家電製品ミニレビュー
バルミューダ「JetClean(ジェットクリーン) EJT-1000-WK」
~優れたデザイン性と基本性能の高さに思わず買っちゃいました!
by スタパ齋藤(2013/2/8 00:00)
家電Watch編集部から「貴様は空気清浄野郎なので、バルミューダの新型空気清浄機を試してみなはれ」的なメールとともに、バルミューダの「JetClean(ジェットクリーン) EJT-1000-WK」(以下、JetClean)が送られてきた。……空気清浄野郎って、あの、いや、最近はそれほど空気清浄に凝ってる感じでもナイんですけど、とか思いつつも、コレは非常に気になっていた製品♪ 早速試してみた。
メーカー | バルミューダ |
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製品名 | JetClean EJT-1000-WK |
希望小売価格 | 46,800円 |
購入場所 | 直販サイト |
JetCleanは室内の空気を強力に循環させることに主眼を置いた空気清浄機。上下2つのファンを同時に回転させる独自の「Wファン構造」により、最大で毎分1万Lの吸排気できるという。
また、本体内に円柱形の「360°フィルター」を搭載。長さ8mのHEPAフィルターを折り畳んだフィルターで、ウイルスなど0.3μmほどの微細粒子も捉えるとのこと。
さらにこのフィルターの内部には、脱臭専用フィルターである脱臭ユニットが格納されている。脱臭ユニットは活性炭とゼオライトの2層構造で、生活上の様々な臭いを取り除ける。
ちなみに、集塵フィルターから脱臭ユニットを取り出した状態でも使用できる。その場合、脱臭効果は落ちるものの、集塵能力が約13%向上するとしている。
JetCleanのコンセプトや公称性能についてはメーカーの製品紹介ページをご参照いただきたいが、「室内に大量の空気を強力に循環させ、それにより汚れやニオイを攪拌しつつ本体に吸い込み、空気を本体内のフィルターで濾過してニオイや汚れを取り去る」という空気清浄機ですな。空気の循環量とフィルターでの集塵に絞った「真正面から作られた空気清浄機」という印象だ。
印象と言えば、この空気清浄機の第一印象が非常に良かった。単純にカッコ良かったのだ、外見が。非常にシンプルでストイックなデザインからは生活臭ってモノが全然してこない。正直なところ、「この外観である程度の性能があるならデザイン重視で買っちゃうかも~」とか思った。
サイズは、250×250×700(幅×奥行き×高さ)で、接地面積はA4用紙程度。左右の吸気部などのための空間を空ける必要はあるが、設置における省スペース性が高い空気清浄機だと感じる。ちなみに重さは8kg。両側に取っ手があるので移動させやすい。
さて、JetCleanの運転モードだが、全部で4つある。手動で弱/中/強の風量を切り替えるマニュアルモード、全部JetClean任せのオートモード、運転音が最も静かで省エネとなるセーブエナジーモード、そしてJetCleanの最大風量で室内空間を効率的に洗浄できるジェットクリーニングモードだ。最後のジェットクリーニングモードがスゴそ~なので、とりあえずコレを試してみることに。
ジェットクリーニングモードを使った途端、いろいろな観点から絶句した。いい絶句と悪い絶句がありますけど、どっちから行きますか? はい、悪い絶句ですね♪
ジェットクリーニングモード、その風量が凄まじいのである。空気清浄機ってよりは工場作業用のファンみたいな勢い。俺の場合、うかつに「とありあえず何となくジェットクリーニングモード」などと使ったものだから、その風量により、部屋中のホコリというホコリが吹き飛びまくった。絶句。
ちなみに、ジェットクリーニングモードを始めとする風量が多い運転モードでは、騒音もソレナリにある。でもまあ、風量のわりには静音性が高いとは思う。
さておき、凄まじいジェットクリーニングモード体験だが、具体的には、普段ほとんど掃除できていない天井付近、照明のセード上型、拭いていない棚、掃除機が届かない家具の下などのホコリ類がドブゥワ~ッと動き出して舞ったのである。「あっヤバ、このホコリ吸ったらヤバ」と反射的にトイレへと避難したほどだ。
ジェットクリーニングモードの動作についてはこちらをご参照いただきたいが、本体正面の飛行機印のボタンを押せばすぐこのモードに入る。そして一定時間、大量の強い風で部屋を攪拌しつつ、舞ったホコリ類を本体のフィルターで濾過し、空気を徹底して浄化する、というわけだ。
