家電ミニレビュー

自転車用インカムの最適解かも!! グループの通話が途切れない、音楽も聞ける♪

自転車用のインカムとしては、これが最適解かも!!! という製品が登場しました。シマノが扱うLAZER(レーザー)ブランドの最先端コミュニケーション&オーディオシステム「VeloVox(ヴェロボックス)」です。

LAZER「VeloVox」はサイクリスト向けの非常にコンパクトなコミュニケーション&オーディオシステムです。サイクリング中に仲間とハンズフリーで会話できるインカム機能のほか、ステレオで音楽を聞くこともできます。価格は28,600円
自転車用ヘルメットのあご紐部分に装着します。ほとんどの自転車用ヘルメットに装着可能で、工具不要で容易に着脱できます。防塵・防水等級はIP54で、「有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない(防塵形)」と「あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形)」を併せ持ちます

ちなみにインカムとは「インターコミュニケーションシステム」の略で、マイクとイヤホンが一体化した通信機器。複数人と同時にハンズフリーの会話が可能で、店舗やイベントなどで幅広く使われています。製品も通信方式もさまざまですが、自転車用やオートバイ用はBluetoothによる通信が主流です。自転車用のBluetoothインカムも何機種か市販されています。

このLAZER「VeloVox」ですが、従来のBluetoothインカムとは一線を画する、かなり画期的な製品です。筆者の独断と偏見で評しますと「Bluetoothインカムとは“つながる世界がまったく違う”」という感じ。

どう違うの? それは通信方式。スマートフォンアプリがインターネット経由でインカムをつないで会話を実現するという点。つまり、スマートフォンが通信エリア内(圏内)なら、距離を問わずに会話できます。なお、同時に会話できる人数(同時接続可能なLAZER「VeloVox」台数)は最大30人です。

Bluetoothインカムは自分も相手もある程度近距離でグループライドなどするには実用的です。Bluetoothはある程度の障害物に対しては比較的に強い通信方式ですが、ただし、大きな遮蔽物(とくに壁や金属)があると通信状況が悪化しがちです。

なので、状況によっては(インカムとインカムをつなぐ)Bluetooth接続が途切れたりします。たとえば都市部で建物を挟んでしまったり、MTBライドで山林の中に入ったりすると、良好な会話ができないことが少なくありません。相手が見える程度の距離にいる場合、Bluetoothインカムは実用的ですが、それ以上の距離になったり、自分と相手との間に大きな遮蔽物があったりする場合は、通信(会話)ができなくなることも多いというわけです。

一方、LAZER「VeloVox」での通信(通話)はアプリによるもので、モバイルネットワーク経由で会話を実現します。インターネット経由での会話ということなので、スマートフォンが通信圏内であれば、建物や山林は無関係で、相手との距離は無制限での会話が可能です。ちなみに、スマートフォンとVeloVox本体はBluetooth接続ですが、通常は常に至近距離にあるので「Bluetoothだから電波が途切れる」ということも起きにくいです。

LAZER「VeloVox」はスマートフォン・アプリ(インターネット)経由で会話するスタイルのインカム。なのでスマートフォンが通信圏内なら相手との距離を問わずに会話ができます。同時に最大30人との会話が可能

また、LAZER「VeloVox」は前述のとおり「コミュニケーション&オーディオシステム」。インカムとして使えるほか、Bluetoothスピーカーとしてステレオで音楽を聞くこともできます(編集部注:安全面から、周囲の音がちゃんと聞こえる程度の音量に留めることが求められます)。イヤホンのように耳をふさがないので、適切な音量で使えば安全なライドを楽しめます。

インカム用途以外では、自転車用ヘルメットのあご紐に装着できる耳を塞がないBluetoothステレオスピーカーのようなもの、と考えてさしつかえありません。スピーカーとマイクを内蔵しているので、もちろんスマートフォンで電話するときにも使えます。

グループライド時に距離無制限のインカムとして使えたり、BGMを聞きながらサイクリングをしたり、サイクリング中の着信に応じたり、ハンズフリー通話に使えたり。グループライド用インカムだけでなく、さまざまな用途に応じてくれる最先端コミュニケーション&オーディオシステムです。

どうやって使う? アプリで何ができる?

