藤山哲人のモバイルバッテリー診断
MJTS「Model 816」
~タッチパネル式の電源で誤作動まったくなし! ロスも非常に少ない
by 藤山 哲人(2013/8/26 00:00)
今回紹介するのは、「MJTS」という会社が扱っている容量6,000mAhのモバイルバッテリー「Model 816」だ。同社は個性あふれるバッテリーを続々とリリースしているが、Model 816も例に漏れず、個性的な特徴を備えている。
最大の特徴は、スマートフォンの操作感覚と同じ、タッチパネル式の電源スイッチを備えている点。ボタンやスイッチの出っ張りがなく、人の指で長押し(タッチ)しないと電源が入らないため、押しボタンスイッチのようにカバンの中に入れておいて勝手に電源が入ってしまうことがない。このタイプのスイッチを備えたモバイルバッテリーはほとんどないので、カバン内の誤動作に困っている人にはピッタリの製品だ。
メーカー名 | MJTS |
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品名・型番 | Model 816 |
バッテリー容量 | 6,000mAh |
繰り返し利用回数 | 500回 |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 67×122×12mm |
重量 | 153g |
カラー・モデル | シルバー、ガンメタリック、ブルー |
販売価格 | 3,700円程度 |
対応スマートフォン | Android:○ iPhone:○ iPod:○ iPad:○ |
また、スイッチがタッチパネル式のため、本体に突起がなく、シルエットが美しいというのも特徴の1つ。本体はアルミ素材を活かした高級感あふれるデザインで、アルミを染色したように見えるペイントも美しい(実際にはクリア系の塗料で塗装されておる)。スマートフォンとほぼ同じ大きさで、重ねて持ったときの違和感もなく、デザイン性を重視する人にピッタリだ。
出力用のUSBコネクタは2系統あり、片方はスマートフォン用の1A出力、もう片方はタブレット用の2.1A出力となっている。この2つは同時利用が可能になっており、タブレットとスマートフォンやスマートフォン2台の同時充電が可能だ。
・実験結果は、室温がコントロールされていない環境で行なっています。電池は温度により、その特性が大きく変わる点にご注意ください。 ・実験結果は記事作成に使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません。 ・実験結果に基づいた実容量やロス率は、その値を保障するものではありません。 ・筆者および家電Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにはお答えできません。 |
はじめは戸惑うが慣れれば使いやすい。通電時のみ点灯するパワーランプは便利!
本体サイズは67×122×12mm(幅×奥行き×高さ)で、スマートフォンとほぼ同サイズ。本体は153gと少し重いが、Yシャツやジャケットのポケットにスマートフォンと重ねて入れても大丈夫だ。
同梱のケーブルは20cm程度で、スマートフォンと重ねて充電するのにちょうど良い長さ。カバンの中で充電するにもちょうどいい。冒頭で述べた通り、一般的なモバイルバッテリーと違いタッチスイッチなので、カバンやハンドバッグの中で電源ボタンが誤動作することはまずない。
残量表示をさせる場合は、タッチスイッチを軽くワンタッチするだけで、その右側にある4灯のLEDが光るようになっている。LEDは4灯あるので、残量が25%刻みで分かる。このように表示自体は分かりやすいのだが、タッチ式ゆえに、スイッチの場所が分かりにくいのが難点。スイッチ部分は黒い窓の右側部分の1cmほどで、購入直後はシールが貼ってあり、タッチする部分が分かりやすくなっているが、シールを剥がすと“あれ? どこだっけ?”となる。
また、残量表示は軽くワンタッチでいいが、電源ONは3秒の長押しとなっている。マニュアルに長押しすることは明記されているが、あっさりとしか書かれていないので、初めて使うときは電源の入れ方に悩むかもしれない。さらに、指先がカサカサしていると、スマートフォンやエレベータのスイッチの反応が悪くなるように、本製品のタッチパネルの反応も悪くなる。
とはいえ、数回も使えば、タッチと長押し、スイッチの場所は把握できる。あくまでも慣れの問題だ。
実際にスマートフォンを充電してみたところ、1,800mAhのスマートフォンがほぼ2回半充電できた(1A出力のUSBコネクタ利用時)。詳細は後述するが、かなりロスの少ないモバイルバッテリーと言えそうだ。
・スマートフォン充電テストの結果
充電回数「2回」と「40%」(4,374mAh相当)
※測定条件は、WiFi:ON、Bluetooth:ON、GPS:ON、省電力モード:OFF、画面OFFの状態で充電、電池残量約10%から充電開始し90%程度までを繰り返し、アプリ「Battery Mix」にて容量変化を記録
