家電製品ミニレビュー

カモメの羽根をヒントにした、静かなDCサーキュレーター

ドウシシャ「サーキュレーター kamomefan(カモメファン)KAM-CC1401D」

 今回ご紹介するドウシシャの「kamomefan(カモメファン)KAM-CC1401D」は、DCモーターを搭載した省エネ設計のサーキュレーターだ。

 カモメファンとは、同社独自の7枚羽根のこと。岡山県の船舶用プロペラメーカー「ナカシマプロペラ」が、効率良く風をまとうカモメの羽根形状に着想を得て設計したという。現在はこの羽根を搭載した扇風機とサーキュレーターがラインナップしている。

 今回は、部屋の空気を撹拌させるサーキュレーターとして、また背の低い扇風機代わりに使った模様をお伝えしたい。

独自の7枚羽根「カモメファン」。羽根径は25cmある
岡山県の船舶用プロペラメーカー「ナカシマプロペラ」が設計した
メーカードウシシャ
製品名サーキュレーター kamomefan
品番KAM-CC1401D
購入場所yodobashi.com
購入価格15,150円

 KAM-CC1401Dの本体は345×235×405mm(幅×奥行き×高さ)で、大人の膝下サイズだ。重力は2kgで、片手で持てるので、家の中をあちこちに移動させやすい。付属品として、リモコンと電源ケーブル、取り扱い説明書が同梱されている。

 電源のON/OFFは、本体下部のボタンか、リモコンから操作する。運転をONにすると、微風の首振りナシの状態から毎回スタートする。

 モーターはDCモーターで、消費電力は約2.5W~14W。1時間あたりの電気代は約0.06円~0.31円(22円/kWh時)と、かなり抑えめだ。

セット一式。羽根を取り付けて使う
高さ約40cmのサーキュレーターだ
背面はシンプルなホワイトカラー
側面にはリング状にシルバーカラーの塗装が施されている
リモコンは側面に収納可能なので、紛失しにくい
親指サイズのコンパクトなリモコンだ
窓辺に設置した。窓から入ってくる風を心地よく広げてくれる。背が低いので、窓辺に設置しても圧迫感がない

 さっそく自室の窓辺に設置した。第一印象は「静かだな」。風はしっかりと感じるのに、運転音は静か。モーター音も羽根の風切り音も、ほぼ聞こえない。運転ONのまま、左右60度の首振り運転を開始しても、運転音は大きくならない。

 風量はそよ風のような微風からパワフルな風量大まで、無段階で調節できる。風量を大にすると、さすがにモーター音や羽根の風切り音も大きくなるが、中ぐらいの風量ならやはり静かだ。風の質感は、柔らかい。これは風量を大にしても同じ。これまでサーキュレーターの風といえば“直進性の強い硬い風”というイメージがあったが、KAM-CC1401Dは扇風機のように柔らかな風が出る。

風量は本体のボタンかリモコンから無段階で調節できる
本体下部にある風量インジゲーターのLEDライトが点灯し、風の強弱を表示する

 自室である洋室は日当たりが良く、日中は熱が籠もりがちだが、KAM-CC1401Dを窓辺に置いて使うと、窓から入ってくる風が大きく攪拌されて、とても気持ちが良かった。

 暑い日には、エアコンの冷房と併用して、部屋の空気を撹拌するのにも役立っている。送風角度は上に55度、下に35度まで手動で調節できるので、床近くに溜まりがちな冷気を上方に広げられる。

送風角度を調節した様子。最も下方に風を送るこの角度は、就寝時にベストだった
ソファでくつろいでいる時にちょうど良い角度
イスに座っている時や、立っている時にピッタリの角度
真上に向いて、空気を撹拌する

 もう1つ、遠くまで風が届く点も、この製品の特徴だ。リモコンで運転をONにすると、微風にも関わらず、部屋の隅まで風が届くので驚いた。カタログスペックによると最大で約15m先まで風が届くという。しっかりと部屋の空気を撹拌してくれるようで、冷房中は室内の温度差が和らぎ、肌の表面が冷えるような冷房の嫌な感じがしなくなった。

頭から足先まで届く、微風でぐっすり眠れる

和室でも活躍。コンパクトで場所を取らない

 扇風機代わりとして、就寝時に使用した。畳に布団で寝ているので、室内の空気を動かすには、扇風機よりもこうした背の低いサーキュレーターがちょうど良い。首振りすれば頭から足先まで風が届く。柔らかい風なので、当たっていても痛くない。1/2/4/8時間のOFFタイマーが用意されているので、就寝前にスイッチを入れれば、安心して眠れる。

 運転モードでは、「リズム風」と「おやすみ風」を搭載している。どちらも風の強弱を自動で変化させるモードで、自然の風のゆらぎに似ている。おやすみ風のほうが変化がゆるく、運転音が若干静かな印象だ。ただし、いずれのモードも風量小から大へとモーターの回転数が上がる時に、「ブーン」とモーター音が響くのが気になる。結局、眠る時も運転音が静かな微風で運転することが多かった。エアコンだと寒くて夜中に目が覚めてしまうことがあるが、この微風なら朝までぐっすり眠れた。今のところ、寝冷えしたこともなく、満足している。

暑いキッチンにもベスト!

調理中のキッチンに置くと、エアコンの冷気を撹拌して、涼しくなった。本体がコンパクトなので邪魔になりにくい

 もう1つ、KAM-CC1401Dを設置して便利だと思ったのが、キッチンだ。火を使い、動き回るキッチンでは、エアコンを運転していても、調理しながら汗だくになることがしばしばある。これが、サーキュレーターで下方から風を送ると、エアコンの冷気が効率よく回り、顔周りのうだる暑さがだいぶ解消された。

 騒がしいキッチンでは、運転音も気にならないので、先ほどモーター音が気になると述べたリズム風を使うことが多かった。自然の風に近いので、首振りせずに運転をつけっぱなしにしていても、足元が寒くならない。

サーキュレーターをうまく使って、暑さを乗り切りたい

 風量をきめ細かく調節できる点や、しっかり届く風が特に気に入った。また、左右の自動首振り、上下の手動角度調節、持ち運びやすさ、リモコン操作など、使い勝手の良い機能が全て盛り込まれている。

 カモメファンの風が気になる方、柔らかい風を送るサーキュレーターをお探しの方はぜひ、試してみてはいかがだろうか。

小林 樹