LAZER「VeloVox」は細身の本体ユニット(左右・計2台)とスマートフォン用の専用アプリで使います。本体ユニットは親指大で、左右合計で38gと軽量。満充電から連続通話を約11時間行なえます。

本体ユニットは左右合計2台。1台あたりのサイズは、25.7×71.7×12.2mm(幅×長さ×厚さ)。左右合計の重さは38g
耳をふさがないステレオスピーカーとして機能するため、2つの本体ユニットは左右が決められています
左右の本体ユニットには、それぞれ2つ・合計4つのボタンがあります。電源のオンオフ、通話や通話ミュート、音量調節、曲の送り戻し、受話や終話などをこれらボタンで行ないます。また、シマノDi2製品と連携でき、自転車のシフトレバー部スイッチにVeloVoxの機能を割り当てられ、音量調整や通話のオンオフを操作可能。ハンドルから手を放すことなく、安全にライドに集中できるというわけです
下側には充電用のUSB Type-Cポートとマイクが内蔵されています。充電用のUSB Type-C(二股)ケーブルが付属しています

LAZER「VeloVox」の使用手順はシンプルです。まず本体を充電しますが、付属のUSBケーブルは二股になっていて、2つの本体を同時に充電できます。ヘルメットあご紐に装着した状態でも、この二股ケーブルによりスマートに充電できます。

ヘルメットへの装着ですが、本体のスリットにヘルメットのあご紐を通すだけです。ヘルメットのあご紐が当たる本体部分には滑り止めラバーが貼られていて、装着後の本体の安定感も上々です。

本体ユニットをヘルメットのあご紐に装着します。写真では右側がヘルメット前方。耳の前方に本体が装着されるカタチです
装着は、ヘルメットのあご紐を本体ユニットのスリットに通すだけ。あご紐と接触する部分は滑り止めラバーとなっていて、滑りにくく安定的に装着できます
装着した様子
見た目よりもずっと希薄な装着感で、違和感なくでインカムを利用できます
スピーカーは耳に向いている状態です。耳とスピーカーの間に若干の距離がありますが、スピーカーからの音声は明瞭に伝わり、耳をふさがないので周囲の音も聞こえてきます

写真で見ると「あご紐に重みがかかって違和感があるのでは?」という印象になるかもしれません。しかし、実際はあご紐内側が出っ張るようなことがほぼなく、左右ユニット合計重量が38gと非常に軽いので、装着したときの違和感はほとんどありません。

また、本体ユニットのスリットにあご紐を通すだけという装着方法ですが、実際に使用してみると「まず外れることはない」という安定感があります。それでいて着脱も容易なので、ヘルメットからヘルメットへの付け替えも簡単。総じて扱いやすい本体ユニットだと感じられました。

LAZER「VeloVox」の使用にはスマートフォンと専用アプリ「Cardo Connect」が必須です。スマートフォンはインターネットに接続できる必要があります。

LAZER「VeloVox」を使うには、インターネットに接続可能なスマートフォンと専用アプリ「Cardo Connect」が必須です
アプリからLAZER「VeloVox」の各種機能を利用できます。よく使う機能は「クイックアクセス」に登録。電話機能では登録した番号に手早く発信が可能。インターコム機能はLAZER「VeloVox」をインカムとして使うときの機能です。音楽機能でスマートフォン上の音楽を聞くこともできます
左から、インカムとして使う場合の設定画面、音楽再生中の画面。初期的な設定や操作をした以降は、アプリを見る必要はありません。なお、シマノDi2製品と連携させる場合、使用しているDi2製品(シフトレバーなど)をアプリから指定・機能設定します(すべてのDi2製品と連携できるわけではありません)

アプリのスクリーンショットを並べましたが、インカムとして使うならアプリのトップ画面の「インターコム」をタップする程度で使い始められます。インカムとして利用する場合、まずはグループを設定し、そこに参加する友達(メンバー)を招待する必要があります。難しい操作はなく、筆者的見解ですと「LINEで“友だちを追加”したことがあればすぐできる」くらいの難易度です。

左は既に友達(メンバー)をひとり招待し終えた表示。中央の表示はグループに友達を招待する表示。招待するためのリンクを未参加の友達に送ったりQRコードを読み取ってもらえば、招待完了となり新たな友達を加えての会話が可能になります

会話は良好、音楽も快適、LAZER「VeloVox」は便利&安全♪

実際にLAZER「VeloVox」を使ってe-bike部メンバーとサイクリングしてみました。まずはインカムとしての利用ですが、音質は良好で会話上で聞き取りにくいとか、音量が不足するとか、そういった不便はありませんでした。また、実際に使ってみると、本体とアイウェアがほぼ干渉しないというのも快適。

いつものサイクリング装備にLAZER「VeloVox」を追加。筆者の場合、アイウェアとLAZER「VeloVox」はまったく干渉しませんでした。また、遠目だとLAZER「VeloVox」を装着していることがほぼわかりません。装着感も見た目も自然である点が好印象です
耳まで覆うスカルキャップ(冬用)を装着していましたが、耳のすぐ前方にLAZER「VeloVox」のスピーカーが位置しているので、聞き取りにくさなどもありませんでした。相手の声が明瞭に聞こえ、こちらの声もしっかり相手に伝わりました。この写真でもアイウェアとLAZER「VeloVox」の相性の良さがよくわかります