本製品では他のモバイルバッテリーでは見かけない、非常に便利な機能がある。それは、モバイルバッテリーの電源がONになり、かつスマートフォンに電力を供給している最中のみ点滅するパワーランプだ。通常のモバイルバッテリーの場合、電源ランプはモバイルバッテリー自体の電源ONのみを示すが、本製品ではスマートフォンに給電している間だけ、本体の黒いウインドウ右側に、パワーランプが点灯される。給電がうまくできているか否かが、バッテリー本体を見て分かるようになっている。
項目 | 詳細 |
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USBコネクタ数 | 2 |
USB最大電流 | 3.3A(3,300mA) |
充電ケーブル (コネクタ) | USB-Dock(Apple用) MicroUSB-USB(Android/本体充電用) |
残量インジケータ | 1色4灯式 |
自動電源OFF | 本体電源ON時も有効 40mAでOFFを確認 |
同時充電 | スマートフォン2台:○ スマートフォン+iPad2:○ |
電圧・電流ともに安定している上にロスも少ない秀逸さ
たいていのスマートフォンは約1Aで急速充電するため、独自の測定器を用いて連続して1Aの電流を流し、電圧と電流の変化、そしてスマートフォンに充電できる実容量を測定した。
なお実用量とは、パッケージの「○○mAh」というバッテリー容量のうち、実際にスマートフォンを充電できる容量を示す。実用量率は、表示容量に対する割合で、値が大きいほど高性能バッテリーといえる。
独自の測定器でテストした結果、電圧は文句なく5Vでピタリと安定。電流は前半多少のブレはあるものの、それでも安定した部類に入る。
6,000mAhという表示容量に対する、実際にスマートフォンを充電できた実容量は、4,166mAhとなった。割合にすると69%で、ほぼ70%という非常に高い数値となった。ロスが非常に少ないバッテリーと言える。
なお計算を元に出した実用量から、各種スマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機をおよそ何回充電できるかは、次のとおりになる。Android系の場合()内が内蔵バッテリー容量を示している。
項目 | 詳細 |
---|---|
バッテリー表示容量 | 6,000mAh |
連続利用時の実用量 | 4,166mAh(69%) |
連続実用量1,000mAh あたりの価格 | 888円 |
充電回数(理論値) | Android(1,300mAh):3.4回 Android(1,500mAh):2.9回 Android(1,800mAh):2.4回 Android(2,000mAh):2.2回 Android(2,200mAh):2.0回 Android(2,500mAh):1.7回 Android(3,000mAh):1.5回 iPhone 4S(1,432mAh):3.1回 iPhone 5(1,434mAh):3.1回 iPad 2(6,580mAh):0.7回 iPad 3(11,560mAh):0.4回 ソニー PSP(1,200mAh):3.6回 任天堂 3DS(1,300mAh):3.4回 |
充電性能は標準的な7時間半。寝ている間にフル充電する
充電器は同梱されていなかったので、2A出力できる市販のUSB-ACアダプタを使い充電したところ、カタログ上では7時間とあった充電時間は、実際には7時間半ほどかかるようだ。容量6,000mAhクラスのモバイルバッテリーとしては標準的で、就寝中に充電しておけば満充電になる。日中にスマートフォンを2回半充電できることを考えれば、モバイル機器のヘビーユーザーでも“使える”バッテリーと言えるだろう。
また充電中は、内蔵バッテリーの電池残量が25%刻みで表示される。フル充電しなくても、とりあえず1回分だけ充電しておく、といった使い方もできる。
項目 | 詳細 |
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本体充電用コネクタ | Micro USB |
添付充電器(仕様) | なし |
充電時間(カタログ値) | 7時間 |
充電時間(実測) | 7時間24分 |
繰り返し利用回数 | 500回 |
iPhoneはオーバースペック。2,000mAh以上のAndroidやミニタブレットに最適
タッチパネルによりすっきりとしたデザインのため、iPhoneユーザーが喜びそうだが、容量はiPhoneが3回以上も充電できるほどあり(6,000mAh)、若干オーバースペック気味。したがって、内蔵バッテリー容量が2,000mAh以上あるAndroidスマートフォンユーザーにオススメしたい。
また2.1Aの出力端子を備えているので、iPadやAndroidタブレットの充電にも使えるだろう。特にバッテリー容量が4,000mAh程度の小さいタブレット端末なら、ちょうど1回分充電できる。
ぜひ、タッチパネルの電源の使い心地を試していただきたい。
メーカー・品名 | MJTS「Model 816」 |
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ロスの少なさ | ★★★★☆(4) |
持ち歩きやすさ | ★★★★★(5) |
単位容量の安さ | ★★★★★(5) |
充電の早さ | ★★☆☆☆(2) |
使い勝手のよさ | ★★★★★(5) |