藤山哲人のモバイルバッテリー診断
ソニー「CP-VLSVP」
~コンパクトながら1A出力。繋ぐだけで充電できるお手軽モバイルバッテリー
by 藤山 哲人(2013/8/19 00:00)
モバイル機器のヘビーユーザー向けに、モバイルバッテリーの大容量化が進んでいるが、出先で電池残量が少なくなってしまったスマートフォン1台だけの充電なら、1,000~2,000mAh程度のモバイルバッテリーでも用は十分足りる。
今回は、そんな小容量タイプのモバイルバッテリーとして、ソニーの「CP-VLSVP」を紹介しよう。
容量は1,400mAhなので、一般的なスマートフォンであればほぼ半分充電できる。形状はスティックタイプで、筆入れやハンドバッグの隙間にサッと滑り込ませられるほど小さくて軽い。またカラーはホワイト、ブラック、ピンク、オレンジの4色が用意され、スマートフォンにあわせたカラーコーディネイトも可能。電源ボタンや残量確認スイッチすら省いたスッキリとしたデザインとなっており、シンプルさを極めたモバイルバッテリーだ。
メーカー名 | ソニー |
---|---|
品名・型番 | CP-VLSVP |
バッテリー容量 | 1,400mAh |
繰り返し利用回数 | 500回 |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 36.9×121×15.9mm |
重量 | 62g |
カラー | ホワイト・ブラック・ピンク・オレンジの4色 |
販売価格 | 1,700円程度 |
・実験結果は、室温がコントロールされていない環境で行なっています。電池は温度により、その特性が大きく変わる点にご注意ください。 ・実験結果は記事作成に使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません。 ・実験結果に基づいた実容量やロス率は、その値を保障するものではありません。 ・筆者および家電Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにはお答えできません。 |
接続するだけでスマートフォンをちょうど半分充電。出力は1A
操作は非常にシンプルで、スマートフォンとモバイルバッテリーを接続するだけで、電源が入り充電が始まる。モバイルバッテリーのUSBコネクタにケーブルを挿しただけで電源が入るため、実際にスマートフォンを充電していなくても、電源ONになってしまうのだ。使わないときはUSBコネクタからケーブルを外す手間が必要になる。
同梱されているケーブルは、10cm程度でバッグの中で充電するのには手ごろな長さ。ただし、硬くて太いため、好みが分かれそう。人によっては、別にケーブルを買ったほうがいいかもしれない。
バッテリー残量は、電源が入った瞬間に、LEDが点滅する回数で表示される。3回点滅すれば100%近くあり、2回点滅で中ぐらい、1回点滅は残りわずかというサインだ。ただ、最大でもスマートフォンを満タンに充電できない使いきりのモバイルバッテリーなので、このぐらいシンプルな方が使い易い。
注目は出力。小さいながらも1Aあるので、スマートフォンの急速充電が可能となっている。
内蔵バッテリー容量1,800mAhのスマートフォン(ARROWS X F-10D)を実際に充電してみたところ、ちょうど半分充電できた。
・スマートフォン充電テストの結果
充電回数「50%」(864mAh相当)
※測定条件は、WiFi:ON、Bluetooth:ON、GPS:ON、省電力モード:OFF、画面OFFの状態で充電、電池残量約10%から充電開始し90%程度までを繰り返し、アプリ「Battery Mix」にて容量変化を記録
項目 | 詳細 |
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USBコネクタ数 | 1 |
USB最大電流 | 1A(1,000mA) |
充電ケーブル | Micro USB - USB |
残量インジケータ | 2色1灯式(4パターン) |
自動電源OFF | 本体電源ON時も有効 40mAでOFFを確認 |
同時充電 | - |
電圧も電流も問題ないが、ロスは若干多め?
たいていのスマートフォンは約1Aで急速充電するため、独自の測定器を用いて連続して1Aの電流を流し、電圧と電流の変化、そしてスマートフォンに充電できる実容量を測定した。
なお実用量とは、パッケージの「○○mAh」というバッテリー容量のうち、実際にスマートフォンを充電できる容量を示す。実用量率は、表示容量に対する割合で、値が大きいほど高性能バッテリーといえる。
独自の測定器でテストした結果、電圧は5Vピッタリで安定していた。電流は平均するとおよそ870mA程度と、スペック値より低めだが、安定しているといえるだろう。なお電流が低めではあるものの、使用上はまったく問題なく、充電モードが解除されてしまうようなことはない。
なお容量は1,400mAhと表示されているが、内部のロスなどの差し引き、実際にスマートフォンに充電できる容量は、その52%に当たる860mAh程度。小容量のモバイルバッテリーは給電ロスが目立ちがちだが、本製品も例に漏れず、ロス率が高めとなった。
なお計算を元に出した実用量から、各種スマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機をおよそ何回充電できるかは、次のとおりになる。Android系の場合()内が内蔵バッテリー容量を示している。
項目 | 詳細 |
---|---|
バッテリー表示容量 | 1,400mAh |
連続利用時の実用量 | 733mAh(52%) |
連続実用量1,000mAh あたりの価格 | 2,319円 |
充電回数(理論値) | Android(1,300mAh):0.7回 Android(1,500mAh):0.6回 Android(1,800mAh):0.5回 Android(2,000mAh):0.4回 Android(2,200mAh):0.4回 Android(2,500mAh):0.3回 Android(3,000mAh):0.3回 iPhone4S(1,432mAh):0.6回 iPhone5(1,434mAh):0.6回 iPad2(6,580mAh):0.1回 iPad3(11,560mAh):0.1回 ソニー PSP(1,200mAh):0.7回 任天堂 3DS(1,300mAh):0.7回 |
パソコンのUSBでも3時間で充電
充電時間は3時間と記載されていたが、実測でも3時間15分だった。1,800mAhという容量にしては充電時間が長めに感じられるが、3時間でフル充電できるので、普段使いで充電時間が気になることはないだろう。むしろ充電は、パソコンのUSBコネクタでもできるので、便利さのほうが目立つかもしれない。
なお充電中は、残量ランプがオレンジに点灯し、フル充電になるとランプが消えるようになっている。
項目 | 詳細 |
---|---|
本体充電用コネクタ | Micro USB |
同梱充電器 | なし |
充電時間(カタログ値) | 3時間 |
充電時間(実測) | 3時間15分 |
メカに弱い人や塾通いの子どもの予備バッテリーとしてオススメ
容量は少なめだが、そのぶん軽くてコンパクトなデザインと、ケーブルを繋ぐだけというシンプルな操作が魅力。価格も実売で1,700円程度を購入しやすい。また、カラーは今回使ったオレンジのほか、ピンク、ホワイト、ブラックも用意されるので、男性でも女性でも選びやすい。
普段はスマートフォンの内蔵バッテリーだけで十分だけど、出先でときどき電池が足りなくなる、というライトユーザーにピッタリ。繋ぐだけというシンプル操作という点で、メカに弱い人や塾通いの子どもにお勧めしたい。
メーカー・品名 | ソニー CP-VLSVP |
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ロスの少なさ | ★★☆☆☆(2) |
持ち歩きやすさ | ★★★★☆(4) |
単位容量の安さ | ★☆☆☆☆(1) |
充電の早さ | ★★★★☆(4) |
使い勝手のよさ | ★★★☆☆(3) |