装着している感じがほとんどないのに、相手の声がしっかり聞こえて、こちらの声もちゃんと伝わる。使った途端に「これはいいなぁ~理想形かもしれない~」と感嘆した我々e-bike部メンバーたちでした。後述しますが「仕事用に買っちゃおうか~!」ということにも。

LAZER「VeloVox」は通信(通話)が途切れないという点も快適で実用的。SNSアプリの通話機能のようなものですが、最大30人での同時通話も可能というのが単なる通話アプリとの違いです。ともあれ、その多人数通話がインターネット経由でなされるので、スマートフォンが通信圏内であれば、距離も環境も無関係で会話ができるのが大きな実用性です。

池を挟んだ向こうにe-bikeメンバー。LAZER「VeloVox」を使うと、すぐ近くに相手がいるような音質・音量で会話ができます。さらに離れた距離や遮蔽物越しでも試してみましたが、まったく問題なく会話できました

LAZER「VeloVox」を使って「これはイイ!」と感じたのは、後方を走るメンバーへの注意喚起や指示。たとえば先頭を走るメンバーが後続に対して「ここに段差ありまーす、注意ですー、段差ー」などと声で知らせつつ段差を指させば、より安全に走れます。

あるいは、「最初のコンビニ駐車場で停車します~、この先のルートの打ち合わせしましょう~」などと伝えることもできます。グループライドで誰かがルートを逸れた場合でも「○○さーん、走行中ですか~? ほかメンバーはコンビニに寄ってます、戻ってきてください~」的な連絡をスムーズに取ることができます。

後方メンバーが予期せず停車した場合にもいいですね。「後方ですー、踏み切りで止まりましたー」「はーい、確認しましたー、停車して待ちますー」といった連絡が距離や環境を問わず取れるので、グループライドがバラバラになるようなことも防げます。逆に体力差が大きい場合でも、無理して集団走行せずに、「ゆっくり走りますのでお先にどうぞ~」的な気楽なグループライドもできるでしょう。

以前、山林のグループライドで、某Bluetoothインカムを使っていましたが、勘違いで谷に下ったメンバーと、谷に下らなかったメンバーの間で、連絡(通信)が途絶えたことがありました。地面の起伏や森といった遮蔽物により、Bluetoothでの通信が不可能になってしまったからです。別れたメンバーがどこに行ったのか? など探したり判明したりするまでに数十分のロスが出ました。ロスが出ただけで済んだのですが、もしこれが危険な「連絡の途絶え」だったら……と想像すると薄ら寒いものがあります。

でもLAZER「VeloVox」の場合はスマートフォン通信圏内ならそういうトラブルも起きにくいはずです。「みなさーん、ここ寄っていきましょう~」という連絡から、はぐれた人との連絡、さらには危険回避などなど、サイクリングでの困り事や不安をいろいろと確実に解消してくれそうなインカムです。

また、試用中に「これってe-bike仕事に使えるよねぇ♪」「ですね~かなり使えそう!」という声も。LAZER「VeloVox」で仕事を効率化できそうだという話になりました。

撮影時、カメラを構えたメンバーから「もう少し左に寄って……はい、そのあたり、じゃあ撮ります……もう何枚か撮ります……バンザイしてみて~」などと、LAZER「VeloVox」越しで指示があったりしました。いつもは事前打ち合わせと身振り手振り(ときどき大声)での撮影ですが、LAZER「VeloVox」があればインカム会話で仕事を進められます

e-bike関連記事作成で、たとえばロケに出ての撮影。e-bikeで走行中のシーンを撮るときなど、ちょっとたいへん。事前に「あのカーブの向こうから走ってきてもらって、このあたりで撮りますので、あの標識のあたりまで走って、それから戻ってきてください」的に打ち合わせをします。そのとおりに走りますが、「いまのでOK?」「もう一度?」といったことは身振り手振りで伝えられることが多いです。スマートフォンのスピーカーホン通話を使うこともありますが、メーカー貸し出しの車体だったりしてスマートフォンホルダーが使えなかったり……スマートフォンを身に付ける装備を使っていなかったり……結局、事前打ち合わせと身振り手振りでの意図伝達が手っ取り早い、みたいな。

でも、LAZER「VeloVox」を使えば撮影中に「はいOKです~」とか「もう1回~、今度はスタンディングで~」などと会話での指示が可能。絶対効率UPするハズ。

また、撮影時に自転車やトラックなどの車両や歩行者などが通ると、再撮影になったり。予測できないので運が悪いわけですが、でもLAZER「VeloVox」を使えば「あークルマ来てます~、白いクルマが通過したら走り始めてください~」という対処ができたりします。

とまあ仕事撮影にもLAZER「VeloVox」が役立つというのはさておき、グループライドが確実に快適で安全なものになるであろうLAZER「VeloVox」。ワンセットの価格が28,600円と、決して安いものではありませんが、多々のメリットと豊富な機能性を備えていますので、興味がある方はぜひじっくりとチェックしてみてください。

スタパ齋藤