家電製品ミニレビュー

ボダム「BISTRO ブレンダースティック K11179」

~ポップなカラーリングで料理が楽しくなるハンディブレンダー

ボダム「BISTRO ブレンダースティック K11179」

 食材を細かく砕いたり、混ぜ合わせるといったときに便利なのが、ミキサー・ブレンダーだ。なかでもハンディブレンダーは、ボウルや鍋の中にヘッドを入れて食材を加工することができる利便性から、多くのメーカーから製品が登場している。

 ミキサー・ブレンダーなどのキッチン家電は料理において必須アイテムではないが、あると料理の幅が大きく広げられるほか、スピードアップも可能。最近のトレンドである「時短調理」を考えたとき、ぜひ用意したいアイテムなのだ。

 そこで今回、ボダム「BISTRO ブレンダースティック K11179」を試してみた。販売価格はAmazon.co.jpで9,800円。同様の製品の中では比較的高価な部類に入る。同製品は同社のBISTROシリーズに共通するデザインを採用する製品で、持ち手部分はプラスチックラバーを採用。カラーバリエーションとして写真のレッド以外にブラック、オフホワイト、ライムグリーンを用意している。

メーカー名ボダム
製品名BISTRO ブレンダースティック K11179
希望小売価格10,500円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格9,800円

付属アタッチメントは最低限

 ハンディブレンダーは、付属するアタッチメントによって大きく2種類に分けられる。それを分けるのが、フードプロセッサー(チョッパー)の有無だ。

 「BISTRO ブレンダースティック」は、フードプロセッサーが付属しないタイプで、食材のみじん切りやミンチ肉を混ぜるといった使い方は適さない。ただし、その代わり収納スペースもコンパクトで、置き場所をとらないのが利点だ。

 アタッチメントとしてはナイフ、ウィスク、ビーターが付属しており、柔らかい食材のカット(ペースト状)や泡立てなどが可能だ。

パッケージは海外版と同じなのか日本語表記はなかった
付属の日本語マニュアル。最低限の使い方やメンテナンス方法を記載。レシピなどは掲載していない
最も特徴的なのが、プラスチックラバー製のボディ。ロゴもデザインされている
操作は高速ボタン、低速ボタンの2つのみと非常にシンプル
ブレンダーヘッド部。アタッチメントのみ交換する仕組みとなっている

 実際に箱から取り出し、手に持って見るとそれなりの重量を感じた。計測してみたところ、質量は約744gだった。片手で長時間持つのは厳しいかもしれないが、「BISTRO ブレンダースティック」は連続使用時間が約1分のため、それぐらいの時間なら問題はなさそうだ。

 アタッチメントは、本体先端のブレンダーヘッド内にそれぞれのアタッチメントのみを取り付ける構造。ナイフアタッチメントなどは非常に小さいため、なくしてしまわないように注意が必要だと感じた。また、付属のアタッチメント取り外しツールがないとアタッチメントの交換も難しくなるため、管理をしっかりとしたい。小さなパーツだけに、収納用のケースなどが欲しいと感じられた。

 このように付属のアタッチメントは3種類のみで、フードプロセッサーやホイッパーなどは付属しない。このあたりは製品選択のポイントとなりそうだ。

付属の「アタッチメント取り外しツール」
付属のアタッチメント。左からビーター、ウィスク、ナイフ
シリコン製のフタのついたビーカーも付属する

泡立て、マッシュポテトが素早くできる!

ホイップクリームを泡立てる。付属のビーカーを使うと泡立てやすい

 では早速、使っていきたい。まず最初に行なったのは、ホイップクリームの泡立て。付属のビーカーにホイップクリームと砂糖を入れ、ビーターを使って泡立ててみた。

 低速ボタンでも回転はかなり速く、ブレンダーヘッドがビーカーの底面に貼り付いてしまわないよう、支えながらホイップクリームを攪拌する。ブレンダーヘッドに空気が入るよう、ちょっと斜めの位置で固定するのがコツだ。

