やじうまミニレビュー

よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

 キッチンツールの種類は、それこそ数え切れないほどたくさんあります。機能ごとに揃えたら、もうキリがないほど! かといって、AとBの兼用、といったものが必ずしも便利なわけでもなくて……。スペースの問題もあるから必要以上にたくさんは持ちたくない、でも便利なツールは使いたい、これが悩みどころですね。

 今回紹介するのは、スウェーデンUnpluggedの「オメガヴィスペン」というツール。 “万能調理器”というふれこみにやや疑いを持ちながら、その使い勝手を試してみました。

よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 Unpluggedの「オメガヴィスペン」
Unpluggedの「オメガヴィスペン」
メーカー名Unplugged
製品名Omegavispen(オメガヴィスペン)
価格(編集部調べ)1,179円

 変わった名前の由来は、オメガ、つまり先端がΩの形をしているから。このあたりにも工夫がありそうです。

 全長は25cmほどで、先端のΩ部分の直径は約5cm。おたまより小さく、重さも25gとかなり軽め。素材は、ナイロン70%とグラスファイバー30%で、シリコンよりは固いけれど、ちょっとした弾力があります。耐熱温度は200℃、耐冷温度は-30℃と、なかなかのプロフィール。

よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 スウェーデンからやってきた「万能調理器」。台紙には機能がずらりと明記されています
スウェーデンからやってきた「万能調理器」。台紙には機能がずらりと明記されています
よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 長さは25cmほど、25gととても軽く、素材はプラスチックとグラスファイバー。赤のほかに黒もあり。変わった形が新鮮です
長さは25cmほど、25gととても軽く、素材はプラスチックとグラスファイバー。赤のほかに黒もあり。変わった形が新鮮です
よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 先端のΩ(オメガ)型が名前の由来です。この部分が万能の秘密……?
先端のΩ(オメガ)型が名前の由来です。この部分が万能の秘密……?
よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 オメガ部分の2つの円には、ちょっと角度がつけられています。横からみるとよくわかりますね
オメガ部分の2つの円には、ちょっと角度がつけられています。横からみるとよくわかりますね
よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 このちょっとした円のズレが使いやすさのポイント。つまり普通のヘラとの違いなのです
このちょっとした円のズレが使いやすさのポイント。つまり普通のヘラとの違いなのです

 先端のΩ部分は二重になっていて、内側の円と外側の円で角度がついています。この独特の形状が使いやすさのポイントで、ボウルやなべ底にいい感じでフィットし、むらなく上手にかき混ぜることができるらしい。

 確かに、平らなところに先端部分を押しつけてみると、軽いバネのような跳ね返りを感じます。また、細いひと筆書きのような作りなので、表面積が少なく、確かに食材がこびりつきにくい気がします。

 でも、全体的にはスリムだし、木ベラや金属のツールに比べれば強度は弱そう。ちょっと頼りないのでは? と思わなくもない……。

よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 平らな部分に置いて、先端の角度をつぶすように押しつけてみると……
平らな部分に置いて、先端の角度をつぶすように押しつけてみると……
よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 2つの円はペタリと平らになりました。力を緩めると元の形に戻ります。つまり、この部分に弾力があるということなのです
2つの円はペタリと平らになりました。力を緩めると元の形に戻ります。つまり、この部分に弾力があるということなのです

いろいろ試してみれば、ふむふむと納得

 謳い文句には「炒める」「混ぜる」「つぶす」「すくう」「攪拌する」「溶かす」「こねる」「ざく切り」「和える」……と、その機能がずらりと列挙されていますが、「混ぜる」と「和える」はほぼ同じでは? とか、「すくう」って言ったって、穴あき状態なのだから液体はすくえないし……と思ったり。

 そこで、実際にいくつか作業をしてみました。

 先端の形から、ゆで卵をお湯の中からすくうのにぴったり! という気がしたので、まずはトライ。卵は菜箸ではすくいにくく、おたまだとお湯まで一緒にすくってしまいます。でも、これならまさに卵の丸みにピタリとはまって、卵だけをすくえます。

よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 ゆでた卵をすくってみます。卵だけがすくえて非常に気持ちがいい!
ゆでた卵をすくってみます。卵だけがすくえて非常に気持ちがいい!
よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 材料に触れる部分が少ないので、柔らかいものをすくう際にはとても便利。ゆでた冬瓜も角をつぶさずソフトにすくえます
材料に触れる部分が少ないので、柔らかいものをすくう際にはとても便利。ゆでた冬瓜も角をつぶさずソフトにすくえます

 同様に、湯むきしたトマトなどをすくうのにもGood! 柔らかい素材をすくいたい時にはとても使いやすいと実感しました。でも、あくまでもオメガヴィスペンの円の部分より大きなものに限りますけどね。

 次は生卵の攪拌。わざわざ泡立て器を使うほどではないけれど……という場合、これは便利。菜箸よりも混ぜやすく使い心地もとてもいい! ドレッシングを手作りしたり、小麦粉とバターを練ったり、なんて、ちょっとしたものを混ぜたい時に大いに活躍してくれそうです。

よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 生卵を混ぜると、なかなかいい具合。菜箸よりはよく混ざっている気がします。卵液がツールにつかないのもスッキリ
生卵を混ぜると、なかなかいい具合。菜箸よりはよく混ざっている気がします。卵液がツールにつかないのもスッキリ

 続いて、ゆで卵のざく切りにトライ。まな板の上でやろうとすると、まな板に結構卵が残ってしまうし、洗いものも増えます。でもこれなら、ボウルにゆで卵を入れたらそのまま荒くつぶせるので、とてもシンプルに楽にできました。ここにマヨネーズとピクルス等を入れれば、使うツールはひとつだけで、すぐにタルタルソースも出来上がります。

よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 ざく切りもできるということなので、ゆで卵でやってみます。ボウルの中でそのまま切れるのが便利
ざく切りもできるということなので、ゆで卵でやってみます。ボウルの中でそのまま切れるのが便利
よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 包丁で切るよりもほどよく粗く不揃いになるので、存在感を残しながら細かくできる感じです
包丁で切るよりもほどよく粗く不揃いになるので、存在感を残しながら細かくできる感じです

 さて、卵以外のものでも調理してみましょう。ポテトサラダを作るべく、ゆでたジャガイモをつぶすことに。難なくつぶせて楽ちんです。このままきゅうりやパプリカなどを加えてマヨネーズで和える段階まで、すべてオメガヴィスペンだけでできるのはとても便利。マッシャーって、結構スペースを取るし、それにしか使えないので買うのを躊躇していましたが、なあんだ、このオメガヴィスペンだけで解決! と大満足。

 ただ、まったりしたものを混ぜると、オメガの内円と外円の間に詰まってしまうこともあり……。それを外そうとしてボウルのふちでカンカンと叩くと、ポテトサラダが宙を舞う場合もあるので、注意が必要です。

よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 ゆでたじゃがいもをつぶしてみます。十分に柔らかくなっているので、問題なくつぶしていけます
ゆでたじゃがいもをつぶしてみます。十分に柔らかくなっているので、問題なくつぶしていけます
よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 マッシャーでつぶすより簡単で手も疲れません。ボウルへのあたりもソフト。これはいいかも!
マッシャーでつぶすより簡単で手も疲れません。ボウルへのあたりもソフト。これはいいかも!
よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 ジャガイモ以外の材料も加えたら、そのままオメガヴィスペンで混ぜられます。ツールを変えずに作業が続けられるのは快適
ジャガイモ以外の材料も加えたら、そのままオメガヴィスペンで混ぜられます。ツールを変えずに作業が続けられるのは快適
よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 混ぜたものをすくうこともできますから、器に分ける作業もこのままオメガヴィスペンでOK
混ぜたものをすくうこともできますから、器に分ける作業もこのままオメガヴィスペンでOK
よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 ボウルの内側についたポテトサラダもきれいに集めることができます。でも、オメガヴィスペン自身にサラダがつまってしまう場合も……。これはちょっと困ったな
ボウルの内側についたポテトサラダもきれいに集めることができます。でも、オメガヴィスペン自身にサラダがつまってしまう場合も……。これはちょっと困ったな