でまあ、ウカツに試しちゃった俺の場合、初回のジェットクリーニングモード使用後、部屋を改めて掃除するハメになった。ジェットクリーニングモードは、確かに部屋のホコリ類を効率良く除去してくれはするものの、糸くずや毛、砂のようなホコリなど、重めのホコリまでは吸引できない。でもそういったホコリもジェットクリーニングモードの風量で舞ったり高い位置から落ちたりするので、たとえばテーブルや椅子、棚の上向きの面などに、かな~りホコリ類が「たかって」しまったのだ。春一番が吹いた日にうっかり窓を開けっ放しにして出かけちゃった、的なホコリだらけ状態になった。
ので、「こここ、こ、このモードにすると凄まじい風が部屋中を吹きまくるのだ、ゴクリ」てな心構えをしてから、ジェットクリーニングモードを使用するのがいいと思う。にしてもまあ、これほどの風量が出るとは思わなかった。
この物凄い風量は「いい絶句」にもつながった。習慣づけてジェットクリーニングモードを使っていると、JetCleanの吸塵力がよくわかるのだ。たとえば毎日10分程度ジェットクリーニングモードを使うと、JetClean使用開始から数日で、「あっ、以前より部屋にホコリが出にくくなった」と気づくだろう。俺の場合は、しつこいホコリの激減を目の当たりにし「えっホントすか……」と絶句した感じ。
拙宅仕事場環境の場合、毎日な~んか細かなホコリが発生する。まあオフィスなんでしょうがないですな。このオフィス、先日しっかりとワックスがけしたのだが、乾燥するこの季節にホコリが発生すると、静電気により床にホコリがこびりつく。ので、この「毎日付くしつこいホコリを鋭意除去するために掃除機を購入」した。
でまあ、毎日仕事前に掃除機がけをして、床のホコリを除去し、ピカピカの床とともに気持ちよく仕事を開始していた。のだが、JetCleanを試用し始めたら、床にほとんどホコリがこびりつかなくなったのだ。JetCleanのジェットクリーニングモードを始めとする吸塵性能により、しつこくてイヤなホコリが激減したと言えよう。
まあ糸くずや毛くずなど、大きめのゴミまでは吸引してくれないJetClean。JetClean試用開始後も多少は掃除機がけの手間が残ったわけだが、考えてみるとこういうふうに「アカラサマとも言える集塵性能を発揮する空気清浄機」って初めてかもしれない。
こういう「強力さ」を持つ空気清浄機なのだが、いつもはだいたい「非常に静音性が高い」と感じられる。ジェットクリーニングモードで運転時やニオイやホコリを検知して風量が増えた時など以外は、聞き耳を立てても気づきにくい動作音しか聞こえてこない。意識しないと聞こえませんな。
ほか個人的に気に入ったのは、フィルターを消耗品として捉え、1年目安でフィルターを丸ごと買い換えるという点。フィルター価格は、集塵フィルター4,200円、脱臭ユニットは3,400円、両方セットで6,800円。1年で4,200~6,800円かかるので、ランニングコストはかなり低く見える。が、やはり個人的な価値感で言うと、「あれだけホコリを吸いまくって汚物化しているフィルターは適当な期間使ってとっとと交換したい」と思う。
個人的にちょっとヤなのが、電源がACアダプタだという点。ボックス部分のサイズは約13.5×6×4cm(実測)で、やや大きめの専用ACアダプタを使う必要があるんですな。隠しづらいサイズなので、設置場所によってはせっかくのJetCleanの外観が台無しに。
さておき、基本的な外観の良さ、空気清浄機としての基本性能の高さ、それから余計なデザインや機能を付加していないという潔さ、そのあたり全般非常に良かったので、試用後に思わず買っちゃいました♪ ちょうど「ホワイト×グレー(型番:EJT-1000-WG)」カラーが数量限定で発売されたので、じゃあよりデザイン的にアクが強くなさげなソチラを、みたいな。
つまりはバルミューダのJetCleanのカスタマーとなった俺なんですけど、その立ち位置から言わせてもらえば、JetCleanは確かに非常に優れた空気清浄機だが、安いとは言いがたい、てな感じ。
バルミューダの寺尾社長は、JetCleanの発表会で「高性能のフィルターを用意して、そこに部屋中の空気を通過してキレイにする、とてもシンプルですが最も効果的な方法です」と言ったそうだ。俺の場合はそのコンセプトに頷きつつ、JetCleanのその性能を体感してちょいと感動した。のだが、そこまでだと、まだJetCleanはお高いように感じる。
しかしそれに加え、JetCleanには、これまた優れたデザイン性、接地面積の少なさ~省スペース性があると感じた。さらに「毎年気持ちよくフィルターを交換して長年使っていきたい」と使用スタイル的にも同意でき、はじめてあの価格に納得できたように思う。
てな感じで、ヒッジョーにイイんだけど、お値段が悩みどころなJetClean。細かい部分でもよくできた空気清浄機なので、興味のある方はぜひ一度改めてチェックしてみてほしい。