家電ミニレビュー
1万円しないシャープのドライヤーは「速乾派」の正解かも
2026年1月13日 09:05
最近は数万円クラスの高機能ドライヤーも珍しくなくなりましたが、ノーセット派の筆者が求めるのは、手頃でとにかく早く乾く一台。
そんなニーズに応えてくれそうだと感じたのが、2025年10月に登場したシャープの「ディンプルフロードライヤー IB-P300」です。新開発の速乾ディンプルノズルを採用し、コンパクトボディながら最大4.8m3/分という大風量をうたう速乾モデル。実売価格はおよそ9,000円と、同社ラインナップの中では手頃な位置づけです。
今回は、持ちやすさや操作性、乾く早さまで、長髪ではないノーセット派の目線でレビューしていきます。
独自の送風設計で、コンパクトでも大風量
「ディンプルフロードライヤー IB-P300」が速乾を実現している一番のポイントは、シャープ独自の送風設計「ディンプルフロー」です。吹出口の内側にくぼみ(ディンプル)を設けることで気流を整え、空気抵抗を抑えつつ、勢いのある風を生み出す仕組みに。
さらにノズル先端を絞ることで風をギュッと集中させ、高風圧で直進性の高い風を送り出します。鳥類最速とされるアマツバメの翼形状から着想した「アマツバメファン」との組み合わせにより、最大4.8m3/分というクラス上位の大風量を実現。
運転時にはマイナスイオンも発生し、静電気を抑えて髪の広がりやパサつきを抑制できる仕様です。強風タイプでありながら、仕上がりをある程度コントロールしやすいのも特徴。
温風温度は約95℃で、モードは3種類。用途に応じて切り替えるだけのシンプルな構成です。
- TURBO(温風強):高風量の温風で一気に乾かしたいときに使うメインモード
- SET(温風弱):穏やかな温風で髪の乾きはじめやスタイリング時に便利
- COLD(冷風):仕上げ時にキューティクルを引き締め、スタイルを長持ちさせる
多機能なドライヤーでも結局使うモードは限られるということはありがちですが、このくらいのシンプルさならノーセット派でも迷わず使えます。
本体は余計な装飾をそぎ落としたプレーンなデザインで、まっすぐ伸びたノズルからも「風量に全振りしたモデル」という印象を受けます。 仕上げはややマット寄りの落ち着いた質感で、シンプルながら安っぽさはなく、派手さがないぶん家族で共用しやすいです。
かなりコンパクトなうえ、ハンドルは直角に折りたためます。折りたたむと文庫本程度の占有感で、バッグや棚のすき間にも収めやすい仕上がり。
約485gの軽量ボディで、動かしやすく疲れにくい
本体重量は約485gで、500mlペットボトルとほぼ同じ感覚の重さです。一般的なドライヤー(およそ500〜800g前後)と比べても軽量な部類で、実際に持ってみても腕への負担が少なく、スルスルと動かせます。
本体が重くて動かしにくいドライヤーのように、同じ箇所に熱が集中して「あちっ!」となるような場面もありません。細めで角のないハンドルは握りやすく、グリップ感も安定していて滑りにくく、手が小さめの人でも扱いやすそうです。
公称温度約95℃ながら、風そのものはしっかり強いものの、当たり方がどこかマイルドで、熱さを感じにくい点も好印象。風を効率よく当てて熱こもりを抑える送風設計のおかげか、体感としては必要以上に熱い印象はありません。
当初は“速乾重視ゆえに髪へのやさしさはあまり期待していなかった”のですが、取り回しの軽さと熱の当て方のバランスによって、結果的に髪へのダメージも抑えられていると感じられたのはうれしい誤算でした。
朝のドライ時間を短縮。2分でさらっと乾く実力
乾くスピードはやはり優秀です。濡れた髪をタオルで拭いてからTURBOで乾かしたところ、完全に乾くまでにかかった時間は約2分ほどで、現在のストレートかつ短めの髪とはいえ、速乾ドライヤーの名にふさわしい実力だと感じました。
正直、乾くのが遅いドライヤーだと多少濡れていても「このくらいでいいかな」と途中でやめてしまいがちですが、衛生面や髪のケアの観点では好ましくありません。 このくらいの速さでしっかり乾かせるなら、最後まできちんと乾かす習慣も続けやすそうです。
大風量タイプということで、手ぐしで髪を広げたところに風を当てると毛先がかなりあおられるのではと身構えていましたが、想像よりも控えめ。風が外側に散ってしまうタイプではなく、直進性の高い風が狙った場所にきちんと届くおかげで、必要以上に周囲の髪をかき乱さない印象です。
SET(温風弱)モードは風量自体は抑えめながら、乾かせるだけのパワーは備えた“中程度の風”という印象。もっと繊細なスタイリングをしたい人にとっては、もう一段弱いモードが欲しくなるかもしれません。
ワックスを一切使わない筆者にとっては、そこそこの風量で毛流れを整えられる点はちょうどよく感じられました。TURBOでざっと乾かしたあと、SETに切り替えて表面と毛先の流れを整える、という使い方には向いていそうです。
COLD(冷風)は、仕上げに送風することでスタイリングした髪を長持ちさせる位置づけ。ノーセット派だと、毎回きっちり使うことはないという感じでした。夏場やお風呂上がりに頭皮を一気に冷ましたいときのクールダウン用途には便利かなと思います。
ノーセット派の正解かも
総じて、「こういうのでいいんだよ」と言いたくなるタイプのドライヤーです。速乾性に優れていて、当初求めていた「とにかく早く乾いてほしい」というニーズにはしっかり応えてくれました。
それに加えて、本体の取り回しがしやすく、風の当たり方もマイルドなため、結果として髪へのダメージという面でも一定の配慮が感じられる仕上がりです。高級ドライヤーのような多機能は要らないけれど、早く乾けばいい派の本音にまっすぐ応えてくれる一台です。