 次は炒めものです。チャーハンを作る時、フライパンの素材によっては金属製のヘラが使えないので、私はいつも木ベラ派でした。木ベラの感触は大好きなのですが、炒めている最中にご飯がくっつくのが気になるのも事実。最後にお皿によそう時も、木ベラについたチャーハンをフライパンのふちでしごいたりして……。

 しかし! このオメガヴィスペンで炒めてみると、確かに食材はくっつきません。くっつきにくい素材だという上に、くっつくほど面積がありませんからね。重さもないので、調理している間に手が疲れないところもポイント。なかなか使いやすいです。

よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 チャーハンを炒めてみると、思った以上に使いやすい。フライパンを傷つけずによく混ざるし、オメガヴィスペンにはご飯がくっつかないので、調理しやすいのです
チャーハンを炒めてみると、思った以上に使いやすい。フライパンを傷つけずによく混ざるし、オメガヴィスペンにはご飯がくっつかないので、調理しやすいのです
よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 ひき肉のようにペタペタとくっつきやすい材料でも、オメガヴィスペンだとほとんど気にならずに調理できます
ひき肉のようにペタペタとくっつきやすい材料でも、オメガヴィスペンだとほとんど気にならずに調理できます

 この特徴ゆえ、カレーやシチューなど、とろみのあるものを混ぜる時にも、具材をつぶさず抵抗も少なく、無理なく混ぜることができそうです。

 私は麺類が大好きなので、ゆでた麺類はすくえるのか? とふと思い、これもやってみました。結果……麺の種類による、という感じです。ラーメンのように縮れた麺、つまりひっかかりやすい形状のものは問題なくすくえますが、素麺やパスタなど、つるりとしたタイプの麺はすくいにくく、これなら菜箸のほうがやりやすいかも、と感じました。

よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 麺類をゆでてみました。縮れていないツルツルした麺は持ち上げると滑り落ちてしまい、ちょっとすくいにくいです
麺類をゆでてみました。縮れていないツルツルした麺は持ち上げると滑り落ちてしまい、ちょっとすくいにくいです

ツールを変えずに調理ができるのはうれしい!

 このように役立つ場面は多いのですが、気になる点もあります。

 混ぜたり和えたり炒めたり、のケース。そこそこの量までなら問題ないのですが、結構な量を調理する場合は、オメガヴィスペンでは少し心もとなく、やりにくいかも。

 例えば、大きな中華鍋でたくさんの野菜炒めを作る時など、もっと大きなヘラで全体を混ぜられるほうがやりやすいと思いました。また、しっかり空気を含ませながら生クリームを泡立てたい場合などは、やはりこれでは難しい感じです。

 あとは、ちょっと固いものをつぶしたり混ぜたりする時にあまり強い力を加えると、折れてしまうかも? という不安は感じます。

 ……とまぁ、いろいろ思うところはありますが、最終的には「けっこう便利!」というのが結論です。すべての調理をこれ1つでまかなうことはできないけれど、いくつかの機能をクリアしていることは確か。

 特に、ゆでる→つぶす→混ぜる→よそう、までをこれ1本でできることはポイント高し! 加えて、軽くて使いやすく、お手入れも楽。オメガヴィスペン自体はスリムで収納スペースをとらないこともうれしいし、使っていて何となく楽しい気分になるのも新鮮です。

 限られたスペースでその機能を問われ、生き残りを競う厳しいキッチンツール界において、これは、結構頼れるレギュラーになる、そんな一品です。

よそう、つぶす、炒める、などを1本でできる万能選手「オメガヴィスペン」 耐熱温度が200℃なので食洗器もOK。軽くて使いやすいうえに、お手入れも簡単なのはうれしい!かなり使えるキッチンツールです
耐熱温度が200℃なので食洗器もOK。軽くて使いやすいうえに、お手入れも簡単なのはうれしい!かなり使えるキッチンツールです

座間 佳子