると、赤と青のランプが交互に点滅してペアリングモードになる

3.続けて音楽を再生するスマホのBluetoothをON

スマホはAndroidでもiPhoneでもOK。BluetoothをONにしてペアリングする

4.3で接続できなかったらBluetoothのデバイス一覧から本機を選択

うまく接続できなかった場合は、スマホのBluetoothデバイスの選択から「TaoTronics TT-BA07」を選択

5.スマホで音楽を再生するとカーステレオから音楽が流れる

あとはいつも音楽を聴く要領で、スマホで曲を選んで再生するだけ

 別の人のスマホを接続する場合は、今再生中のスマホのBluetoothをOFFにする。これでBluetoothトランスミッター/レシーバーが待機モードになるので、別のスマホのBluetoothをONにすると、接続先のスマホが切り替わる。

 なお本機には充電式の電池を内蔵しているので、約10時間の連続再生が可能。もし充電をし忘れたとしても、充電しながらの利用も可能だ。

ビデオカメラにつないでBluuetoothヘッドホンで音声モニター

 筆者が最高に重宝しているのは、ビデオの撮影時の音声モニターを本機から無線で飛ばしで、Bluetooth対応のヘッドフォンで聴くという使い方。

 カーステレオの例では、スマホのBluetoothで飛ばした音楽を本機で受信したが、今度はその逆。ビデオカメラから出力されるアナログ音声を本機でBluetoothの電波に乗せて、他のBleurtooth機器に送信するという使い方だ。

ワイヤードなイヤフォンだとコードが絡んで撮影するのにスゴク邪魔っ!
Bluetooth対応のヘッドフォンやイヤホンで受信してモニター音声が聞ける。ワイヤレスなので撮影もラクチンに

 送受信の切り替えはワンタッチ。本体のスライドスイッチを、RXからTXに変えるだけ。RXはBluetooth受信のReciveを示し、TXは送信のTransmitを意味している。ちなみにXは、無線などの用語で「以下略」の意味がある。送受信は頭文字のRとTで区別がつくので、それぞれにXをつけて略しているというわけだ。

本機のモードをTX(送信)モードに切り替え

 先と同じように、具体的な手順を示すと次のようになる。

1.本機をビデオカメラの音声モニターに接続

カーステレオのときのように、本機をプラプラさせていると、カメラに当ってコンコンと音が入ってしまうので、マジックテープなどを使って固定する

2.本機の電源を長押ししてペアリングモードで起動

電源ボタンの長押しでペアリングモードで起動。スマホとのペアリングと違い、近くにあるBluetooth機器に自動接続するので、他の機器の電源を切っておくこと

3.ヘッドフォンをペアリングモードにして接続

本機に接続するBluetooth機器をペアリングモードにして電源を入れる

4.音声がBluetoothヘッドフォンからモニターできる

カメラの音声モニターがヘッドフォンから聞こえてくる

 ペアリングは近くにあるBluetooth機器が自動接続されるので、他のBluetoothデバイスの電源は切っておく必要がある。なお一度ベアリングしたヘッドフォンは、その情報が記憶されるので、次回接続時は電源を入れるだけで自動的に接続が復帰。細切れにシーンを撮影するときでも、一度ペアリングしてしまえば、あとは自動で復帰するので面倒がない。

 また2台同時に同じ音声を送信することができる。なので、ディレクターや監督などのヘッドホンも本機に接続すれば、カメラマンと同じ音声をモニターできるようになる。プロユースでは、便利な機能となるだろう。

本機は、同時に2台のBluetooth機器に音声を送信できる。他にもいろいろ便利な使い方ができるだろう

 2台目のペアリングも簡単で、最初につないだヘッドフォンの電源をいったんOFFにして、2台目のヘッドフォンをペアリングするだけ。つまり本機は、2つのbluetooth機器の情報を保持して、同時送信が可能となっているというわけだ。