 ホイップクリーム200mlで行なったときは、1分では角が立たなかったため、一度ストップして本体を休ませ、再び1分後にスタートした。2回目に動かしてからはすぐにクリームが固まってきた。回転が速いため、固まり始めるとすぐに角が立つため、後半は少しずつ攪拌するのが良さそうだ。

 ホイップクリームの量を100mlにしてみると、1分かからずホイップクリームが泡立てられた。これなら腕が疲れることもなさそうだ。

100mlなら比較的、すぐに泡立てられる
付属のビーカーのまま、冷蔵庫に入れられるのが便利

 続いてマッシュポテトづくりにも挑戦。電子レンジで5分温めたジャガイモの皮を剥き、牛乳100mlとともにボウルに投入。アタッチメントをウィスクに交換して、ブレンダーヘッドをジャガイモに当てていく。

 最初はジャガイモが崩れていくだけだが、だんだんと牛乳と混ざっていくにしたがって、マッシュポテトらしい、滑らかな風合いに変わっていく。

ふかしたジャガイモに塩胡椒をして、牛乳と合わせる
わずかの時間で滑らかなマッシュポテトができあがった

 電子レンジでのジャガイモの加熱、そして冷ます時間を含めてもほんの10分ほどで、マッシュポテトが完成した。ちょっとした付け合わせが欲しいと言ったときに使えそうだ。

食材を溶かしたポタージュこそハンディブレンダーの出番

 ハンディタイプのブレンダーがその力を本当に発揮できるのが、ポタージュスープ作りだ。一般的なミキサーで作る場合、スープを作った上で、いったん冷ましてから、スープの中身をミキサーに投入する必要がある。しかし、ハンディブレンダーなら、スープ鍋にブレンダーヘッドを直接挿入して、食材をカットすることができるのだ。

 最初に作ったのは定番のコーンポタージュ。タマネギを炒めた上で、冷凍コーンと牛乳を投入。しばらく煮込んでコーンが柔らかくなったら、BISTRO ブレンダースティックの登場だ。

 アタッチメントをナイフにして、火を止めた鍋の中にブレンダーヘッドを入れてスイッチを入れる。すると自然にスープが対流を始め、コーンがつぶれていく。ほんの数十秒のクラッシュで、コーンはすべてクリーム状にできた。この後、ホールのままで楽しみたい分のコーンを投入して味を調整すれば、コーンポタージュの完成だ。

タマネギやコーンを煮込んで柔らかくする
火を止めてブレンダーでコーンを粉砕。滑らかにできる
クリーム状になったら完成だ

 ホールのコーンをつぶしているだけに食感や風味の良さが楽しめた。これならクリームタイプのコーンを使うのとそほど手間はかからず、より美味しく作れそうだ。

 次に作ったのは、白菜やタマネギ、ほうれん草を入れたカレースープ。これも葉物野菜が柔らかくなったら、BISTRO ブレンダースティックでカット。手軽にグリーンスープができた。食材が柔らかくなっていたら、ヘッドに食材が詰まることなく、非常に早くペースト状にできた。

たっぷりの葉物野菜を煮込む
クタクタに柔らかくなればブレンダーの出番
野菜をペースト状にしたグリーンスープが完成

 このほか、加熱しないレシピとしてイチゴのラッシーも作ってみた。イチゴと牛乳、ヨーグルトを混ぜるだけで簡単にできる。

ビーカーにイチゴと牛乳など材料を投入する
ナイフアタッチメントでイチゴを砕く
味を調整すればラッシーのできあがりだ

上質デザインで料理が楽しくなる

 BISTRO ブレンダースティックは特別に高機能と言うわけではなく、機能としてはハンディブレンダーとして一般的なもの。つまり、最大の魅力はBISTROシリーズのデザイン性の高さにある。ホルダーなど、標準で本体を固定する仕組みがないのが残念ではあるが、すぐに使える所に置いておくことで、キッチン周りの見栄えもよく、さらに素早く調理や食材の加工ができるだろう。

 ボダム「BISTRO ブレンダースティック」は料理を楽しむと同時にキッチン周りに置くツールのデザインにもこだわりたいといった方におすすめしたい。

コヤマタカヒロ