お年寄りにも便利! テレビにつないで手元のスピーカーで聴く

 本機は3.5mmのスレテオミニジャック以外に、テレビやHDDレコーダーでよく見かける赤と白の音声ピンジャック(RCA)コネクタにも対応している。変換コードが添付されているので、テレビの裏側にある音声出力に差し込むだけでセット完了。

 もちろんヘッドフォンジャックに本機を接続してもいいが、そのときはテレビのスピーカーから音が聞こえなくなってしまう点に注意して欲しい。テレビのスピーカーからも音を出しながら、音声をBlurtoothで飛ばすには、テレビ背面の音声出力を使うこと。

本機をヘッドフォンジャックに差し込むと、テレビのスピーカーから音が出なくなるので注意
スピーカーから音を出したまま、ヘッドフォンや手元のスピーカーで聴くなら、本機に変換コードをつけて、テレビ背面の音声出力につなぐ

 あとはこれまでと同じように、本機とBluetoothヘッドフォンやbleuetoothスピーカーとペアリングすればいい。

 先と同じように2台同時につなげるので、1台目をヘッドフォン、2台目をキッチンにあるスピーカーとペアリングするといった使い方もできる。

1台目のスピーカーはキッチンに置いて、料理番組を聞き逃さないようにする。2台目は、映画などを見るようのヘッドフォン

 最近耳が遠くなってテレビの音が聞こえにくいというお年寄りには、手元や耳元スピーカーとしても便利に使えるはず。通常のこれらの製品は、送信機とラジカセのようなスピーカーがセットになって1万円ほどするが、本機はだいたい3,500円程度

 最初にセットアップやペアリングだけやってあげれば、あとはデジタル機器は苦手というお年寄りでも簡単に使えるだろう。

。これに安いBluetoothスピーカーを買い足せば、半額ぐらいで手元、耳元スピーカーになるというわけ。

写真は筆者愛用のVAVA VOOM21。イコライザがついている珍しいBluetoothスピーカー。音質を変えて、トークから音楽まで幅広く使える
本機はテレビのUSB端子から常に充電するようにしておけば、あとは本機とスピーカーやヘッドフォンの電源の入れ方さえ教えてあげれば、じいちゃんばあちゃんもこれは聞きやすい! と喜ぶはず

スマホにつなげば同時に2箇所のスピーカーで音楽をシェア!

 夏の楽しいキャンプやバーベキューに欠かせないのが音楽。そんな音楽をみんなで聴くためのBluetoothスピーカーだけど、1台だと聞こえる範囲は知れたもの。みんなが集まるテーブルにスピーカーを置けばBBQグリルではあまり聞こえないし、BBQグリルの近くに置けばテーブルでは聞こえなくなる。

スマホのBluetoothだと、通常接続できるスピーカーは1台まで

 そんなとき、スマホのイヤホンジャックに本機を差し込んで2台のスピーカーとBluetoothで接続すれば、BBQコンロでもテーブルでも同時に同じ音楽を楽しめる。

 このように同時に2台接続できるというメリットを活かすと、Bluetooth対応機器以上に活用できるのが本機の面白いところだ。

スマホのイヤフォンジャックに本機を差し込んで、Bluetoothで音楽を飛ばす
2台同時送信できるので、同じ音楽を場所の違う2台のスピーカーから再生できる
SP2台
SPHP

マッチ箱サイズのBluetooth送受信機で簡単ワイヤレス音声を!

 マッチ箱サイズのデバイスながら、Bluetooth非対応のオーディオ機器を一瞬にして最新デジタルオーディオ化。

 また今まで邪魔だったビデオカメラ用のモニタヘッドホンなどを、手軽にワイヤレス化できるのも本機のメリット。アイディア次第でBleuetoothデバイスをさらに活用できるだろう。

本機1個でBluetoothの送信も受信もできるので、使い方はいろいろ

藤山 哲人